アローダイヤグラム
- 一行要約:作業を矢印、結合点(出来事)をノードで表すネットワーク図(AOA)。
- 詳しい説明:先行関係・所要日数からクリティカルパスや最早/最遅時刻、フロート(余裕)を求める。PERT/CPMで用いる。
- ひっかけポイント:ノードに作業を書くのはプレシデンスダイアグラム(AON)。
- 関連語:PERT、CPM、ガントチャート、クリティカルパス、フロート
ミニ問題
【Q.】アローダイヤグラムの説明として最も適切なのはどれ?
A. 作業を矢印で表し、結合点をイベント(出来事)として表す
B. 作業はノード(箱)に書き、矢印は依存関係のみ示す
C. 各矢印の長さは現場の物理距離を示す
D. 工程の先行関係は表せない
正解:
A
解説(正解)
アローダイヤグラム(AOA)は矢印=作業、ノード=イベントで表現する。
他の選択肢
B:AON(プレシデンスダイアグラム)の説明。
C:距離ではなく所要日数・依存関係を表す。
D:先行関係を表すための図である。
プロジェクトスコープ
- 一行要約:プロジェクトで何を作るか・どこまでやるかの境界と成果物の定義。
- 詳しい説明:WBSで分解し、受入基準・除外事項・制約・前提を明確化。スコープクリープを防ぐ。
- ひっかけポイント:要件一覧=スコープではない。成果物と境界条件まで定義する。
- 関連語:WBS、要件定義、受入基準、変更管理、スコープクリープ
ミニ問題
【Q.】プロジェクトスコープに含めるべき内容はどれ?
A. 作業者の個人評価
B. 成果物と受入基準、除外事項
C. 社内食堂のメニュー
D. 任意の美辞麗句
正解:
B
解説(正解)
成果物・受入基準・除外事項など境界を明確にするのがスコープ。
他の選択肢
A/C/D:スコープ定義の対象外。
IEEE
- 一行要約:電気・電子・情報分野の学会・標準化団体(例:IEEE 802、IEEE 754)。
- 詳しい説明:LAN/Wi-Fi(802系)や浮動小数点(754)など多くの標準を策定。学会活動・論文発表も行う。
- ひっかけポイント:政府機関ではない民間の学会/団体。
- 関連語:IEEE 802.3、802.11、IEEE 754、標準化、学会
ミニ問題
【Q.】IEEE 802委員会が主に扱う分野はどれ?
A. 衛星軌道計算
B. LAN/MANの通信標準
C. 画像圧縮の著作権
D. 国際通貨制度
正解:
B
解説(正解)
IEEE 802はLAN/MAN(Ethernet/Wi-Fi など)の標準を扱う。
他の選択肢
A/C/D:IEEE 802の領域ではない。
IETF
- 一行要約:インターネット技術のオープンな標準化組織(RFCを公開)。
- 詳しい説明:ボランタリな専門家がWGで議論し、HTTP/TCP/IP/DNS等の仕様をRFCとして発行。
- ひっかけポイント:条約や法律ではない。合意ベースの技術仕様。
- 関連語:RFC、W3C、ICANN、DNS、TCP/IP
ミニ問題
【Q.】IETFに関する説明として適切なのはどれ?
A. 国連の下部組織で条約を制定する
B. 企業秘密として仕様を非公開にする
C. 技術仕様をRFCとして公開し合意形成する
D. 国家だけが参加できる
正解:
C
解説(正解)
IETFは公開されたRFCで標準化を進めるオープンな組織。
他の選択肢
A/D:政府機関・国家限定ではない。
B:仕様は公開が基本。
ISMS
- 一行要約:情報セキュリティをリスクベースで管理する仕組み(ISO/IEC 27001)。
- 詳しい説明:組織の文脈→リスク評価→管理策→運用→PDCAで継続改善。人・組織・技術を含む。
- ひっかけポイント:技術対策だけではない。体制・手順・教育も含む。
- 関連語:ISO/IEC 27001、リスクアセスメント、管理策、PDCA
ミニ問題
【Q.】ISMSの特徴として最も適切なのは?
A. 暗号化製品の購入計画のみを定める
B. リスク評価に基づき管理策を運用し継続改善する
C. サーバ監視だけを対象とする
D. 認証取得後は更新不要
正解:
B
解説(正解)
ISMSはリスクベース管理+PDCAが核。
他の選択肢
A/C:技術の一部側面に偏っている。
D:定期的な維持審査・更新が必要。
ITIL
- 一行要約:ITサービス運営のベストプラクティス体系(Incident/Change 等)。
- 詳しい説明:サービス価値、プラクティス(v4)によるインシデント・問題・変更管理、サービスデスクなどを定義。
- ひっかけポイント:規格ではない(認証は別)。実践的なガイド。
- 関連語:インシデント、問題管理、変更管理、サービスデスク、SLA
ミニ問題
【Q.】ITILの説明として適切なのはどれ?
A. 法律で義務付けられた規格
B. ITサービス運営のベストプラクティス集
C. ハード設計の規格のみ
D. 組織図のテンプレート集
正解:
B
解説(正解)
ITILは実務指針(ベストプラクティス)であり規格ではない。
他の選択肢
A/C/D:ITILの本質ではない。
インシデント(ITサービス)
- 一行要約:ITサービスの計画外の中断/品質低下、またはその恐れがある事象。
- 詳しい説明:障害・性能劣化・誤設定等。サービスの早期復旧が目的。根本原因の除去は問題管理で扱う。
- ひっかけポイント:セキュリティ事故限定ではない(広くサービス障害)。
- 関連語:インシデント管理、問題管理、サービスデスク、SLA
ミニ問題
【Q.】インシデントに該当する例として最も適切なのは?
A. 定期メンテで計画停止
B. 予告なしに応答が極端に遅くなった
C. 新機能の要望
D. 次期予算の策定
正解:
B
解説(正解)
計画外の品質低下はインシデント。目的は早期復旧。
他の選択肢
A:計画停止はインシデントではない。
C/D:要求・管理業務でありインシデントではない。
SLA
- 一行要約:提供者と利用者で合意するサービス水準の契約(可用性・応答・復旧時間等)。
- 詳しい説明:指標・測定方法・報告・ペナルティ/料金の関係、範囲/例外を明記する。
- ひっかけポイント:SLOは内部目標、SLAは対外合意。
- 関連語:SLO、OLA、可用性、MTTR、MTBF
ミニ問題
【Q.】SLAの例として最も適切なのはどれ?
A. 「社内で月99.99%を目指す」
B. 「月間稼働率99.9%を提供者と利用者で合意」
C. 「エンジニアの希望年収」
D. 「新機能のアイデア集」
正解:
B
解説(正解)
SLAは対外的な合意としてのサービス水準を定める。
他の選択肢
A:SLO(内部目標)。
C/D:SLAと無関係。
情報セキュリティ管理
- 一行要約:機密性・完全性・可用性(CIA)を満たすための管理活動。
- 詳しい説明:リスク評価→管理策(人的・組織的・物理的・技術的)→運用・監視・改善。教育や手順整備も含む。
- ひっかけポイント:暗号化だけでは不十分。体制・手順・訓練が重要。
- 関連語:CIA、ISMS、管理策、BCP、アクセス制御
ミニ問題
【Q.】情報セキュリティの三要素(CIA)で誤りはどれ?
A. 機密性 B. 完全性 C. 可用性 D. 正確性
正解:
D
解説(正解)
三要素は機密性・完全性・可用性。
他の選択肢
A/B/C:三要素の正しい構成。
システム監査
- 一行要約:情報システムの適合性・有効性・効率性を独立した立場で評価。
- 詳しい説明:監査計画→証拠収集→評価→報告。独立性・客観性・職業的懐疑心が鍵。
- ひっかけポイント:内部監査=業務部門の自己点検ではない。独立部門が行う。
- 関連語:監査証拠、監査手続、内部統制、IT統制、監査基準
ミニ問題
【Q.】システム監査で最も重要な前提の1つはどれ?
A. 被監査部門の指揮命令下で実施する
B. 監査人の独立性と客観性
C. 監査対象の自己申告のみで判断
D. 文書化は不要
正解:
B
解説(正解)
独立性・客観性を保ち、適切な監査証拠で判断する。
他の選択肢
A/C/D:監査の基本原則に反する。
ITガバナンス
- 一行要約:ITを経営目標に整合させ、価値創出とリスク管理を実現する枠組み。
- 詳しい説明:方針・役割・意思決定・評価指標を整備。COBIT等の指針を参考にステークホルダーの責任を明確化。
- ひっかけポイント:IT部門だけの話ではない。経営責任が伴う。
- 関連語:内部統制、COBIT、ステアリングコミッティ、ポリシー、KPI
ミニ問題
【Q.】ITガバナンスの目的として最も適切なのは?
A. IT部門の作業量を増やすこと
B. IT投資を事業目標に整合させ、リスクを管理すること
C. 最新技術を無条件で導入すること
D. 監査対応だけに注力すること
正解:
B
解説(正解)
経営目標との整合と価値・リスクの最適化が目的。
他の選択肢
A/C/D:目的を誤っている。
アジャイル開発
- 一行要約:短い反復で価値を継続提供し、変化に適応する開発アプローチ。
- 詳しい説明:動くソフトウェア重視、顧客との協調、計画の追従よりも変化への対応。スプリント/イテレーションで検査と適応。
- ひっかけポイント:無計画ではない。バックログと透明性が前提。
- 関連語:スクラム、XP、カンバン、プロトタイピング、バックログ
ミニ問題
【Q.】アジャイル開発の特徴として適切なのはどれ?
A. 仕様凍結後に一括納品のみ
B. 動くソフトウェアと顧客との協調を重視
C. 文書化だけを進める
D. 変化への対応を避ける
正解:
B
解説(正解)
アジャイルは短期反復+協調+適応が特徴。
他の選択肢
A/C/D:アジャイルの価値観に反する。
スクラム
- 一行要約:アジャイルのフレームワーク。スプリントで透明性・検査・適応を繰り返す。
- 詳しい説明:役割(PO/スクラムマスター/開発者)、イベント(スプリント、デイリースクラム、レビュー、レトロ)、成果物(プロダクト/スプリントバックログ、インクリメント)。
- ひっかけポイント:スクラムはプロセス定義ではなく枠組み。手順書ではない。
- 関連語:バックログ、ベロシティ、インクリメント、バーンダウン
ミニ問題
【Q.】スクラムのイベントで毎日実施するのはどれ?
A. スプリントレビュー
B. デイリースクラム
C. レトロスペクティブ
D. スプリントプランニング
正解:
B
解説(正解)
デイリースクラムは毎日、進捗と障害を共有する短いミーティング。
他の選択肢
A/C/D:各スプリントで1回(通常)。
イテレーション
- 一行要約:短い時間枠(タイムボックス)で開発・検査・適応を繰り返す単位。
- 詳しい説明:計画→実装→レビュー→ふりかえりで小さな完成物(インクリメント)を積み上げる。スクラムではスプリント。
- ひっかけポイント:期間は固定が基本(1~4週間など)。無制限に延長しない。
- 関連語:スプリント、インクリメント、カンバン、タイムボックス
ミニ問題
【Q.】イテレーションの説明として最も適切なのは?
A. 期間を決めずに終わるまで続ける
B. 短い固定期間で成果を出し次の反復に活かす
C. 文書化だけを行う期間
D. 外部レビューは不可
正解:
B
解説(正解)
短期の反復で完成物を出し、学びを次に反映する。
他の選択肢
A:アジャイルの原則(タイムボックス)に反する。
C/D:活動は限定されない。
プロトタイピング
- 一行要約:完成前に試作を作って体験・要件を早期検証。
- 詳しい説明:紙/モック/クリック/動作する試作など。ユーザ評価で誤解を早期に潰し、手戻りを減らす。
- ひっかけポイント:PoC(実現性重視)とは目的が異なる。プロトタイプは仕様・UX検証寄り。
- 関連語:アジャイル、スパイラル、MVP、ユーザテスト
ミニ問題
【Q.】プロトタイピングの主目的として最も適切なのは?
A. 本番性能だけを測る負荷試験
B. 仕様やUIの早期検証とフィードバック
C. 法務契約の締結
D. 運用障害の恒久対策
正解:
B
解説(正解)
体験・要件を早期に検証して手戻りを抑える。
他の選択肢
A/C/D:プロトタイピングの主目的ではない。
ペアプログラミング
- 一行要約:2人1組で同じ端末・同じコードに取り組む開発手法(XP)。
- 詳しい説明:ドライバ(手を動かす)とナビゲータ(レビュー・方針)でリアルタイムレビュー。知識共有と品質向上。
- ひっかけポイント:常に効率低下ではない。欠陥低減・学習効果で総合効率が上がることも。
- 関連語:コードレビュー、TDD、モブプログラミング、XP
ミニ問題
【Q.】ペアプログラミングの役割分担として適切なのは?
A. ドライバ:設計方針/ナビゲータ:キーボード操作
B. ドライバ:キーボード操作/ナビゲータ:設計・レビュー
C. 両者とも常に無言で作業
D. 片方は進捗報告だけ行う
正解:
B
解説(正解)
ドライバ=実装、ナビゲータ=設計・レビューで相互に補完する。
他の選択肢
A:役割が逆。
C/D:適切な協働にならない。
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