NTTドコモは16日、最新技術を披露するイベント「docomo Open House’24」を、一般公開の前日にメディア向けに先行公開しました。
このイベントで、NTTドコモが開発した「人間拡張基盤」に、味覚を模倣する技術を融合させた、味覚共有の新技術が初めて公開されました。
映画の料理を味わう日も近い?NTTドコモ、五味を完璧に再現する技術を披露
この革新的な味覚共有技術は世界で初めての試みであり、個々の味覚に合わせた料理の味を分析し、人によって異なる味の感じ方を組み合わせて、基本的な五味(甘味、酸味、塩味、苦味、うま味)を特別な液体で表現します。
今回のデモンストレーションでは、「母親が作ったトマトスープを子供が食べたときに感じる味」が再現されました。
この技術を体験すると、大人と子供の味覚の違いを直接感じることができ、特に酸味が際立って感じられました。
NTTドコモは、言葉では伝えにくい感覚的なコミュニケーションを拡張することを目指しており、将来的には映画やアニメに出てくる料理の味を実際に体験できるような応用を考えています。
用語解説「人間拡張基盤」とは
概要
同技術は、触覚を把握する機器(センシングデバイス)、再現する駆動機器(アクチュエーションデバイス)、触覚の感度に対する個人差を加味した共有を行う「人間拡張基盤」にて構成される。触覚は、力(圧力)を加えることで電圧を発生させる圧電素子などのセンシングデバイスにてモノを触ったときの振動を計測し、振動子(磁気や電気などを加えると振動するデバイス)などのアクチュエーションデバイスを用いて振動を再現。この再現した触覚は、視覚となる映像と合わせた形で共有される。これらの振動と映像は同期させる必要があるため、6Gの特徴的な技術の一つである超低遅延化が必要となる。
世界初 6G時代に「人間拡張基盤」を提供へ ドコモと慶大、名工大がモノに触れた時の触覚共有の技術「FEEL TECH」を開発 - ロボスタシェア 17 ツイート 0 はてブ 3 株式会社NTTドコモは、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科Embodied Media Project(慶大)、国立大学法人名古屋工業大学大学院工学研究科Haptics La
専門家の反応は?
味覚を感じるメカニズムは、5つの味覚要素それぞれの特徴別によって身体や生理が反応しているようです。概して、甘味やうま味は栄養素の信号、苦味は腐った食べ物に発生した細菌が作り出す毒素に関連づけられ、酸味も食べ物の鮮度や成熟度に関連づけられます。また、塩味は生命維持に欠かせない塩分やミネラルを意味するようです。
妊婦が酸っぱいものを食べたくなったり塩味に鈍感になって苦味に敏感になるなど、一時的に味覚や嗅覚に異常をきたすのは、胎児に栄養を与えているために栄養バランスが崩れたり、ホルモンバランスにも変化が出るからとされています。こうした関連づけは生きていくために必要な情動反応とつながり、年齢や体調、性差によっても微妙に違ってきます。この記事では、子どもが酸味を感じるとありますが、もしかすると子どもは酸味に敏感になっていて、それが生存の確率に関係するのかもしれません。
人によって同じ食品でも味覚の感じ方が異なるという部分データ化し、活用できるという内容です。体験させていただいた展示内容は、体験者の味覚の傾向をアンケートで簡易的にデータ化し(本来は時間のかかる専用設備がある)、体験者の味覚に合わせて生成した子どもの感じるトマトスープの味の液体と、もとのトマトスープの味の液体を比較できるというものです。 生成した子供の味覚を再現した液体は、子どもは酸味や苦みを異物として強く感じるという傾向を反映した味になっていました。
これにより、ある料理の味のデータを送り、それぞれの人の味覚の違いを吸収して、より同一の味覚を体験しやすくなるといったこともできます。もっと現実的な活用では、食品の味をデータ化し、個人の味覚の傾向にあった食品をおすすめするといったものも考えられるでしょう。
ネットの反応は?
かき氷のシロップは全て同じ味という話は有名ですが、それを聞いてもなお同じ味には思えなかった自分がいて、それは何故かと言うと、味は同じでも香料は異なるからなんですよね。
すなわちこの装置は、目をつむってなおかつ鼻もつまんだ状態での味覚の再現というわけですね。
それでも素晴らしい進歩だと思います。
香りを再現する装置とコラボができれば、大衆もかなり圧倒されるだろうと思います。
各々の進化が待ち遠しいですね。
結婚して実家も出ていますが、子供の時から食べていた母のカレーと同じ味にはできません。もし思い出の味を保管できれば再現の一助にもなるし、味覚で思い出に浸ることもできそうですね。
編集後記
思い出の味とかを再現できたら当時のことを思い出して感傷に浸るなんて事ができそうですね。
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