散布図
- 一行要約:2変数の関係(相関・外れ値・非線形)を点の分布で俯瞰する図。
- 詳しい説明(事例):ECで「広告費(x)」と「売上(y)」の散布図を描くと、相関の強さ/飽和点/外れ値(誤計上)が一目で分かる。製造では「温度と不良率」の関係で曲線傾向を把握し、工程条件の調整に役立つ。
ミニ問題
【Q.】散布図から直接読み取りにくいのはどれ?
A. 因果の方向
B. 相関の有無・強さの傾向
C. 外れ値の有無
D. 非線形の気配(曲がり)
正解:
A
解説(正解)
散布図は関連の形は見えるが因果方向は示さない。
他の選択肢
B/C/D:散布図で目視可能。
特性要因図(魚の骨)
- 一行要約:不具合などの特性に対し、**要因(人・機械・材料・方法…)**を体系的に洗い出す図。
- 詳しい説明(事例):コールセンターの応答遅延を「人(シフト)/方法(手順)/機械(回線)/測定(KPI)」に分けて真因候補を列挙→後段でデータ検証へ。
ミニ問題
【Q.】特性要因図の目的として最も適切なのは?
A. 要因間の数理的寄与率を推定する
B. 原因候補を網羅的に可視化し、後段の検証設計を助ける
C. 改善後の効果量を定量化する
D. クリティカルパスを算出する
正解:
B
解説(正解)
まずは網羅と構造化。寄与率推定は回帰・DOE等の段階。
他A/C/D:特性要因図の役割外。
パレート図
- 一行要約:要因別の累積寄与を可視化し、少数上位へ重点を当てる意思決定図。
- 詳しい説明(事例):返品理由を並べると「包装破損」が全体の45%など、大きい順+累積線でどこから手を付けるかが明確になる。
ミニ問題
【Q.】パレート図の正しい使い方はどれ?
A. 全要因に均等投資する前提確認
B. 累積比率は描かない
C. 上位要因から順に資源配分し改善の打ち手を集中
D. 要因の順序は五十音順でよい
正解:
C
解説(正解)
重点配分こそが狙い。
他A/B/D:目的を阻害。
リバースエンジニアリング
- 一行要約:既存の成果物から構造・仕様を復元する行為(合法性は契約・法令に依存)。
- 詳しい説明(事例):レガシーシステムのソース不在で実行ファイル→設計復元、競合製品の分解調査で機構把握(著作権・営業秘密・契約違反に要注意)。
ミニ問題
【Q.】リバースの主目的として妥当なのは?
A. 常にコピー製造のためだけ
B. どの状況でも自由に行える
C. 既にある設計書をさらに複製
D. 実物から構造や仕様を把握し、保守・相互運用・移行に役立てる
正解:
D
解説(正解)
保守・移行・互換など正当目的がある(ただし法/契約の範囲内)。
他A/B/C:誤解や目的外。
リファクタリング
- 一行要約:外部仕様を保ったまま内部構造を改善して可読性・保守性を高める。
- 詳しい説明(事例):重複ロジックを関数抽出、巨大関数を分割、命名統一、テスト整備。機能は増やさないが変更容易性/欠陥密度が改善。
ミニ問題
【Q.】リファクタリングの成果として最も適切なのは?
A. 新機能の追加
B. 同じ外部動作のまま、内部構造とテスト容易性が向上
C. 互換性破壊
D. 実行結果が変わる
正解:
A
解説(正解)
…ではなくB。外部挙動を保つのが大前提。
他A/C/D:定義に反する。
SLA(Service Level Agreement)
- 一行要約:提供者と利用者が合意する測定可能なサービス水準(稼働率/応答/復旧時間等)と補償/例外の取り決め。
- 詳しい説明(事例):SaaS契約で月間可用性99.9%・測定/報告方法・除外事由・クレジットまで明記し、更新手続も合意。
ミニ問題
【Q.】SLAに不可欠に近いのはどれ?
A. 「最善を尽くす」とだけ記載
B. 指標定義・測定/報告方法・適用範囲・例外・補償(ペナルティ)
C. 監査法人の署名
D. 技術方式の永久固定
正解:
B
解説(正解)
合意+測定+報告+例外/補償が核。
他A:努力目標どまり。C/D:前提ではない。
SLM(Service Level Management)
- 一行要約:SLA/SLOを設計・合意・監視・改善する運用プロセス(ITIL等)。
- 詳しい説明(事例):ビジネス要件→SLA設計→月次レポート→レビューで閾値/容量計画を見直し、継続的にギャップ是正。
ミニ問題
【Q.】SLMの説明として最も適切なのは?
A. SLAそのもの(契約文)を指す
B. 稼働率の算式を暗号化して秘匿する
C. SLA/SLOのライフサイクルを運用し、測定・報告・改善を回す
D. データセンタの空調設計そのもの
正解:
C
解説(正解)
契約=SLA、運用=SLM。改善のサイクルが本体。
他A/B/D:定義外/範囲外。
BCP(事業継続計画)
- 一行要約:災害・障害時に重要業務を継続/早期復旧するための方針・体制・手順。
- 詳しい説明(事例):データセンタ二重化、代替サイトでの受注継続、RTO/RPO設定、**訓練(BCM)**で実効性を高める。
ミニ問題
【Q.】BCPの直接の目的として最も適切なのは?
A. すべての業務を平時同様に維持
B. 原則として操業停止を宣言
C. 事故原因の司法的究明
D. 優先業務を特定し、許容時間/データ損失目標に沿って継続・復旧する
正解:
D
解説(正解)
重要業務に優先度を付け、RTO/RPOで目標復旧を設計。
他A:資源制約下では現実的でない。B/C:BCPの目的外。
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