スギ花粉の本格的な飛散が始まり、多くの人が花粉症に悩まされる季節になりました。実は、人間だけでなく犬も花粉症を発症することがあり、飼い主は注意が必要です。では、もし愛犬が花粉症になった場合、散歩は控えたほうがよいのでしょうか？ この記事では、犬の花粉症による主な症状や、散歩時のケアのポイント、花粉アレルギーが出やすい犬種について、獣医師の増田国充さんが解説します。
犬の花粉症とは？症状や対策を解説
人間の花粉症は、スギやヒノキの花粉が原因となり、くしゃみや鼻水を主な症状とするアレルギー疾患です。実は、犬もこれらの花粉に対してアレルギー反応を示すことがあり、2月中旬ごろから花粉の飛散に伴い症状が現れやすくなります。
犬の花粉症の主な症状は、皮膚のかゆみですが、目のかゆみやくしゃみなど、人間の花粉症と似た症状が出ることもあります。これらの症状は、花粉に触れることで引き起こされるため、散歩中や屋内に持ち込まれた花粉によってアレルギー反応が起こる可能性があります。
もし犬に何らかの症状が見られる場合は、まず獣医師の診察を受けることが大切です。花粉の飛散時期によって影響を受ける種類が異なるため、春先に皮膚のかゆみや目の異常が見られた場合、スギ花粉が原因の一つとして考えられます。しかし、他の要因が関係している可能性もあるため、アレルギー検査を含め、患部や全身の状態を詳しく調べることが重要です。
治療には、かゆみを抑える薬や抗ヒスタミン薬を使用し、症状が重い場合にはステロイドが処方されることもあります。また、犬の場合、目や鼻の症状よりも皮膚のかゆみが強く出る傾向があるため、シャンプーや保湿ケアなどのスキンケアも治療の一環として行われます。
犬の花粉症の予防策と対処法
犬が花粉にアレルギー反応を示す場合、最も効果的な予防策は花粉との接触をできるだけ避けることです。散歩中に花粉が皮膚や被毛に付着するため、帰宅後にはブラッシングを行ったり、ウェットタオルなどで丁寧に拭き取ることで、花粉をしっかり除去するとよいでしょう。
花粉によるアレルギーで目や鼻、皮膚にかゆみが生じている場合は、症状を和らげるために飲み薬や目薬を使用することがあります。また、花粉以外にもアレルギーを持っている犬もいるため、食事療法を併用するケースもあります。
花粉アレルギーが明らかな場合、散歩時の対策を検討することも重要です。ただし、犬にとって散歩は日課であり、運動やストレス発散の機会でもあるため、完全にやめることが必ずしも最適とは限りません。そのため、花粉の飛散が少ない時間帯、例えば早朝や夜間に散歩するなど、環境に応じた工夫をするとよいでしょう。症状の程度や生活環境に合わせ、かかりつけの獣医師に相談するのもおすすめです。
なお、皮膚トラブルが起こりやすい犬種は花粉によるアレルギーも発症しやすい傾向があります。特に、柴犬、シーズー、ウエストハイランド・ホワイトテリアなどは注意が必要です。犬アトピー性皮膚炎などのアレルギーを持っている場合は、より慎重なケアが求められます。
専門家の反応は？
花粉が飛び始めると、「目や耳を掻く」といって来院する犬が増えます。特に柴犬、シーズー、フレンチ・ブルドッグなどの犬種によく見られます。
皮膚のかゆみに対するスキンケアの重要性は高く、この記事にあるように「花粉除去のためのブラッシングやウエットタオルの活用」など、実践しやすい対策が飼い主にとって参考になります。 ひどいかゆみがある場合は、エリザベスカラーを使用して目をかかないようにしてあげましょう。また、犬に花粉が付着しないように、洗濯物を外に干さないなど心がけましょう。
抗ヒスタミン剤やステロイド剤に頼るだけでなく、アレルギー用の処方食を取り入れるのも良い選択です。犬はかゆみのために掻くことで傷ができ、そこから細菌感染することもあります。 花粉症を持っている犬はこの時期は、丁寧なケアを心がけ、犬がストレスをためないようにしてあげましょう。
ネットの反応は？
記事を読んで、犬も花粉でアレルギー反応を起こすことがあると知り、気をつけなきゃと思いました。
うちでは散歩から帰ったら濡れタオルで体を拭いたりブラッシングをしたりしていますが、これからは花粉の少ない時間帯を選んで散歩に行くようにしたいと思いました。 愛犬にとって散歩は大事な時間だから、やめることは出来ないけど、工夫して楽しめる方法を探していけたらなと思います。少しでも快適に過ごせるよう、できることから対策していきたいです。
我が家のフレンチブルドッグも花粉症です。
幸い軽度なので、顔や身体を濡れタオルで拭く位で済んでいますが、ピーク時は、涙目で喉がかれている感じで、この時期は空気清浄機が欠かせません。 先代犬もフレンチブルドッグでしたが、この仔は喉が腫れ、くしゃみが止まらず…。 ３軒の動物病院で花粉症だと診断されましたが、飼い主の感で何かおかしいと思い４軒目に。そこで『これは、花粉症じゃないかも。』と高度医療センターを紹介されました。
検査した結果、リンパ腫でした。
時期的に紛らわしかった事が災いしましたが、そんな事もある…と頭の片隅に置いておいてあげて下さい。少しでも多くのワンコが早期発見で楽に寛解出来ますように…。
編集後記
花粉症って公害ですよね。国の政策で植林した杉がある程度原因だと言われているんだから、少しは助成してほしいものです。
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