意匠権
- 一行要約:物品・画像等のデザイン(形状・模様・色彩)を独占的に保護する権利。
- 詳しい説明:創作された“見た目の美感”に着目して保護。製品外観、パッケージ、GUIやアイコンなどの視覚意匠も対象になり得る。特許=技術的思想、商標=識別標識、著作権=表現と区別。
- ひっかけポイント:機能そのものは特許の領域。意匠はあくまで外観の創作。
- 関連語:特許権、商標権、著作権、意匠法、GUI意匠
ミニ問題
【Q.】意匠権が主に保護する対象はどれ?
A. 技術的思想 B. 表現一般 C. 商品のデザイン(形状・模様・色彩) D. 企業名の標識
正解:
C
解説(正解)
意匠権は“見た目”の創作を独占的に保護する。
他の選択肢
A:技術的思想は特許権の領域。
B:表現一般は著作権が中心。
D:企業名やロゴなどの識別標識は商標権。
不正競争防止法
- 一行要約:営業秘密の保護や周知表示の混同惹起等を禁じ、公正な競争を守る法律。
- 詳しい説明:営業秘密の不正取得・使用・開示、商品形態模倣、原産地等の誤認表示、ドメイン名の不正取得などを規制。営業秘密は「有用性・秘密管理性・非公知性」が要件。
- ひっかけポイント:営業秘密は“秘密管理性”の立証が鍵。単なる社外秘表示だけでは弱い。
- 関連語:営業秘密、トレードシークレット、コンフィデンシャル、競争法
ミニ問題
【Q.】営業秘密の要件として正しい組合せはどれ?
A. 新規性・進歩性・産業上利用可能性
B. 有用性・秘密管理性・非公知性
C. 周知性・顕著性・識別性
D. 著作物性・創作性・独創性
正解:
B
解説(正解)
営業秘密は「有用」「秘密管理されている」「一般に未公知」であることが要件。
他の選択肢
A:特許の要件。
C:商標の要件に関連。
D:著作権の要件に関連。
ソフトウェア開発における請負契約
- 一行要約:成果物の完成を約し、検収までの責任を負う契約形態。
- 詳しい説明:納期・品質・仕様を元に、完成責任と瑕疵担保(契約不適合)責任が中心。対になる準委任(SES/保守等)は結果ではなく善管注意義務が中心。
- ひっかけポイント:指揮命令・労務管理が発注側に及ぶと偽装請負のリスク。
- 関連語:準委任、受託開発、検収、契約不適合、SLA
ミニ問題
【Q.】請負契約の説明として最も適切なのはどれ?
A. 結果保証はなく作業の注意義務のみ
B. 完成物の納入と検収をもって報酬が発生する
C. 発注者が日々の作業を直接指揮する前提
D. 契約不適合責任は発生しない
正解:
B
解説(正解)
請負は完成責任型。検収が報酬発生の基点になる。
他の選択肢
A:準委任の説明。
C:指揮命令が強いと偽装請負の問題。
D:契約不適合(旧瑕疵担保)責任は請負で重要。
下請法
- 一行要約:親事業者による買いたたき・支払遅延などの不当行為を禁じ、下請を保護。
- 詳しい説明:書面の交付義務、60日以内支払、返品・減額の禁止など。適用範囲は資本金規模や取引類型で判定。
- ひっかけポイント:「仕様変更=常に減額OK」ではない。協議・書面・合理性が必要。
- 関連語:独禁法、優越的地位の濫用、検収、委託書面
ミニ問題
【Q.】下請法で親事業者に禁止される行為はどれ?
A. 支払期日を定める B. 正当理由なき減額(買いたたき)
C. 納期確認書の交付 D. 取引基本契約の締結
正解:
B
解説(正解)
正当な理由なく代金を減額する「買いたたき」は禁止。
他の選択肢
A/C/D:いずれも適切な取引手続であり、禁止ではない。
公益通報者保護法
- 一行要約:法令違反等を公益のため通報した労働者を不利益取扱いから保護。
- 詳しい説明:内部・外部(行政等)通報の要件、保護範囲、事業者の体制整備義務などを定める。解雇・降格等の不利益取扱いを禁止。
- ひっかけポイント:私怨目的の虚偽は保護対象外。要件を満たす必要。
- 関連語:内部通報制度、コンプライアンス、内部統制、告発
ミニ問題
【Q.】公益通報者保護法の趣旨に最も近いのはどれ?
A. 通報者の匿名性を完全に保障する制度
B. 企業の機密保持を最優先する制度
C. 違反通報者を不利益取扱いから保護する制度
D. 通報内容の公表を義務付ける制度
正解:
C
解説(正解)
公益のための適法な通報行為を保護し、報復から守る。
他の選択肢
A:匿名は要件ではない。
B:機密最優先では趣旨に反する。
D:通報の公表義務はない。
ISO
- 一行要約:民間の国際標準化機関(International Organization for Standardization)。
- 詳しい説明:品質(ISO 9001)、環境(ISO 14001)などの規格を策定。認証取得は規格適合の仕組みを第三者が審査する仕組み。
- ひっかけポイント:「International Standards Organization」ではなく正式名はInternational Organization for Standardization。
- 関連語:JIS、IEC、ISO 9001、ISO 14001、認証
ミニ問題
【Q.】ISOの説明として正しいのはどれ?
A. 国際的な政府機関 B. 民間の国際標準化機関
C. EUの官庁 D. 各国の規格の総称
正解:
B
解説(正解)
ISOは民間の国際標準化機関で、規格を策定する。
他の選択肢
A/C:政府機関ではない。
D:総称ではなく組織名。
ISO/IEC
- 一行要約:ISOとIECの共同規格(ICT領域が中心)。
- 詳しい説明:情報・通信分野はISO/IECの共同番号(例:ISO/IEC 27001=ISMS、ISO/IEC 12207=ソフトウェアライフサイクル)。技術委員会が共同で策定。
- ひっかけポイント:ISO単独規格と用途が異なる。ICTはISO/IECが多い。
- 関連語:IEC、27001、12207、JIS Q 27001、ISMS
ミニ問題
【Q.】ISO/IEC 27001が対象とする仕組みはどれ?
A. 環境マネジメント B. 品質マネジメント
C. 情報セキュリティマネジメント D. 労働安全衛生
正解:
C
解説(正解)
ISO/IEC 27001はISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)。
他の選択肢
A:ISO 14001。
B:ISO 9001。
D:ISO 45001。
3C分析
- 一行要約:Customer/Competitor/Companyの3視点で外部・内部環境を整理。
- 詳しい説明:顧客ニーズ、競合の強み・戦略、自社の資源・強みを比較し、ポジショニングと戦略仮説を導く。
- ひっかけポイント:Channelではない点に注意(CはCustomer/Competitor/Company)。
- 関連語:SWOT、STP、ポジショニング、ペルソナ
ミニ問題
【Q.】3CのCに含まれないものはどれ?
A. Customer B. Channel C. Competitor D. Company
正解:
B
解説(正解)
3Cは顧客・競合・自社。
他の選択肢
A/C/D:いずれも3Cの構成要素。
PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)
- 一行要約:市場成長率×相対シェアで事業を花形/金のなる木/問題児/負け犬に分類。
- 詳しい説明:資金の“源”である金のなる木から、将来性のある問題児・花形へ資源配分。撤退検討は負け犬。
- ひっかけポイント:分類は相対シェア×成長率で見誤らない。
- 関連語:BCGマトリクス、事業ライフサイクル、資源配分
ミニ問題
【Q.】高成長×低シェアの事業はどれ?
A. 花形 B. 金のなる木 C. 問題児 D. 負け犬
正解:
C
解説(正解)
問題児は高成長だが低シェアで投資判断がポイント。
他の選択肢
A:高成長×高シェア。
B:低成長×高シェア。
D:低成長×低シェア。
金のなる木
- 一行要約:PPMで低成長×高シェア、安定的に資金を生む事業。
- 詳しい説明:成熟市場で高シェアを活かしキャッシュ創出。守りつつ他事業へ投資原資を供給。
- ひっかけポイント:売上成長は低いがキャッシュ源である点が肝。
- 関連語:PPM、花形、問題児、負け犬、キャッシュフロー
ミニ問題
【Q.】金のなる木の特徴として最も近いのはどれ?
A. 高成長・高シェアで投資多 B. 低成長・高シェアで資金源
C. 高成長・低シェアで投資判断 D. 低成長・低シェアで撤退候補
正解:
B
解説(正解)
成熟市場での高シェアによるキャッシュ創出が役割。
他の選択肢
A:花形。
C:問題児。
D:負け犬。
マーケティングミックス
- 一行要約:売り手視点の4Pを中心に組み立てる施策の組合せ。
- 詳しい説明:Product/Price/Place/Promotionの整合性を取り、ターゲットに価値を届ける。
- ひっかけポイント:買い手視点は4C(別概念)。
- 関連語:4P、4C、STP、ポジショニング
ミニ問題
【Q.】マーケティングミックスとして代表的なのはどれ?
A. 4P B. 3C C. SWOT D. BPR
正解:
A
解説(正解)
ミックスの典型は4P。
他の選択肢
B/C:分析フレーム。
D:業務改革手法。
4P
- 一行要約:Product/Price/Place/Promotionの4要素。
- 詳しい説明:製品設計、価格戦略、流通チャネル、販促施策を統合。
- ひっかけポイント:Peopleは4Pに含まれない。
- 関連語:4C、STP、マーケティングミックス
ミニ問題
【Q.】4Pに含まれないものはどれ?
A. Product B. Price C. People D. Promotion
正解:
4C
- 一行要約:買い手視点のCustomer value/Cost/Convenience/Communication。
- 詳しい説明:4Pを顧客側に置き換えた枠組み。価値、顧客負担コスト、入手利便性、双方向コミュニケーションを設計。
- ひっかけポイント:「Cost」は顧客にとっての総コストであり原価ではない。
- 関連語:4P、STP、SIVA
ミニ問題
【Q.】4Cの“C”で誤りはどれ?
A. Customer value B. Cost(顧客にとってのコスト)
C. Convenience D. Cost(企業の製造原価)
正解:
4S
- 一行要約:職場改善の整理・整頓・清掃・清潔の取組(“5S”は+躾)。
- 詳しい説明:現場のムダ・ムラ・ムリを減らし、品質・安全・効率を高める基本活動。ITパスポートでは4C(買い手視点)とのひっかけに注意。
- ひっかけポイント:マーケの4Sではなく、ここでの4Sは現場管理の4S。試験はこの区別を問う。
- 関連語:5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)、カイゼン、TPM
ミニ問題
【Q.】次のうち4Sに含まれないものはどれ?
A. 整理 B. 清掃 C. 清潔 D. 安全
正解:
AIDMA
- 一行要約:消費者の購買プロセスAttention→Interest→Desire→Memory→Action。
- 詳しい説明:マス広告時代のモデル。Web時代はAISAS等も。
- ひっかけポイント:順序をA→I→D→M→Aで覚える。
- 関連語:AIDCA、AISAS、SIPS、カスタマージャーニー
ミニ問題
【Q.】AIDMAの正しい順序はどれ?
A. A→D→I→M→A B. A→I→D→M→A
C. A→I→M→D→A D. I→A→D→A→M
正解:
SWOT
- 一行要約:強み・弱み(内部)/機会・脅威(外部)で戦略仮説を整理。
- 詳しい説明:内部資源と外部環境を分け、SO/ST/WO/WT戦略を検討。
- ひっかけポイント:「市場成長率」等の外部要因は機会・脅威に分類。
- 関連語:3C、PEST、VRIO、TOWS
ミニ問題
【Q.】SWOTで内部環境に該当するのはどれ?
A. 市場成長率 B. 法規制の強化 C. 自社の強み・弱み D. 競合の参入
正解:
C
解説(正解)
内部=自社の資源・能力(強み/弱み)。
他の選択肢
A/B/D:いずれも外部環境。
サプライチェーンマネジメント(SCM)
- 一行要約:調達→生産→物流→販売を全体最適し、在庫・リードタイムを削減。
- 詳しい説明:需要予測と生産計画の同期、情報共有でブルウィップ効果を抑制。
- ひっかけポイント:部分最適(個別在庫削減)で欠品増は本末転倒。
- 関連語:ERP、APS、MRP、需要予測、CPFR
ミニ問題
【Q.】SCMの主な目的として最も適切なのはどれ?
A. 各部門が独自最適化 B. 全体最適で在庫とLTを削減
C. 販促費の最大化 D. 人件費の固定化
正解:
B
解説(正解)
供給網全体の最適化で在庫・リードタイム・コストを下げる。
他の選択肢
A/C/D:SCMの目的ではない。
ナレッジマネジメント
- 一行要約:暗黙知と形式知の相互変換で組織知を創造・活用する仕組み。
- 詳しい説明:SECI(共同化→表出化→連結化→内面化)モデルで知識を循環。コミュニティ運営やナレッジベース整備が鍵。
- ひっかけポイント:「共有=文書化だけ」ではない。場と対話が重要。
- 関連語:SECIモデル、ベストプラクティス、コミュニティ、ナレッジベース
ミニ問題
【Q.】SECIモデルで表出化に該当する活動はどれ?
A. 現場OJTで体験共有 B. ノウハウを文書化
C. 文書同士を統合 D. 文書を読んで実践
正解:
B
解説(正解)
表出化は暗黙知→形式知の文書化。
他の選択肢
A:共同化。
C:連結化。
D:内面化。
バリューエンジニアリング(VE)
- 一行要約:価値=機能/コストの考えで、不要コストを削って価値を高める。
- 詳しい説明:必要機能を保ちつつ材料・工程・設計を見直し。コストダウンだけでなく機能向上でも価値向上。
- ひっかけポイント:「値引き=VE」ではない。設計起点で考える。
- 関連語:VA(価値分析)、原価企画、ターゲットコスト
ミニ問題
【Q.】VEの“価値”を最も適切に表す式はどれ?
A. 価値=売価−原価 B. 価値=機能×コスト
C. 価値=機能/コスト D. 価値=利益/売上
正解:
C
解説(正解)
同等の機能ならコストが低いほど価値が高い。
他の選択肢
A:原価企画の観点。
B:コストは分母。
D:ROA/利益率的な比率でVEではない。
リバースエンジニアリング
- 一行要約:既製品やソフトを解析して設計情報を推定する手法。
- 詳しい説明:互換性確保、保守、セキュリティ評価などの目的。知財や契約、法令(不競法・著作権)への配慮が必須。
- ひっかけポイント:不正に入手した営業秘密の利用は違法になり得る。
- 関連語:デコンパイル、フォレンジック、ブラックボックステスト
ミニ問題
【Q.】リバースエンジニアリングの説明として正しいのはどれ?
A. 製品を模倣して販売する行為の総称
B. 既製品を解析し仕様や構造を推定すること
C. 新製品を前提条件なしで設計すること
D. マーケティングの需要予測手法
正解:
B
解説(正解)
“逆から”解析して設計や仕様を把握する。
他の選択肢
A:違法行為を含みうる別概念。
C:通常の設計。
D:無関係。
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