本記事は、過去問でつまずきやすい用語を横断して一気に整理し、各項目に4択のミニ問題を1問ずつ付けています。用語の“境界”を意識して弱点をサクッと潰していきましょう。
コンベンション
- 一行要約:大規模な学会・総会・見本市などの会議系イベント。
- 詳しい説明:業界団体・企業・自治体が主催し、講演・展示・商談を複合的に実施。観光振興(MICE)の核で、情報発信・交流・合意形成が目的。
- ひっかけポイント:単なる展示会(トレードフェア)より会議・講演の比重が大。
- 関連語:MICE、展示会、シンポジウム、レセプション
ミニ問題
【Q.】コンベンションの主目的に最も近いのは?
A. 物販のみ B. 観光地のPRのみ C. 会議・展示・交流の複合実施 D. 求人面接のみ
正解:
C → 会議+展示+交流を複合的に行う。
トレードフェア
- 一行要約:企業が製品・サービスを展示し商談するイベント。
- 詳しい説明:BtoB中心。新製品の披露、取引先開拓、受注獲得を狙う。リード管理や出展ROIが重要。
- ひっかけポイント:学術発表中心ではない(それは学会・コンベンション)。
- 関連語:展示会、見本市、セミナー、リード獲得
ミニ問題
【Q.】トレードフェアの主なKPIとして適切なのは?
A. 被引用数 B. 商談数/名刺獲得数 C. 論文採択率 D. 採用内定率
正解:
B → リード量や商談化が成果指標。
ハッカソン
- 一行要約:短期集中でプロトタイプを作る開発イベント。
- 詳しい説明:多職種がチームで課題設定→実装→発表を数時間〜数日で実施。採用広報やイノベーション創出にも有効。
- ひっかけポイント:アイデアソンは実装なしが多い点と混同注意。
- 関連語:アイデアソン、プロトタイピング、デザイン思考
ミニ問題
【Q.】ハッカソンの特徴として正しいのは?
A. 長期の研究発表会 B. 実装なしの討論中心 C. 短期で試作品まで作る D. 展示販売が主目的
正解:
C
レセプション
- 一行要約:来賓招待の歓迎・交流を目的とした催し(懇親会)。
- 詳しい説明:開会/閉会や節目に実施。ネットワーキング、関係構築、謝意表明が目的。
- ひっかけポイント:商談受注は主目的ではない(副次的)。
- 関連語:懇親会、ネットワーキング、MICE
ミニ問題
【Q.】レセプションの直接の主目的は?
A. 製品販売 B. ネットワーキング・歓迎 C. 研究発表 D. 面接
正解:
B
個人情報保護法(APPI)
- 一行要約:個人情報の適正な取扱いを定める日本の基本法。
- 詳しい説明:個人情報/個人データ/保有個人データを定義。利用目的の特定、第三者提供の制限、安全管理措置、漏えい報告等を規定。要配慮個人情報(人種・病歴・信条等)は厳格。個人関連情報の第三者提供に同意が要るケースにも注意。
- ひっかけポイント:「メールアドレス=常に要配慮」ではない/「個人関連情報=個人情報」とは限らない。
- 関連語:GDPR、匿名加工情報、仮名加工情報、プライバシーポリシー
ミニ問題
【Q.】要配慮個人情報に該当しやすいのはどれ?
A. 氏名のみ B. メールアドレスのみ C. 人種・病歴・信条など D. 郵便番号のみ
正解:
C
プロバイダ責任制限法
- 一行要約:通信事業者の損害賠償責任を限定し、被害者の発信者情報開示を可能にする法律。
- 詳しい説明:明白な権利侵害の通知・知得時の対応要件を満たすと責任が限定。被害者は手続により発信者情報の開示請求が可能。
- ひっかけポイント:無制限免責ではない。通知・対応・要件が鍵。
- 関連語:名誉毀損、著作権侵害、削除要請、プロバイダ
ミニ問題
【Q.】同法の趣旨として最も近いのは?
A. 事業者の全面免責 B. 侵害情報の永久保存 C. 被害救済と表現の自由の調整 D. 事業者への刑罰付与
正解:
C
BPM(Business Process Management)
- 一行要約:業務プロセスを可視化→改善→運用する継続管理。
- 詳しい説明:As-Is/To-Be、BPMNでモデリング、KPI設定、PDCAで改善。RPAやワークフローと親和。
- ひっかけポイント:BPRは抜本的再設計、BPMは継続改善。
- 関連語:BPR、BPMN、KPI、ワークフロー、RPA
ミニ問題
【Q.】BPMの説明として正しいのは?
A. 一度きりの大改革 B. 継続的なプロセス管理 C. ツール導入だけ D. 部門内のみの最適化
正解:
B
クラウドコンピューティング
- 一行要約:ネット越しに計算資源をオンデマンド提供する形態。
- 詳しい説明:弾力性、共用資源、従量課金。IaaS/PaaS/SaaSの層がある。可用性・セキュリティ設計が重要。
- ひっかけポイント:自社機器の設置(ハウジング)とは異なる。
- 関連語:IaaS、PaaS、SaaS、マルチテナント
ミニ問題
【Q.】クラウドの特徴でないものは?
A. 弾力的拡張 B. 共用リソース C. 前払い固定長期契約のみ D. ネット経由アクセス
正解:
C
SaaS
- 一行要約:ソフトをサービスとして提供(主にブラウザ利用)。
- 詳しい説明:提供側が運用・保守。共有基盤(マルチテナント)で継続アップデート。月額課金が一般的。
- ひっかけポイント:買い切り・個別インストールはSaaSではない。
- 関連語:ASP、PaaS、IaaS、サブスクリプション
ミニ問題
【Q.】SaaSの利点はどれ?
A. ハード購入が必須 B. 保守は利用者側 C. 初期費用を抑えて即利用 D. オフライン前提
正解:
C
ASP(Application Service Provider)
- 一行要約:アプリをネット経由で提供する事業者モデル(SaaSの前身概念)。
- 詳しい説明:顧客ごとに環境を分ける単一テナント色が歴史的に強かった。現在はSaaS(共有基盤)が主流。
- ひっかけポイント:SaaSと完全同義ではない(運用方式の違い)。
- 関連語:SaaS、ホスティング、マルチテナント
ミニ問題
【Q.】ASPとSaaSの違いに関する説明として適切なのは?
A. ASPはCDで物理配布する B. SaaSは共有基盤で多数顧客に同一アプリを提供する
C. 両者ともオフライン専用 D. 両者とも買い切り前提
正解:
B
解説(正解)
SaaSはマルチテナント等の共有基盤を前提に、同一アプリを多数顧客へ提供する形態。
他の選択肢
A:ASPもネット経由の提供が前提で、物理配布が本質ではない。
C:どちらもオンライン前提の提供形態。
D:いずれもサブスク型が中心で“買い切り前提”ではない。
BPO
- 一行要約:業務プロセスの包括的外部委託。
- 詳しい説明:経理・人事・CSなどの定型業務を専門業者へ移管し、品質・コスト・スピードを最適化。KPI/SLAで管理。
- ひっかけポイント:人材派遣=BPOではない(成果責任の範囲が異なる)。
- 関連語:アウトソーシング、SSC、KPI、SLA
ミニ問題
【Q.】BPOの狙いとして最も適切なのは?
A. 固定資産の増加 B. コア業務へ集中しつつ効率化 C. 技術の社内秘匿のみ D. 一時的な雇用調整だけ
正解:
B
ハウジング(Housing)
- 一行要約:自社保有サーバを事業者DCに設置して使う形態。
- 詳しい説明:回線・電源・空調・物理セキュリティを借りる。機器の調達・運用主体は利用者側。
- ひっかけポイント:事業者の機器を借りるのはホスティング。
- 関連語:ホスティング、コロケーション、クラウド
ミニ問題
【Q.】ハウジングの説明で正しいのは?
A. 事業者のサーバを間借り B. 自社サーバを設置して使う C. SaaSの一種 D. 端末のレンタル
正解:
B
ビッグデータ
- 一行要約:従来手法では扱いにくい大規模・高速・多様なデータ群。
- 詳しい説明:3V(Volume/Velocity/Variety)+Value。活用にNoSQL、分散処理、機械学習など。
- ひっかけポイント:量が多いだけではない(多様性・更新速度も要素)。
- 関連語:DWH、データレイク、Hadoop、機械学習
ミニ問題
【Q.】ビッグデータの「3V」に含まれないのは?
A. 量 B. 速度 C. 多様性 D. 価値の保証
正解:
D
ダイバーシティ
- 一行要約:多様な人材を活かす組織戦略。
- 詳しい説明:性別・年齢・国籍・障がい・価値観などの多様性を活かし、創造性・生産性・ブランド力を高める。インクルージョン(包摂)が重要。
- ひっかけポイント:単なる数合わせでは不十分(受入れの仕組みが必要)。
- 関連語:DEI、働き方改革、心理的安全性
ミニ問題
【Q.】ダイバーシティ推進の主な効果は?
A. 画一化の促進 B. イノベーション創出 C. コストのみ増加 D. 離職率の必然的上昇
正解:
B
コアコンピタンス
- 一行要約:競争優位の源泉となる中核的能力。
- 詳しい説明:他社が模倣しにくく、複数事業で活用可能、顧客価値に直結。製品そのものではなく能力・ケイパビリティに着目。
- ひっかけポイント:特定製品の売上=コアではない。
- 関連語:VRIO、ケイパビリティ、強み
ミニ問題
【Q.】コアコンピタンスの説明で正しいのは?
A. 単一製品の売上高 B. 特定社員の個人的スキル C. 事業横断で活きる中核能力 D. 借入金の多さ
正解:
C
クラウドファンディング
- 一行要約:不特定多数から少額資金をネット調達。
- 詳しい説明:寄付型・購入型・貸付型・株式型などがある。プロジェクトの透明性、リターン設計、リスク説明が重要。
- ひっかけポイント:出資=株主化とは限らない(型により異なる)。
- 関連語:エクイティ、P2Pレンディング、プラットフォーム
ミニ問題
【Q.】購入型クラファンの支援者が得るものは?
A. 株式 B. 配当 C. 商品などのリターン D. 社債
正解:
C
RFI(Request for Information)
- 一行要約:情報提供依頼書。候補ベンダの理解を深める初期調査。
- 詳しい説明:要件定義前に市場把握・技術動向確認・概算把握を行い、続いてRFP(提案依頼)/RFQ(見積依頼)へ進む。
- ひっかけポイント:RFPやRFQと段階が異なる。
- 関連語:RFP、RFQ、ベンダ選定、調達
ミニ問題
【Q.】RFIの主目的は?
A. 最終契約締結 B. 候補からの情報収集 C. 詳細設計の凍結 D. 検収作業
正解:
B
損益分岐点の求め方
- 一行要約:利益0となる売上=固定費 ÷(1−変動費率)。
- 詳しい説明:限界利益=売上−変動費。限界利益率=1−変動費率。損益分岐点売上高=固定費/限界利益率。
- ひっかけポイント:固定費÷変動費率は誤り。分母は1−変動費率。
- 関連語:限界利益、CVP分析、貢献利益
ミニ問題
【Q.】固定費600万、変動費率40%の損益分岐点売上高は?
A. 240万 B. 360万 C. 1,000万 D. 600万÷0.6=1,000万
正解:
C → 600万 ÷ (1−0.4)=1,000万。
貸借対照表(B/S)
- 一行要約:資産=負債+純資産を示す財政状態表。
- 詳しい説明:期末時点のストックを表示。流動/固定の区分、自己資本の部に資本金・利益剰余金など。P/Lの結果は利益剰余金に反映。
- ひっかけポイント:当期純利益はB/S科目ではなく、利益剰余金へ振替。
- 関連語:P/L、CF計算書、勘定科目、資本的支出
ミニ問題
【Q.】B/Sの恒等式はどれ?
A. 資産=収益+費用 B. 資産=負債+純資産 C. 収益=費用 D. 純資産=資産−収益
正解:
B
自己資本比率
- 一行要約:**自己資本/総資産×100%**で安全性を示す指標。
- 詳しい説明:自己資本は資本金・資本剰余金・利益剰余金等(自己株式は控除)。高いほど負債依存が低い。
- ひっかけポイント:分母は総資産(総資本)。純資産で割らない。
- 関連語:流動比率、固定比率、負債比率、ROE
ミニ問題
【Q.】総資産1億、自己資本4,000万の自己資本比率は?
A. 25% B. 40% C. 60% D. 75%
正解:
B
解説(正解)
自己資本比率=自己資本÷総資産×100%。4,000万÷1億=0.4 → 40%。
他の選択肢
A:25%は計算ミス(分子・分母の取り違え等)。
C:60%は自己資本を6,000万と誤認した場合の値。
D:75%は負債・純資産の関係を取り違えた推測値。
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