システムを作ったあとに求められるのは、「安定して動き続けること」。
そのために必要なのが、サービスマネジメントシステム(SMS)です。今回は、障害対応や変更管理、サービスデスクの役割まで整理して解説します!
サービスマネジメントシステムの主な管理領域
管理項目 | 役割 |
---|---|
インシデント管理 | 障害発生時にできるだけ早く復旧する(回復優先) |
問題管理 | 障害の根本原因を突き止めて再発防止する |
構成管理 | システムの構成要素(機器・ソフトなど)を一覧化して管理する |
変更管理 | システム変更の影響を事前に検討・承認・実行する |
リリース管理 | バージョンアップや新機能の展開手順を管理する |
バージョン管理 | ソフトウェアなどの「バージョンの変遷」を整理・記録する |
📌図解:サービスマネジメントシステムの管理構成図

サービスデスク(ヘルプデスク)
▶ 利用者の「困った!」を受け付け、解決につなげる窓口
◆SPOC(Single Point Of Contact)
- ユーザーの問い合わせを1か所で一元対応
- 複数部署へのたらい回しを防ぐ
◆エスカレーション
- 対応できない内容を、上位部署や専門チームへ引き継ぐこと
- 例:障害の一次対応 → 開発チームへ報告・転送
◆FAQ(Frequently Asked Questions)
- 「よくある質問」を事前にまとめておく
- ユーザーの自己解決を促進できる
FAQ(よくある質問)
- Qインシデント管理と問題管理ってどう違うの?
- A
- インシデント管理:とにかく早く復旧する
- 問題管理:なぜ起きたかを調べて二度と起こさない
- Q構成管理って、何を管理してるの?
- A
ハードウェアやソフトウェア、設定情報などシステム構成の“全体像”を把握することが目的です。
練習問題①
インシデント管理と問題管理の違いとして、最も適切な説明はどれか?
A. インシデント管理は障害を未然に防ぐことであり、問題管理は対応後の記録だけを行う
B. インシデント管理は早期復旧を目的とし、問題管理は原因を調査して再発防止を図る
C. インシデント管理は社外トラブル、問題管理は社内トラブルに限定される
D. インシデント管理はFAQ対応、問題管理はサービス終了に関する管理である
正解:
B
→インシデント管理は「早く元に戻す」ことが目的、問題管理は「根本原因を特定して二度と起こさない」が目的です。
練習問題②
SPOC(Single Point Of Contact)の目的として、最も適切なものはどれか?
A. 問い合わせのたらい回しを防ぎ、1つの窓口で一元的に対応すること
B. 問題が大きくなった際に専門部署へ任せること
C. 顧客の情報を分散して保存するための仕組み
D. 問題の解決方法をすべて自動化するためのツール
正解:
A
→SPOCは「問い合わせ窓口を1本化」することで、ユーザーの混乱や対応の遅れを防ぐ目的があります。
練習問題③
サービスマネジメントにおける構成管理の目的として、最も適切なものはどれか?
A. バージョンごとのソースコード変更を記録する
B. 問題の再発を防ぐための原因分析を行う
C. サービスを構成する機器やソフトの一覧を管理する
D. ヘルプデスクにおける対応の優先順位を決める
正解:
C
→構成管理は、システムを構成する「資産」や「構成要素(CI)」を可視化・記録して管理するための活動です。
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