クレジットカード不正利用 停止したのに止まらない不正利用

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1通のメール。そこには、

クレジットカードで身に覚えのない使用履歴を確認しました。カードを止めたのは5月1日なのに、今でも毎日1万円程使用されており、13回使われています。毎日使われるのを我慢する日々…腹立たしいです

と書かれていました。文面からにじみ出る“怒り”。一体、送り主に何があったのでしょうか。

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身に覚えのないクレジットカードの利用履歴

メールの送り主は、大阪府在住のAさん(30代)。夫と2歳の息子との3人で平穏な日々を過ごしていましたが、今年の4月に“ある異変”が起こったと言います。

大阪府在住<br>Aさん(30代)
大阪府在住
Aさん(30代)

普段めったに使わないクレジットカードなんですけど、スマホに、9108円をどこどこで使いましたというメールが来た。(Qご自身で使った覚えは?)全くなくて。金額も中途半端ですし、全然身に覚えがないですね

突然届いた、見覚えのないクレジットカード利用を知らせるメール。その後、明細を確認すると、一度だけでなく立て続けに不正利用されていることが判明しました。

大阪府在住<br>Aさん(30代)
大阪府在住
Aさん(30代)

たまたまネットショッピングをする時にカード決済をしたら、その4日後に不正利用が始まったので、その1回のネットショッピングで情報を抜き取られたのかなと思ったんですけど。分からないですよね。もう怖いですよ

すぐに利用停止の手続きをするも『止まったカードで使われています』

Aさんはすぐにカード会社に連絡し、利用停止の手続きを行いました。「これで不正利用は終わる」と一安心したものの、それはまだ“大きな闇の入り口”にすぎなかったのです。

大阪府在住<br>Aさん(30代)
大阪府在住
Aさん(30代)

『カードが止まったら、もう使われないだろうな』という考えでいたんですけど、明細を確認したら『なんで?』って

Aさんが停止の手続きをしたのは5月1日でしたが、不正利用はその後も続きました。

5月3日には家電量販店で1万円、翌日の4日には古本などを販売する店で同じく1万円。そして5日にもまた家電量販店で1万円と、5月10日まで毎日1万円が使われ続けていたのです。

大阪府在住<br>Aさん(30代)
大阪府在住
Aさん(30代)

おかしいなと思ってカード会社に電話をしたら、『止まったカードで使われています』と言われて。訳が分からなかったですね、意味が分からない。何で止まったカードが使えるのか、何かの犯罪に巻き込まれたのかなとか。毎日不安ですよね

5月3日から不正利用が始まり、10日で一旦は止まりますが、翌月になるとまた再開。6月1日から10日の10日間、毎日1万円ずつが使われ、2か月間で合計23万円が不正利用されたといいます。

カード会社「スマホのタッチ決済機能が悪用されている」

しかし、なぜカードの停止後も不正利用が続くのでしょうか?Aさんがカード会社に問い合わせたところ、「スマホのタッチ決済機能が悪用されている」という回答が返ってきたそうです。

一部のスマートフォンでは、カード番号やセキュリティコードを入力することでクレジットカード情報をスマホに登録することが可能で(※登録時には本人認証などが必要です)、カードを持ち歩かなくてもスマホを店の端末にかざすだけで支払いができます。

ただ、今回のケースでは、利用停止したカードでも何らかの理由でタッチ決済が可能な状態になっており、それを何者かが悪用していると考えられています。

「怒りしかないです」被害総額が60~70万円というBさん

被害を訴えているのはAさんだけではありません。埼玉県に住むBさん(20代)が初めて被害に遭ったのは、昨年8月のことでした。

埼玉県に住む<br>Bさん(20代)
埼玉県に住む
Bさん(20代)

最初のころは9800円くらいを毎日1件ずつ(不正に)使われていた。何十日と続いて使われるという感じですね

Bさんもすぐにカードの利用停止を申し込みましたが…

埼玉県に住む<br>Bさん(20代)
埼玉県に住む
Bさん(20代)

(去年)8月、9月、10月と使われて、11月は使われなくて、12月は使われてみたいな感じなんですね。(被害)総額だと60~70万円くらいにはなっているかと思います

引き落としを止めるよう銀行に依頼したため、金銭的な被害は避けられましたが、不安は解消されず、怒りを感じています。

埼玉県に住む<br>Bさん(20代)
埼玉県に住む
Bさん(20代)

(不正利用を)やった人間に対してはもう怒りですね。ここまでずっと使われているので、怒りしかないです。本当に『人のお金を何だと思っているんだ』というのは言いたいですね

このような状況に対し、カード会社はどう考えているのでしょうか?書面で次のような回答がありました。

クレジットカード会社
クレジットカード会社

不正利用については以前から把握しています。別途、有効な対策がないか協議予定です

被害に遭わない・小さくするには「毎月の利用明細を必ずチェック」

今回の手口について、ITジャーナリストの三上洋さんに話を伺いました。

ITジャーナリスト<br>三上洋氏
ITジャーナリスト
三上洋氏

正直なところ、今までに聞いたことのない不正利用の手口だと思います。犯罪グループの多くは、『どんな穴があるのか』『どういうふうにすれば不正利用できてしまうのか』『本人認証をかいくぐる手口があるのか』ということを研究しているようです

被害に遭わない、あるいは被害を最小限にするためには、普段からの備えが重要だと話します。

ITジャーナリスト<br>三上洋氏
ITジャーナリスト
三上洋氏

毎月の利用明細を必ずチェックすること。少額なものでも最近は不正利用がありますから、利用明細を見て、身に覚えがない請求があったらすぐにクレジットカード会社に連絡することが大切です

被害に遭ったAさん。不正利用された分はカード会社から返金されたものの、怒りを禁じえません。

大阪府在住<br>Aさん(30代)
大阪府在住
Aさん(30代)

一生懸命貯めたお金なので、何かあったら家族のために使いたいと思っているお金なので。それを知らない人に毎日毎日1万円使われて。いつまで続くのかなという不安があり、今も明細を毎朝確認している。ストレスがたまりますよね。腹立たしいです

専門家の反応は?

不正にクレジットカードを手に入れた者は、最大限に不正利用をして金品を騙しとろうとします。

今回は、カードが完全に使えなくなるまでのタイムラグを使っての犯行といえます。

一気に高額な決済をして、不正利用がバレるよりも、最近は、一万円ほどの誰もが利用する金額を使うことで、塵も積もれば山となる形で金額を大きくしようとする傾向が強くなっているようにも感じています。

今回の被害者のように利用明細をしっかり確認して、被害にいかに早く不正利用に気づくかが、犯罪を横行させないことになります。 そ

れとともに、カード会社も利用者が不正に気づいた後の対応をいち早くすることで、カード利用者の不安を取るようにすることも求められます。

ネットの反応は?

カード会社は何故、警察と連携して犯人を検挙しないのか。搾取された商品の送付先を調べれば、容易に犯人に辿り着けると思うのだが。

カード会社は保険に加入しており、不正利用された損害は保険で補償されるし、大した被害額でもないからと割り切っているのであろう。

しかしこれを放置していると、やがて決済としてのカード利用は敬遠されるようになり、事業として成り立たなくなって来るのではないか。

コンビニで携帯決済でタバコカートンで何度も何度も購入するお客さんいるんですが、なんか怪しいなと思ってたんだけど、他人の携帯でクレジットカード不正に登録して使用してる可能性もあるなと思いました。お土産ですか?こんなにどうするんですか?って聞いたら来なくなりました。

スマホタッチ決済の手順やセキュリティに重大な欠陥があるという事ですね。 本体のカードが利用停止になっているのにスマホタッチ決済が使えるのは決済システムの大きな欠陥と言えます。スマホタッチ決済手続きの中で利用停止カードだと判明したら「このカードは使えません」だけでなく利用店舗が警察に通報するような仕組みが必要だと思います。

編集後記

おき編集長
おき編集長

便利なはずのスマホとカードの連動がこういった詐欺に使われるとなると考えモノですね。

コメント

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