Amazonが「プライム・ビデオ」で広告付きプラン計画中

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2023.06.09

米アマゾン・ドット・コムは、動画配信サービス「プライム・ビデオ」にて広告対応プランを開始する予定であると、いくつかの情報源が伝えています。これは広告ビジネスを増強し、エンターテイメント部門の収益を増やすための一環とされています。

関係者によれば、この計画に関する話し合いは数週間前から開始されたばかりであり、アマゾンは最近コスト削減を目指し、各部門の構造を再評価し、多くの従業員を解雇したとのことです。

プライム・ビデオの新展開: 広告付きプランによるアマゾンの収益拡大を目指す
広告で収益を増やすアマゾン: プライム・ビデオと他大手メディア社との提携を模索
専門家の反応は？
ネットの反応は？
編集後記

プライム・ビデオの新展開: 広告付きプランによるアマゾンの収益拡大を目指す

アマゾンは、厳しいマクロ経済環境の中でも、広告収入は引き続きアマゾンの重要な収益源となり続けており、特に今年の1-3月期（第1四半期）は、その広告収入が前年同期と比べて21%増加し、総額95億ドル（約1兆3000億円）に上ったと伝えられています。

市場調査会社インサイダー・インテリジェンスの調査によれば、米国のデジタル広告市場におけるアマゾンの位置は堅固で、現在グーグルとメタ・プラットフォームズに次ぐ3位となっています。

広告主たちは、すでに広告対応が行われているネットフリックスやディズニーなどの他のストリーミングプラットフォームに続き、アマゾンのプライム・ビデオでも広告付きプランが導入されることに期待を寄せています。

プライム・ビデオは、アマゾンプライム会員（月料金14.99ドル）向けの動画ストリーミングサービスで、会員は追加料金なしでこのサービスを利用できます。一方、プライム会員でないユーザーも月8.99ドルの料金で単独でサービスを利用することが可能です。視聴可能なコンテンツは多岐にわたり、「マーベラス・ミセス・メイゼル」といった独自のコメディードラマや多数の映画、さらには米プロフットボールNFLの「サーズデーナイトフットボール」などのスポーツイベントのライブ放送まで幅広くカバーしています。

広告で収益を増やすアマゾン: プライム・ビデオと他大手メディア社との提携を模索

複数の関係者によると、オンライン小売大手のアマゾンは、メディア業界の2大巨頭、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー（WBD）およびパラマウント・グローバルと、アマゾンが提供する「プライムビデオチャンネル」にて両社のストリーミングサービスに広告付きプランを追加するという案について協議を進めているとのことです。

現状のプライムビデオチャンネルでは、ユーザーはアマゾンのアプリを介してWBDの「マックス」やパラマウントの「パラマウントプラス」といった各社のストリーミングサービスを、広告なしのバージョンとして視聴することが可能です。

この報道について、アマゾン、パラマウント、WBDの3社からは公式なコメントは出されていませんが、提携可能性は業界内で大きな話題となっています。

一方で、アマゾンがプライム・ビデオに広告を導入するための具体的な方法についても、様々なオプションが考慮されていると関係者は明らかにしています。その中には、既存のプライム会員に対して見せる広告量を増やすというアプローチも含まれているようです。この選択肢を選んだ場合、ユーザーは追加料金を支払うことで広告なしのバージョンや他の特別な機能を利用することが可能になると考えられています。これにより、視聴時間に対する広告の割合は相対的に短くなり、視聴体験の向上が期待できます。

専門家の反応は？

このWSJ記事（原文）を最後まで読みますと、どうやらアマゾンの狙いは、広告付き低料金動画配信サービスを導入して利用者を増やす、というよりも広告収入を得ることが狙いのようです。アマゾンのブライアン・オルサブスキーCFOは2023年2月、同社では、22年にPrime Video向けのオリジナル番組の制作費や動画コンテンツのライセンス料に約70億ドル（約9800億円）を投じたと説明していました。広告収入により、こうした費用の一部を補う考えがあるようです。アマゾンの広告事業は順調です。23年1〜3月期の広告売上高は95億900万ドル（約1兆3300億円）で前年同期比21％増加しました。同社は今や米ネット広告市場で米グーグル、米メタに続く、第3位の企業になっています。