小林製薬が製造する「紅麹」を用いたサプリメントの摂取により健康障害が報告された問題が拡散しており、これを原材料とする飲料や食品を製造する企業による製品の自発的な回収が次々と行われています。
この問題に対し、小林製薬は自社の機能性表示食品である「紅麹コレステヘルプ」を使用した後、6人が入院し、さらに7人が外来治療を受けて腎臓の病気などを患ったと発表。これらの製品には予期せぬ成分が混入している可能性があるとして、3種類の商品の回収を自主的に実施すると公表しました。
25日に小林製薬からの発表によると、紅麹を含む同社製サプリメントに関連する健康問題で、新たに20人の入院患者が確認され、これにより入院した人の数は合計で26人に上がったことが判明しました。
小林製薬は、自ら生産する紅麹の約20%を自社の製品に使用し、残りの約80%は他社に供給しており、その販売先には日本国内及び台湾の52社の飲料や食品メーカー、原料販売業者が含まれているとのことです。同社は健康上のリスクがあるとして、これらの企業に対し紅麹の使用停止を求めて連絡を取ったと報告しています。また、小林製薬による他社への紅麹販売は2016年から始まっていたとのことです。
宝酒造は、日本酒の一部を自主回収
紅麹を含む製品の安全性に関する懸念が高まる中、多くの飲料や食品メーカーが製品の自主回収を行っており、問題の影響範囲が広がっています。
宝酒造は24日、紅麹を原材料として使用している自社の日本酒『松竹梅白壁蔵「澪」PREMIUM〈ROSE〉』の300mlと750mlの容量を持つ約96,000本の自主回収を行うと発表しました。
宝酒造によると、この日本酒には以前から自主回収を行っている小林製薬によって製造された紅麹が使用されており、小林製薬からは製品の販売停止を求める連絡があったとのことです。
ZEROPLUS「濃厚チーズせんべい」も自主回収
福岡県を拠点にする「ZEROPLUS」は、22日に自社が市場に出している機能性表示食品である「悪玉コレステロール対策に貢献する濃厚チーズせんべい」について、小林製薬製の紅麹原材料を使用していることから、製品の自主回収を実施することを公表しました。
この回収は、店頭販売やオンライン通販を通じて販売された約700個の商品が対象です。
名古屋の「豆匠 豆福」も自主回収
愛知県名古屋市に店舗を構える豆菓子の専門店「豆匠 豆福」は、紅麹を含む原材料を用いた一部豆菓子製品の自主的な回収を行うことを発表しました。
自主回収される商品は以下の通りです。
【回収される商品一覧】
- 豆だくさん(6袋、12袋、24袋、36袋パック)※「紅こうじ小梅」のみが該当
- 豆でなも ※「えびしおアーモンド」のみが該当
- 春のまめ壺
- 紅こうじ小梅
- えびしおアーモンド
- 紀州梅こぶ茶カシュー
- 桜吹雪
- 豆のつどい3、豆のつどい6、豆のつどい9 ※「紅こうじ小梅」のみが該当
「豆匠 豆福」は、該当する製品を購入した消費者に対し、商品を食べることなく返品を呼びかけており、返品に関する問い合わせは専用の受付窓口への連絡を促しています。
なお、現時点でこれらの製品による健康上の害が報告された事例はないとのことです。
紀文「いか塩辛」2商品を回収
食品製造業者の紀文は、自社が市場に出している「いか塩辛」を含む2つの製品で紅麹を原料に利用していることを受け、小林製薬から製品回収を求められたため、これらの商品の自主回収を実施すると発表しました。
今回自主回収する製品は、「国産いかを使ったいか塩辛」と「いか塩辛3P」の2種類で、これらは主に東日本地域のスーパーマーケットなどで取り扱われています。紀文は消費者に対して、該当する商品が手元にある場合は指定の送付先へ着払いで送るよう呼びかけており、送付された後には返金手続きを進める予定です。
また、紀文はこの件について消費者へ深くお詫びを表し、「大変ご迷惑をお掛け致しますことを、謹んでお詫び申し上げます。今後、管理体制の一層の強化に努める所存でございます」とコメントしています。
タケヤみそ『塩ひかえめ紅麹仕立て』の自主回収
長野県を拠点にする食品メーカー竹屋は、25日に「タケヤみそ塩ひかえめ紅麹仕立て」の回収を自主的に行うと発表しました。
この措置は、使用されている紅麹の製造元である小林製薬から、「紅麹の一部原料に予期せぬ成分が混入している可能性がある」との通知を受けたことに基づいています。このため、同社は「塩ひかえめ紅麹仕立て」の販売を暫定的に停止し、健康リスクを鑑みて該当商品の自主回収を決定しました。所持している消費者には、商品を専用窓口へ連絡の上、または着払いで直接返送するよう案内しています。
【回収対象の商品】タケヤみそ「塩ひかえめ紅麹仕立て」500g入りカップパッケージ ※賞味期限に関わらず、すべてのロットが回収の対象となります。
紅麹の悪玉コレステロールを下げる効果に関してチャットGPTさんとGeminiさんに聞いてみた
紅麹を使ったサプリメントで健康被害がありましたが、紅麹は悪玉コレステロールを下げる効果があるという事で注目されていたものでしょうか?
はい、紅麹(こうじ)は、伝統的に食品の発酵に用いられる紅麹菌を利用して作られ、特にその中に含まれる一成分であるモナコリンKが注目されています。モナコリンKには、スタチンと同様の作用機序を持ち、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を低下させる効果があるとされています。そのため、心血管疾患のリスクを低減する可能性があり、健康食品やサプリメントとして利用されてきました。
紅麹サプリメントが体に及ぼす健康上の利点は主にこのコレステロール低下効果に関連していますが、一方で、すべての人にとって安全であるわけではなく、過剰摂取や個人の体質によっては副作用が報告されています。例えば、スタチンと同様に、筋肉痛、肝機能障害、腎障害などのリスクがあるとされています。そのため、紅麹製品を使用する際には、適切な使用が推奨されており、特に既存の健康問題がある場合や他の薬剤との相互作用が懸念される場合は、医師や専門家と相談することが重要です。
はい、紅麹サプリメントは悪玉コレステロールを下げる効果が期待されていたため、近年注目を集めていました。しかし、2024年3月、小林製薬の紅麹サプリメント摂取後に腎疾患などの健康被害が報告され、問題となりました。
紅麹サプリメントと健康被害
- 小林製薬の紅麹サプリメント「紅麹コレステヘルプ」摂取後に、少なくとも33人の健康被害が確認されました。
- 主な症状は腎疾患ですが、肝機能障害や筋肉痛なども報告されています。
- 原因物質はまだ特定されていませんが、紅麹菌が生成するシトリニンなどの物質が影響している可能性があります。
- 小林製薬は該当商品を自主回収し、販売を中止しています。
紅麹の悪玉コレステロール降下効果
- 紅麹には、コレステロール合成を阻害する「モナコリンK」という有効成分が含まれています。
- モナコリンKは、医薬品として処方されるスタチンの天然型化合物です。
- 多くの研究で、紅麹サプリメントの悪玉コレステロール降下効果が確認されています。
今後の紅麹サプリメント
- 健康被害を受け、紅麹サプリメントの安全性に対する懸念が高まっています。
- 欧州連合(EU)は、紅麹サプリメント中のシトリニンの基準値を設定しています。
- 今後、紅麹サプリメントの安全性確保に向けた取り組みが求められます。
紅麹サプリメントの利用を検討している方は、以下の点に注意が必要です。
- 信頼できるメーカーの製品を選ぶ
- シトリニンの含有量が少ない製品を選ぶ
- 医師や薬剤師に相談してから服用する
ネットの反応は?
フランスやスイスでは、10年前(2014年)に「紅麹」を含むサプリメントについての注意喚起が行われていますね。
またEU(欧州連合)では、やはり10年前に「紅麹由来のサプリメント中のかび毒シトリニン」について、「腎毒性の懸念がないレベルを算出」して基準値まで設定しています。
日本は、情報も遅ければ、基準作成などの対応も遅いと言わざるを得ません。
紅麹とは菌類ですし生き物ねですからね
紅麹菌にも多くの種類があって、毒素を出す菌もあるとか、その中から毒素を出さない菌を見つけた訳だけど、それが画期的だったから多くの商品で使われるようになったわけで
ただ菌は変異しやすく、一部が毒素を出すように変異してしまったのかも?
編集後記
小林製薬だから大丈夫って思って摂取していた人もいるだろうから知ってるメーカーだから大丈夫って妄信するのは良くないんですね。
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