お金に関する取引は、簿記でもとてもよく出てくる重要なテーマです。
今回は「現金・預金」まわりの仕訳を中心に、当座預金・配当金・小口現金・現金過不足・当座借越など、覚えておきたいポイントを整理していきます。
「小切手って何？」「当座預金と普通預金ってどう違うの？」といった疑問も、図解でやさしく解決していきましょう！
小切手の取扱い（当店振出・他店振出）
当店が小切手を振り出して支払う場合
当座預金から支払ったことになります。
仕訳例
（借方）仕入 100,000 ／ （貸方）当座預金 100,000他店の小切手を受け取り、当座預金に預ける場合
現金ではなく当座預金が増えます。
仕訳例
（借方）当座預金 100,000 ／ （貸方）売掛金 100,000配当金や国債の利息を受け取ったとき
配当金受領証を使った場合
株式の配当を受け取ると「受取配当金」として記録。
仕訳例
（借方）現金 5,000 ／ （貸方）受取配当金 5,000国債の利札による利息を受け取ったとき
支払期日に合わせて現金で受け取る。
仕訳例
（借方）現金 8,000 ／ （貸方）有価証券利息 8,000小口現金とは？
日常の細かい支払い（例：切手、文具など）を処理するための現金です。
通常「小口現金」という勘定科目で管理します。
仕訳例（小口現金を渡したとき）
（借方）小口現金 50,000 ／ （貸方）現金 50,000現金過不足の処理
帳簿と実際の現金が合わないとき、一時的に「現金過不足」で処理します。
後日、原因がわかったら「雑損（損）」または「雑益（得）」に振り替えます。
仕訳例（実際より現金が多かった場合）
（借方）現金 2,000 ／ （貸方）現金過不足 2,000仕訳例（原因不明のまま処理）
（借方）現金過不足 2,000 ／ （貸方）雑益 2,000当座借越とは？
銀行と「当座借越契約」を結んでいる場合、当座預金残高がマイナスでも支払いができます。
このときは「当座借越」という負債勘定で処理します。
仕訳例（買掛金を超過引き出しで支払った場合）
（借方）買掛金 100,000 ／ （貸方）当座借越 100,000当座預金と普通預金の違い
| 項目 | 当座預金 | 普通預金 |
|---|---|---|
| 利息の有無 | 基本的になし | あり |
| 小切手の利用可否 | 利用できる | 利用できない |
| 支払いの用途 | 主に企業取引に使用 | 個人や少額取引向け |
FAQ（よくある質問）
- Q普通預金と当座預金の仕訳はどう違うの？
- A
基本の仕訳は同じですが、当座預金は小切手との関係がある点がポイントです。振出・受取の場面で注意しましょう。
- Q現金過不足ってそのまま放置してもいいの？
- A
NGです。一時的に使うだけで、最終的には「雑損」「雑益」として必ず精算します。
- Q当座借越は借金扱いになる？
- A
はい、立場的には“借入”なので貸方（負債）で処理されます。
練習問題①
Q1. 当店が小切手を振り出して商品を購入したとき、使用する勘定科目は？
A. 現金
B. 買掛金
C. 当座預金
D. 売掛金
正解：
C
→ 小切手を振り出す＝当座預金から支払うことになります。現金ではない点がポイントです！
練習問題②
Q2. 他社が振り出した小切手を受け取り、当座預金に預けた場合の仕訳は？
A. 現金／売掛金
B. 当座預金／売掛金
C. 売掛金／当座預金
D. 当座預金／現金
正解：
B
→ 他店小切手を銀行に預け入れると、当座預金が増えます。売掛金回収なら「当座預金／売掛金」です。
練習問題③
Q3. 現金を数えたら帳簿より多かった。原因不明の場合の処理は？
A. 現金過不足／現金
B. 現金／現金過不足
C. 雑益／現金
D. 現金／雑損
正解：
B
→ 実際の現金が多かったときは、「現金／現金過不足」で一時的に処理します。あとで原因がわかれば再修正します。
練習問題④
Q4. 当座借越契約によって、当座預金残高がマイナスになった場合の仕訳は？
A. 当座預金／現金
B. 現金／当座預金
C. 買掛金／当座借越
D. 当座借越／買掛金
正解：
D
→ 銀行から一時的にお金を借りた形になるので、「当座借越」という負債勘定を使って仕訳します。
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