東大の副学長にチャットGPTとの付き合い方・見解を聞いてみた

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東京大学の太田邦史理事・副学長が、新しいAIツールの中でも特に生成系AI(例:チャットGPT)の活用方法について解説しています。
生成系AIは簡単に利用できて便利ですが、注意点もあります。太田理事は、学生や教職員が生成系AIをどのように活用できるかについて聞いてみました。

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東京大学の太田邦史理事・副学長のコメント

作業の補助や相談役として役立つ

なぜチャットGPTなどの“生成系AI”に関する文章を公開したのですか?

太田邦史理事・副学長
太田邦史理事・副学長

生成系AIは一定程度質の高い文章や画像を生成することが可能であり、この技術は論文やレポート課題などの大学での教育・研究活動に大きな影響を与えます。一方で、大変新しい技術ですので、どのように対応すべきか、あるいは使用ルールなどを東京大学の方針として定めておりませんでした。

一部の海外大学ではキャンパスでの利用を禁止する動きも見られていました。そのため、1月末の情報システム戦略会議という学内会議で本件についての調査や検討を指示しました。

また、「どこでもキャンパスプロジェクト」という、デジタル技術と教育を考える会議体があり、情報系の教員などを交えてその可能性と問題点について議論を行ってもらいました。その結果、単に禁止するのではなく、大学教育にも良い形で活用できるように議論を行う必要があるとの提言を得ました。

これらの提言を踏まえ、実際の研究・教育現場において教員や研究者、学生がAIツールに対してどのような心構えをすべきか、学内での意識共有を目的として発信したものです。

生成系AIは学生にはどんな点で有用でしょうか?

太田邦史理事・副学長
太田邦史理事・副学長

既にインターネット上にある情報を一定程度の精度で集約できる長所を生かした調査・分析、文書のアウトライン作成や修正、コンピューター・プログラミングのサポートなどにおいては非常に有用だと考えます。

また、膨大な情報量に加え、チャット形式でやり取りが可能なので、自分が考えている事についてのディスカッションやブレインストーミングの相手としても役立つツールと思います。

利用法や付き合い方は今後学内で検討

大学として懸念していることはありますか?

太田邦史理事・副学長
太田邦史理事・副学長

機密情報や個人情報をチャットGPTに送信する事の危険性、知らない間に著作権等を侵害している可能性、などが挙げられます。

チャットGPTなどを学生にどんなふうに使ってほしいですか?

太田邦史理事・副学長
太田邦史理事・副学長

利用する際は、書かれている内容の信ぴょう性、機密情報や個人情報の取り扱いなどの事項に留意してほしいと思います。

また、使用するツールとして認識するだけではなく、AI自体が生み出す価値や危険性、社会に対する影響も含めて広く考察・議論をしてほしいです。生成系AIがどのような変化をもたらすのか、また積極的な良い利用法や、新しい法制度や社会・経済システムについてはまだまだ未知な部分が多いため、研究者だけではなく学生も含めた大学全体の活動を通じて、そのような課題を大学が社会とともに解決していきたいと思っています。

学位やレポートではどの程度の使用が認められてますか?

太田邦史理事・副学長
太田邦史理事・副学長

前提として、本学において、現状は授業などでの生成系AIの使用について個別に規則やルールを定めていないので、どの程度まで認められるのか、についても定めていません。使用自体は禁止しておりませんので、生成系AIの利用法や付き合い方については今後学内での検討を進めていく予定です。

論文やレポートがチャットGPTなどで作られたものか、教員は判別できますか?

太田邦史理事・副学長
太田邦史理事・副学長

現状では、高精度で判別するのは非常に困難な状況です。

試験方法などが変わっていく可能性も

生成系AIの登場で試験や評価の方法が変わっていく可能性はありますか?

太田邦史理事・副学長
太田邦史理事・副学長

試験方法なども変わっていく可能性は大いにあります。たとえば、書面審査だけではなく、対面のヒアリング審査・筆記試験を組み合せることなどが考えられます。この点についても引き続き検討を進め、(後日公表予定の)「AIツールの授業における利用について」の中でまとめていく予定です。

「AIツールの授業における利用について」は、どのような内容になりますか?

太田邦史理事・副学長
太田邦史理事・副学長

授業における利用については、学内で検討中の段階であり回答できる内容はございません。1、2カ月以内を目処として、可能な限り早期に学内に対してお知らせできるように検討を進めております。

学生に対して、さらにレクチャーなどを行う予定はありますか?

太田邦史理事・副学長
太田邦史理事・副学長

現状では、チャットGPTや生成系AIのみを対象としたレクチャーは予定しておりません。しかし、今後の検討状況に応じて必要ということであれば、学生や授業を行う教員向けの説明会や講習会などのインプット・意識共有の場を設定していくことは考えられます。

公開された文章の中には「ChatGPTが出たからといって、人間自身が勉強や研究を怠ることはできない」とも述べています。
教育や学問の発展にどう生成系AIを生かしていくのかについては、さらなる検討が必要ですね。

専門家の反応は?

ChatGPTを始めとする「生成系AI」を利用する際、どのような点に気をつけるべきか? 東京大学が注意点をまとめた文書を公表しました。このFNNの記事は、文書を記した東大の副学長に取材して、公表の背景を聞いたものです。

東大の文書は「生成系AI(ChatGPT, BingAI, Bard, Midjourney, Stable Diffusion等)について」というタイトルで、ネットで検索すると、直接読むことができます。

生成系AIのメリットとリスクがわかりやすくまとまっています。たとえば、ChatGPTの仕組みを説明した上で、<非常に話し上手な「知ったかぶりの人物」と話しをしているような感じ>と表現しているのは、適切な比喩であると感じました。

この文書は、東大の学生や教職員だけでなく、一般の人が読んでも参考になる内容と言えます。原文を直接読むことをお勧めしたいと思います。

ネットの反応は?

学びの場で、学習過程の一環としてレポートを書くことが期待されているのに、ChatGPTのような生成系AIに丸投げして代わりにレポートを書かせてはダメでしょ。でも、生成系AIをレポート作成に使うこと自体はNGとはしていないのが大事。そもそも、生成系AIを道具として上手に使いこなす能力は求められる時代だし、東大卒なのに生成系AIを効果的に使えないのかよってなったら、そっちのほうがよっぽど恥ずかしい。

まあ、外野は無責任に何でも言えるけど、教える立場(東大教員に限らず、小学校の先生も)の人は、これから大変な時代を迎えるね。ちょっと前まではしっかり教育を受けた人でないと書けなかったようなレポートを、誰でも使える道具が量産できる時代ってのは、教育や学習の意味が変わる時代なんだろうね。

ChatGPTはネットの情報を寄せ集めて回答を作成する。 だから他人の著作物を勝手に引用してしまう可能性がある。 注釈なく引用するのは剽窃になってしまうから、レポートや論文で安易に使うのは危ない。

あくまで補助的使用にとどめ、最終確認は人が自力でやらないとね。

編集後記

おき編集長
おき編集長

自分的に気になっていた教員側が提出された論文やレポートがチャットGPTで作られたものかどうかの判断する基準とかあるのかなぁという点が、やはり現段階では「高精度で判別するのは非常に困難な状況」という事が分かったのが大きいですね。

何か判断するためのポイントなどがあるのかどうか気になっていた事でもあるので。

うちの編集部にも取材記事にがっつりチャットGPTなどを使って記者がいるからね~

アザラシ記者
アザラシ記者

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