システムやソフトウェアを開発する際、どのような進め方でプロジェクトを進行するかを決める「開発モデル」はとても重要です。この記事では、ITパスポート試験にも登場する代表的な開発モデルを、図解やキャラのやりとりを交えながら分かりやすく紹介します。
ウォーターフォールモデルとは
ウォーターフォール(滝)という名前の通り、「要件定義 → 設計 → 実装 → テスト → 運用」と、工程を順番に進めていく手法です。
- 各工程が完了してから次に進む
- 手戻りがしにくいが、大規模開発に向いている
- 文書でしっかり管理される
🧊図解:ウォーターフォールモデルの開発の流れ

スパイラルモデルとは
スパイラル(渦巻き)型に、リスクの分析と対策をしながら反復的に開発を進めるモデルです。
- 計画→リスク分析→開発→評価を繰り返す
- 不確定要素が多い大規模プロジェクトに強い
- 柔軟な開発が可能
🌀図解:スパイラルモデルの開発の流れ

プロトタイピングモデルとは
ユーザーと相談しながら「試作品(プロトタイプ)」を作り、改善しながら完成させていく開発手法です。
- ユーザーの要望を反映しやすい
- 開発途中でのフィードバックが重要
- イメージのズレを防げる
RAD(Rapid Application Development)とは
RADは「迅速なアプリ開発」を意味します。短期間で開発することを目的とし、RADツールを用いて画面設計やDB連携をスピーディーに行います。
- 少人数チーム向け
- 開発スピード重視
- 試作→改良を高速回転
リバースエンジニアリングとオープンソース
- リバースエンジニアリング:既存のソフトウェアを解析して仕組みを調べること
- オープンソース:ソースコードが公開されており、自由に利用・改良できるソフトウェア
これらの手法も、開発や保守において重要な考え方です。
よくある質問(FAQ)
- Qウォーターフォールとスパイラルの違いは?
- A
ウォーターフォールは「一方向に進む直線型」、スパイラルは「リスクに対応しながら何度も繰り返すループ型」です。
- Qプロトタイピングはいつ使うの?
- A
最終形のイメージがはっきりしていないときや、ユーザーの希望を取り入れながら開発したいときに使われます。
練習問題①
ウォーターフォールモデルの特徴として、最も適切なものはどれか?
A. リスクを評価しながら反復的に開発する手法
B. ユーザーと共に試作品を作りながら開発する手法
C. 各工程を順番に進め、前の工程には原則戻らない手法
D. オープンソースを使って開発を短期間で仕上げる手法
正解:
C
→ウォーターフォールモデルは「要件定義→設計→開発→テスト→運用」の順に進み、工程間の戻りが難しい点が特徴です。
練習問題②
プロトタイピングモデルのメリットとして、最も適切なものはどれか?
A. すべての工程を同時に進めることでコストを削減できる
B. プログラミングなしで運用開始ができる
C. 最終製品のイメージを早期にユーザーと共有できる
D. 開発チームが開発せず、すべてを外注に委託できる
正解:
C
→試作品(プロトタイプ)を早く作ることで、ユーザーとの認識ズレを防ぎやすくなります。
練習問題③
次のうち、DevOpsの目的として最も適切なものはどれか?
A. 設計とテストを明確に分離し、品質を高める
B. 開発と運用の連携を強め、継続的な改善と迅速なリリースを実現する
C. 開発工程を外部委託することによってコストを抑える
D. ユーザーとの契約手続きを効率化する仕組みを指す
正解:
B
→DevOpsは、開発と運用の壁を取り払い、素早く・継続的にソフトウェアを改善・展開することを目指します。
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