メタ(旧フェイスブック)のフェイスブックとインスタグラムにおいて、今年配信された投資関連の広告のうち、多くが偽物であることが判明しました。特に、実業家の前沢友作氏や堀江貴文氏などの有名人の名前や肖像が無許可で使用されている問題が発生しています。配信された広告の約半数以上が詐欺目的のなりすましであると見られ、広告を出しているアカウントの約65%は日本語の名前が使われていませんでした。日本語を使用している場合でも不自然な表現が見受けられることから、これらの広告が海外から大量に配信されていると考えられます。
「投資」という言葉を含む広告2万742個を調査すると・・・
警察庁のデータによると、令和5年にSNSを介した投資詐欺の件数は2271件にのぼり、被害額は約278億円に達しました。被害に遭った際に最初に接触があったSNSは、男性ではフェイスブックが22.1%で最も多く、女性ではインスタグラムが31.5%で最も多かったです。最近では、神戸市の58歳の女性がフェイスブックを通じて堀江氏の名を騙る詐欺師から5000万円以上を騙し取られる事件が発生しました。
また、前沢氏は、自身を装った詐欺広告によって188件の被害が発生し、被害総額は約20億円に上ると報告しています。この問題に対処するため、前沢氏と堀江氏は自民党の消費者問題調査会の合同勉強会に参加し、広告の規制強化を訴えました。
産経新聞がメタが運営するフェイスブックやインスタグラムで今年配信された「投資」をテーマにした広告2万742個を分析したところ、半数以上に前沢氏ら著名人の名前が使われており、これらの広告は詐欺の可能性が高いと指摘されています。特に、経済アナリストの森永卓郎氏が名前が使われた広告が3035個で最も多く、その後に堀江氏、西村博之氏(「2ちゃんねる」開設者)、中田敦彦氏、三崎優太氏(「青汁王子」)の名前も頻繁に登場していました。
「前澤 友亻乍」など横倍角の文字がつかわれたアカウント名も
投資関連広告の配信元を調べた結果、約65%にあたる910個のアカウントが日本語を含まず、主に英語を使用しており、その他にも韓国語、ベトナム語、タイ語のアカウントが見られました。これらは一度使われて放棄される「使い捨てアカウント」と考えられます。
日本語名を用いたアカウントでは、堀江氏と森永氏に関連するものが18個で最も多く、次に村上氏関連のアカウントが16個でした。また、日本語が使われていても、不自然な形式や一部に中国簡体字を使用するなどの異常が見られました。「前澤 友亻乍」といった不正確な表記も確認されました。
なりすまし広告は著名人だけでなく、企業にも及んでおり、例えば「SBI証券」と関連づけられた31個の偽アカウントや「産経新聞 1」と称する産経新聞の偽アカウントも発見されています。
広告の大部分、約57%は著名人の名前を除けば内容がほぼ同一で、「日本の文化庁は円の暴落、悪性のインフレを防ぐため増税を延期すべきと述べた」という文言が含まれていましたが、文化庁の言及は場違いであり、広告の作成者が日本語を正しく理解していない可能性が高いです。
グーグルはAI活用し55億件を削除
フェイスブックの広告は、2016年のアメリカ大統領選挙でロシアが選挙介入を図るために利用されたことが指摘されています。メタは広告の公開を通じて透明性を高めようとしていますが、多くの偽装広告が存在しているのが実情です。
前沢氏はメタに対して訴訟を提起する方針を示しており、個人の努力だけでは限界があるため、政府に広告の規制強化を求めています。すでにEUではメタのターゲティング広告に厳しい規制が設けられています。
調査はメタの広告ライブラリを使い、令和6年に日本で配信された「投資」という言葉を含む日本語の広告を対象に行った。日本語形態素解析システム「MeCab」を用いて広告から名詞を抽出し、それを基にフルネームで登場する著名人のランキングを作成した。広告は同じ内容のものを時期や配信先の年齢や地域を分けて出したり、クリックされやすいように画像や動画を微調整したりしたものを個別に数えている。広告の数は表示回数の多さと必ずしも一致しない。数字は4月11日正午時点。
テイラー・スウィフトさんも被害「なりすまし広告」の海外事情
有名人を装った詐欺は英語で「Celebrity Scam(セレブリティー・スキャム)」と呼ばれ、これにはオンライン上での投資を促す詐欺や、恋愛関係にあると信じ込ませて金銭を騙し取るロマンス詐欺が含まれます。映像や写真が無許可で使用されたり、AI技術で作成されたりしています。例えば、2024年1月にはアメリカのカントリー歌手テイラー・スウィフトさんを騙る詐欺広告がFacebookで広まりました。この広告は、高級調理器具メーカーの訳あり商品を送料のみで提供すると謳っており、個人情報を入力すると実際には毎月約10ドル(約1530円)が不正に引き落とされる仕組みでした。関連企業とテイラー・スウィフトさん本人は直ちにこの広告との関連を否定し、広告は削除されました。
また、イーロン・マスク氏やアマゾンの創業者ジェフ・ベゾス氏、俳優のトム・ハンクス氏も過去にこの種の詐欺に利用されたことがあります。
さらに、アメリカ連邦取引委員会は2024年2月に、2023年間で約260万件の詐欺被害が報告され、その総額が約100億ドルに上るという消費者詐欺に関する報告書を発表しました。
なりすまし広告に騙されないための注意点をチャットGPTさんとGeminiさんに聞いてみた
なりすまし広告に騙されないために注意するべき点は何ですか?
なりすまし広告に騙されないために注意するべき点はいくつかあります。以下は、特に重要なポイントです:
- 出典を確認する:広告やプロモーションの出典が信頼できるかどうかを常に確認してください。公式のウェブサイトや既知の信頼できるソースからの情報かをチェックしましょう。
- 過度に良い条件に警戒する:「無料」や「リスクなし」といった過度に魅力的なオファーは、しばしば詐欺のサインです。実際には、高額な隠れた費用が発生する可能性があります。
- 個人情報の提供に慎重に:個人情報や金融情報をオンラインで提供する際は、そのサイトが安全であることを確認してください。HTTPSプロトコルが使用されているかをウェブアドレスで確認しましょう。
- 詳細な調査を行う:製品やサービスについてオンラインでレビューを読む、または第三者の評価を参照することで、提供されているものが合法的かどうかをよりよく理解できます。
- 急かす文言に抵抗する:「すぐに行動しなければならない」といったプレッシャーをかける広告には注意が必要です。詐欺師はしばしば緊急性を装って即時の決断を迫ります。
- 公式連絡先を通じて確認する:有名人や企業名が使われている場合は、その人物や企業の公式ウェブサイトやソーシャルメディアを通じてプロモーションが本当に彼らによって支持されているかを直接確認することが重要です。
これらの点に注意を払いながら、オンラインでの活動を安全に保つことができます。
なりすまし広告は、巧妙に偽装されていることが多く、一見すると本物の広告と区別がつきにくい場合があります。しかし、注意深く確認することで、多くのなりすまし広告を見分けることができます。以下に、なりすまし広告を見分けるためのヒントをいくつか紹介します。
広告主を確認する:
- 広告主が誰なのかを確認しましょう。企業名を聞いたことがない、またはウェブサイトが不自然な場合は、注意が必要です。
- 企業のウェブサイトにアクセスし、それが本物かどうかを確認しましょう。
商品やサービスに注意する:
- 商品やサービスがあまりにも良い話である場合は、注意が必要です。
- 広告に過剰な主張や保証が含まれていないか確認しましょう。
- 商品やサービスについてよくわからない場合は、購入前に調査することをお勧めします。
価格に注意する:
- 商品やサービスの価格があまりにも安い場合は、注意が必要です。
- 他の販売者と価格を比較しましょう。
- 値引きや特別オファーには注意が必要です。
支払い方法に注意する:
- 評判の良い支払い方法のみを使用しましょう。
- 商品やサービスの代金を前払いするよう要求する販売者には注意が必要です。
- クレジットカードを使用する場合は、安全なウェブサイトであることを確認しましょう。
レビューを確認する:
- 商品やサービスを購入する前に、レビューを確認しましょう。
- レビューがすべて肯定的な場合は、偽造されている可能性があります。
- レビューの書き方に注意しましょう。
直感を信じる:
- 何かに違和感がある場合は、おそらくそうなのでしょう。
- 衝動買いは避け、購入する前に必ず調査しましょう。
なりすまし広告は巧妙に偽装されていることが多いため、常に注意を払うことが重要です。上記のヒントに従うことで、これらの広告を見分け、詐欺被害を防ぐことができます。
その他、なりすまし広告を見分けるために役立つ情報:
- 消費者庁のウェブサイト: https://www.caa.go.jp/
- 国民生活センターのウェブサイト: https://www.kokusen.go.jp/
- 警察庁のウェブサイト: https://www.npa.go.jp/
これらのウェブサイトには、なりすまし広告に関する情報や、被害に遭った場合の対処方法が掲載されています。
専門家の反応は?
明らかにメタ(ファイスブック)が対策を怠っていることは否めません。この詐欺広告によってメタは少なくない収益を得ており、その収益は詐欺を行っている犯罪者が搾取した金品の一部であり、メタが詐欺に加担しているといっても過言ではない状況です。確かに一つ一つの広告について詳細な審査を行うことは難しく、AIを使ったとしても完全に削除することは難しいでしょう。犯罪者はAIをだます方法を必ず生み出すからです。またメタとしても結果的にコストが増大し、詐欺広告以外でも広告を制限することになる可能性も十分考えられます。しかし広告媒体としての責任は免れません。詐欺広告に名前と画像を利用されている前沢友作氏はメタを訴えるとしています。メタとしては訴えられ、裁判に負けることも想定した広告戦略でしょうが、被害が明らかで日本国民の資産が搾取されていることを考えれば、政府も早急に対策を取るべきでしょう。
これ程、多数で巨額な被害が出ているにも関わらず、メタ社がなりすましアカウントの削除すらしない事が疑問です。詐欺広告も当たり前の様に流し、倫理的に企業としてどうお考えなのか?犯罪者の手助けにもなる行為です。自身もFacebookでなりすましアカウントを数個作られ、フォロワーさんに対して300通程DMを送りフィッシング詐欺のHPにアクセスさせるなどされました。
メタ社になりすましアカウントの削除など求めましたが、問題のないアカウントだという返事が返ってきて削除されることはありません。他人の写真を使い詐欺を行っているアカウントの何が問題ないのか?審査基準を疑います。多くの方が利用するSNSだけにセキュリティ審査もしっかり行って頂きたい。
私たちも有名なSNSだから安全とは限らないという認識をして使用しなければなりません。そこにある広告もアカウントも詐欺が多数存在しますので。
森永卓郎さんのなりすましが投資詐欺の誘導広告に一番使われていることは、私のもとに寄せられる被害報告からも納得のいくところです。二番目の堀江さんもよくみかけます。
先日も森永さんの病状を悪用して「現在、膵臓がん(第4期)を患っており、年齢とともに免疫力が低下し、病状が悪化しています。残りの時間が少ないと感じていますが」などという広告がフェイスブックに載っていましたので、調査のためアクセスしましたが、詐欺につながる広告が平然と表示され続けています。それは何も対策をうっていないことの表れであるといえます。 これでは詐欺に手を貸すことなりますので、早急な対策が必要です。
東南アジアの拠点を中心にした海外の詐欺グループが、私たちを騙そうとしています。広告を出すにはお金がかかりますが、それを払っても充分に詐欺でお金を奪えると見込んでの犯行です。それを絶対に許さない仕組みづくりが求められています。
気になる広告を見かけた場合も、著名人の名前で検索してみてください。本人がSNSなどで「自分ではなく詐欺」と警告していたり、メディアなどで被害が報告されていることも多く、詐欺だと気づくはずです。
広告の画像検索をすると元画像が見つかり偽広告と気づけることも。振込先が個人名の場合はほぼ詐欺なので、振り込まないでください。
日頃からニュースを見て被害のパターンを知り、リテラシーを高めることこそが一番の自衛につながります。家族などにもこのような被害を教えてあげてください。
お金を取られてしまった後に取り戻すのは難しいので、気になった段階で消費者ホットライン(#188)に相談するのもおすすめです。
これ以外に、LINEグループに追加されて投資被害にあうパターンも多いので、知らない人にLINEで友だち追加されない設定、友達以外からはメッセージを受け取らない設定にしておくと安心です。
ネットの反応は?
メタが対策に消極的というのがあり得ない。莫大な広告収入が無くなるからだろうけど、詐欺広告の放置は犯罪に加担しているとも見なされ、やっていることは反社も同然。ユーザーよりもお金を優先させる企業は淘汰されることを我々ユーザーも態度と行動で示す必要があります。その意味でZOZO創設者の前澤友作さんがメタの提訴に動いていることは先陣を切る勇気ある行動で全面的に支持したいと思います。
おかしいと気づかないものなのかな?
著名人が、素人相手に投資の話を持ちかけること自体がそもそも不自然。
ニュースで騙された被害者によると、声が似ていたので信じたってあるけど
巧妙なのかな?
騙されないためには、もしも魅力的な投資話とおもったら、すぐに進めないで よく調べることだと思います。
本当だという証拠がなかったらやらないことですね。
人を疑うのはよくない事でもあるけど、友達でもない人をすぐに信じるのは よくない。
だけど友達、親友ですら、だましてくることもあるのだからね。
編集後記
世の中うまい話しなんてそうそうナイと思って。ちょっと斜めに物事みるくらいがいいかもですね。
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