エアコンをつけても部屋が涼しくならない時、どう対応しますか? 〈1〉設定温度を1℃下げる 〈2〉風量を強にする どちらがより効果的で、電気代も節約できるのでしょうか?
「強」にする。僕の中で節電よりも「冷える」で考えました。
「強」だと電力使いそうなので、1℃下げた方がゆっくり冷えるのかな?
多くの人が誤解しているエアコンの節電方法についての調査結果です。電気代が高騰する夏、節約したい方にとっては注目の内容です。
エアコンどちらが冷えるか検証
空調機器メーカーであるダイキン工業株式会社の重政周之氏と共に、マンションのリビング(約20畳)で特定の実験を行いました。
▼設定温度:26℃
▼風量:自動
この条件からスタートし、「設定温度を1℃下げる」と「風量を強にする」の二つの方法でそれぞれ15分間運転して比較しました。
まず体感温度について。
【設定温度を1℃下げた場合】
急に涼しくなったという感覚は正直ないかな・・・
【風量を強にした場合】
風が勢いよく出てきました。体感として涼しくなったと感じたのは風量を強くしたときです。
飯田リポーター: 「風が力強く吹き出しました。この時の方が明らかに涼しさを感じました。」
サーモカメラでの比較も行い、【風量を強にした場合】の方が、飯田リポーターの体の表面温度が低下し、室内の床や壁も冷えていることが確認されました。
重政周之氏
(風量を強くすると)部屋の中の空気がしっかり攪拌される状態になりますので、涼しく感じたのではないかと思います。
節電になるのはどちらか検証
ダイキン工業株式会社の重政周之氏と共に、マンションのリビング(約20畳)でエアコンの消費電力に関する実験を行いました。
まず、エアコンの設定温度を26℃に設定した場合の基本の消費電力は0.14kWで安定しています。
【設定温度を1℃下げた場合】
設定温度を1℃下げて15分運転させると、消費電力は0.14kWから0.32kWに急増しました。
重政周之氏
設定温度を1℃下げると、室外機の中にある「圧縮機」に負荷がかかります。
圧縮機はエアコンの電力の約8割を消費する部品ですので、その分消費電力が大きくなります。
【風量を自動から強に変更した場合】
風量を「強」に変更し、同じく15分間運転させると、消費電力は0.14kWから0.17kWへとわずかに上昇しました。
重政周之氏
室内機の中のファンがより強く回ったのでその分消費電力量が少し上がっている状態ではありますが、かなり大きく上がったわけではないです。
風量を強にした場合は体感温度も下がり、比較的電力消費も少ないため、節電にもつながります。
1か月間毎日午後1時から3時の2時間運転した場合、電気代は31円/kWhを基準に算出しました。 【設定温度を1℃下げた場合】の電気代は約1050円、 【風量を強にした場合】は約480円となり、約570円の節約となりました。 ※環境によって異なる可能性があります。
今まで温度でやってました。ちょっと暑いなと思ったら下げてみようとか。
私も涼しくなりたいときは温度しか使ってなくて、風量には一切触ったことがなかったので逆にしないとですね。
エアコン風量【弱】と【自動】どちらが節電?
これは【弱】。だって【自動】の方がいっぱいいろいろな機械が動きそうじゃないですか。
とはいえ、【自動】の方が節電なのでは…
実際の答えは、【自動】が節電になります。 これもダイキン工業による実験結果です。毎日朝8時から夜の7時まで、11時間エアコンを稼働させた場合、風量【弱】でのコストは約3570円に対し、【自動】設定では約2580円で、約990円も節約できることが分かりました。 ※環境によって異なる可能性があります。
【自動】設定がなぜ節電になるのかというと、風量【弱】では目標温度に達するのに時間がかかり過剰な電力を消費しますが、【自動】では最初に大風量で素早く冷やし、目標温度に達した後は少ない電力で済むためです。
現代のエアコンは性能が良いため、多くのメーカーが【自動】モードの利用を推奨しています。
どうしても暑いときはちょっとだけ【強】にする。で、また【自動】に戻すということですね。
編集後記
基本は自動で運転。暑かったら風量を強にするというのが節電のポイントですね。
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