全国的にＳＩＭスワップによる被害が相次ぐ中、神戸市で港湾運送業を営む男性社長（６１）が、約１千万円を奪われたと産経新聞が報じました。
ＳＩＭスワップとは、スマートフォンの電話番号を乗っ取る手法であり、契約者情報が記録されるＳＩＭカードを入手することで実行されます。被害に遭った男性は、数時間のうちにスマートフォンが使用不能になり、銀行口座も乗っ取られたとの事。男性は、携帯電話ショップが身分証の確認を徹底して行うことを求める声をあげました。このようなＳＩＭスワップ事件に遭遇すると、個人情報が盗まれ、大きな被害を受ける可能性があるため、注意が必要です。
SIMスワップされるまでの経緯とは
昨年７月のある日の夕方、被害男性は会社でのテレビ会議を終え、スマートフォンで電話をしようとしたが、つながりませんでした。携帯電話ショップに駆け込み、店員にスマホの確認を依頼したところ、「解約になっているようです」と告げられた。全く身に覚えがなく、驚愕した。
スマホの不具合を疑いつつ、店員に調べてもらうと、被害男性が神戸市で携帯ショップを訪れる4時間前に、京都府長岡京市の店舗で、被害男性の名前を名乗った男が、スマホの乗り換え手続きを行っていたことが分かりました。男は「番号持ち運び制度」（ＭＮＰ）を利用していたようです。
被害男性は心配になり、ネットバンキングの口座を確認しようとしたが、パスワードなどが変更されてログインできない状態に。金融機関に連絡したところ、すでに５００万円が他人の口座に、４９５万円が暗号資産のビットコインの購入に不正利用されていたことが判明しました。金融機関側も突然の計１千万円の出金を不審に思い、被害男性の携帯電話の番号に連絡を試みたが、すでに男にかかる状態だった。
被害男性は警察に相談し、容疑者とみられる４０代の男が別の事件で逮捕されたという報せを受けた。男は京都の携帯ショップで、被害男性の氏名や住所などが書かれた運転免許証を提示していたとのことだった。被害男性は当時６０歳であり、４０代の男が私の名前を名乗っていたことに衝撃を受けました。京都で被害男性の住所が記載された免許証を使い、手続きを行っていたことにも不信感を抱いた。
携帯ショップは、客の身分証が本物か、確認を徹底してほしい。住所と違う場所で手続きするなど、少しでも不審な点があれば、警戒してほしい
と訴えています。
全国的に広がりを見せるSIMスワップ被害
警視庁によると、全国で相次ぐＳＩＭスワップ事件は発生しているようです。
携帯電話販売店が身分証の確認を怠り、必要事項を書類に記入させるだけで、なりすました側にＳＩＭカードを再発行した事例もあるということです。
ニュース用語説明
SIMスワップとは？
SIMスワップ詐欺は、詐欺師が被害者の電話番号を乗っ取り、被害者の銀行口座やその他のオンラインアカウントにアクセスする方法です。詐欺師は、被害者の個人情報やIDを収集し、被害者の携帯電話会社に連絡して、被害者の電話番号を新しいSIMカードに移すよう要求します。新しいSIMカードがアクティブ化されると、詐欺師は被害者の電話番号と、被害者の銀行口座やその他のオンラインアカウントにアクセスできるようになります。
SIMスワップ詐欺は、二要素認証（2FA）を使用している場合でも、被害に遭う可能性があります。2FAは、被害者の電話に送信される確認コードを使用して、被害者のアカウントを保護するセキュリティ機能です。ただし、詐欺師が被害者の電話番号を乗っ取ることができれば、2FAを使用して被害者のアカウントにアクセスすることもできます。
SIMスワップ詐欺から身を守るためにできることはいくつかあります。
- パスワードを安全に保管し、複雑にしてください。
- 2FAを使用して、被害者のアカウントを保護します。
- フィッシング詐欺に注意してください。フィッシング詐欺は、被害者から個人情報を盗むために使用される偽の電子メールやメッセージです。
- 携帯電話会社にセキュリティ対策について相談してください。携帯電話会社は、SIMスワップ詐欺を防ぐために、さまざまなセキュリティ対策を提供している場合があります。
専門家の反応は？
十分な確認を怠たった店舗の責任は重大です。しかし、その前に恐らくSMSメッセージなどに送られるスミッシング詐欺やフィッシング詐欺などで銀行口座とパスワードが抜かれている可能性が高いです。また、パスワードなどを同じものを使用している方も多いので、ネット上に登録している情報を確認されれば大半の個人情報（住所、氏名、生年月日など）は出てきます。それを悪用して偽造免許証を用意された可能性もあり。
最終的に、振り込みなどを行う為には、二段階認証で必要になる携帯電話のSMSを受けるために携帯電話もSIMスワップで乗っ取りをしたという事かと思います。先ずは、フィッシング詐欺などの被害にも遭わない様に、金融機関や宅配業者、通販サイトを装うメールやＳＭＳメッセージの詐欺にはご注意ください。突然SIMスワップをされるというよりはそれ以前に狙われています。
ネットの反応は？
元S携帯販売会社で働いていました。
そもそも、この手の犯罪は、身分証を確認する以前に、代理店に割り当てられる点数とランク、報償金に原因があるように思えます。
MNPや新規契約は点数が高く、ランクアップやランク維持のために積極的にとれと言われ続けました。ランクがアップ、維持できるとそのお店に上乗せで報償金が払われる、つまり、給料が上がるという仕組み。そのため、あれこれ言いくるめて契約をとろうとします。
そろそろ、この仕組みやめませんか？代理店と、携帯会社が儲かり、利用者には利益みない仕組み。こんな方法で給料をもらうのが嫌で、５ヶ月で辞めました。
被害男性はいきなり繋がらない、口座から送金されていた。指紋認証も2段階認証もなんでもすり替わる意味のないものに。今のようにダイレクトバンキングや金融機関のアプリが当たり前の日常、抜き取られないために一般の人はどうしとくと良いのか教えて欲しい。こうなると銀行アプリもスマホが変わってもそのまま入れ替わってしまう便利さは恐ろしくもある。
編集後記
SIMスワップというものがあるんですね、すみません、勉強不足でした、初耳です。
今回の被害男性のように突然携帯が繋がらなくなるなんて怖いですね。。
被害にあわないためには、専門家の方がおっしゃっているように普段からフィッシング詐欺などに合わないように不審なメールやウェブサイトは開かない事ですね。
まずは情報を抜き取られないようにする。
パスワードは使いまわさない。
便利な世の中になってきた半面、自分の事は自分でしっかり自衛しないといけないんですね。
多少手間と思っても、いざというときのために！ですね。
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