ITシステムを外部にお願いする場合、「とりあえず見積もり取って決める!」……では失敗のもと。
しっかりと計画的に「どんな企業に、どんな条件でお願いするか」を決める必要があります。
そのプロセスが「調達計画・実施」です。
調達の流れをステップで確認!
システム開発や機器の導入などを外部業者に依頼するまでの一連の流れを確認しましょう。
図解:「調達の流れ」

【① 情報提供依頼(RFI:Request For Information)】
- 市場にどんなサービスや技術があるのかを調査する段階
- 発注元が“広く情報を集めるため”に発行する文書
【② 提案依頼書の作成と配布(RFP:Request For Proposal)】
- 発注元が「こういうシステムを作りたい」と要件をまとめて提示
- 提案をもらうための「お題」のような文書
【③ 選定基準の作成】
- 提案をどう評価するかのルールを決める
- 例)コスト重視、セキュリティ重視、納期重視など
【④ 提案書・見積書の入手】
- 提案書:どんなシステムをどんな方法で作るかの“計画書”
- 見積書:費用・納期などが記載された“価格の根拠”
【⑤ 提案内容の比較・評価】
- 各社からの提案を、選定基準に従って比較・検討
【⑥ 調達先の選定】
- 一番条件に合う企業を決定!
【⑦ 契約締結・受入れ・検収】
- 契約書を交わし、納品された内容を確認しながら受入れ・検収を行う
- 不備があれば修正を依頼することも
グリーン調達とは?
▶ 環境への配慮を重視した調達方法
→ エネルギー効率のよい製品、リサイクル可能な素材の活用などが重視されます。
「安ければOK」ではなく、地球にやさしい選択をという視点です。
AI・データ利用に関する契約ガイドライン
▶ AIやデータを使ったサービスの契約で重要視されるポイント
- データの帰属(誰のものか)
- 利用範囲や再利用の制限
- AIによる生成物の責任の所在 など
“曖昧になりがちな部分”を明確にするための指針として、経産省などがガイドラインを発行しています。
まとめ
ステップ | 概要 |
---|---|
RFI | 情報収集フェーズ |
RFP | 提案依頼フェーズ |
比較評価 | 各社の提案を公平にチェック |
契約〜検収 | 納品内容の確認・受け入れ |
FAQ(よくある質問)
- QRFIとRFPは何が違うの?
- A
RFIは“情報を集める段階”、RFPは“具体的な提案を依頼する段階”です。
- Q見積書と提案書って違うの?
- A
はい。提案書は「どう作るか」、見積書は「いくらかかるか」の資料です。
- Q調達ってシステム部門だけでやるの?
- A
いいえ。総務・法務・経営層も関わることが多く、会社全体で判断する場面もあります。
練習問題①
次のうち、提案依頼書(RFP)に関する説明として最も適切なものはどれか?
A. 発注元が技術的な提案を受け取る文書
B. 発注先が費用だけを提示するための文書
C. 市場にある製品の価格を調査するための調査票
D. 発注元が製品を発注する際に使う契約書
正解:
A
→RFP(提案依頼書)は、発注元がシステムの要件をまとめて提示し、発注先から技術的・業務的な提案を受け取るための文書です。
練習問題②
調達プロセスにおいて、提案内容の比較評価を行う主な目的はどれか?
A. 契約締結をスムーズにするための事前準備
B. 最も安い企業を選ぶことが法律で義務付けられているため
C. 提案内容を公平に判断し、最も適した発注先を選ぶため
D. 発注元が自社で開発することを決定するための工程
正解:
C
→提案内容の比較評価では、コストや品質、納期などの観点から提案を公平に判断し、最適なパートナーを選定します。
練習問題③
グリーン調達に関する記述として、最も適切なものはどれか?
A. 法律上、すべての調達は環境配慮製品でなければならない
B. 発注元の利益を最大化するための調達方針
C. 環境への負荷が少ない製品・サービスを優先的に選定する調達の考え方
D. 電力使用量の多い製品を中心に調達する方針
正解:
C
→グリーン調達とは、価格や性能だけでなく「環境へのやさしさ」も重視する調達の考え方です。
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