「どんな商品を、誰に、どう売るか?」
マーケティングはこの問いに答えるための重要な活動です。
今回は、マーケティングミックスやアンゾフの成長マトリクスなど、ITパスポート試験で問われる基本概念を図解付きで解説します。
市場調査と分析の流れ
マーケティングは次のような流れで進めます👇
① 3C分析
ビジネス環境を 顧客・競合・自社 の視点で分析
視点 | 内容 |
---|---|
Customer | 顧客のニーズ、市場規模、トレンド |
Competitor | 競合他社の強み・弱み、市場シェア |
Company | 自社の強み・弱み、リソース、ブランド力 |
② STP戦略
市場を絞り込み、狙うターゲットを決定
ステップ | 内容 |
---|---|
Segmentation(市場細分化) | 顧客を属性・行動で分類 |
Targeting(標的市場設定) | 狙うターゲット市場を決定 |
Positioning(位置づけ) | ターゲットに「どう認知させるか」決定 |
③ マーケティングミックス(4P分析)
製品を市場に投入するための戦術
4P | 意味 |
---|---|
Product | 製品(機能・品質・デザイン) |
Price | 価格(設定・割引・支払条件) |
Place | 流通(販売チャネル・物流) |
Promotion | 販売促進(広告・販促活動) |
④ 4C分析(顧客視点での4P)
4C | 4Pに対応 | 意味 |
---|---|---|
Customer Value | Product | 顧客が感じる価値 |
Cost | Price | 顧客が負担するコスト |
Convenience | Place | 購入のしやすさ |
Communication | Promotion | 顧客との対話・関係構築 |

⑤ RFM分析
優良顧客を見極めるための指標
- R(Recency):最近の購入日
- F(Frequency):購入頻度
- M(Monetary):購入金額
販売促進
- ダイレクトマーケティング
→ 顧客に直接アプローチ(例:DM、電話) - クロスメディアマーケティング
→ 複数のメディアを組み合わせた施策 - インバウンドマーケティング
→ SNSやブログで顧客を「引き寄せる」 - オムニチャネル
→ 店舗・EC・アプリなど複数チャネルを統合 - プッシュ戦略
→ 流通・販売店への働きかけ(商品を「押す」) - プル戦略
→ 広告などで顧客の需要を引き寄せる
販売・製造・仕入計画
計画 | 内容 |
---|---|
販売計画 | いつ・どれだけ売るか |
製造計画 | どれだけ生産するか(在庫・需要を考慮) |
仕入計画 | 必要な資材や原材料をいつ・どれだけ仕入れるか |
製品の価格戦略
- スキミングプライシング
→ 高価格でスタートし、段階的に値下げ。 - ペネトレーションプライシング
→ 低価格で市場に浸透させ、シェアを拡大。 - ダイナミックプライシング
→ 需要や状況に応じて価格を柔軟に変更。
顧客満足度調査(CS調査)
顧客の満足度を把握し、商品やサービス改善に活かす。
- アンケート
- NPS(ネットプロモータースコア)
- レビュー分析
アンゾフの成長マトリクス
市場と製品の組み合わせで成長戦略を考える
既存市場 | 新市場 | |
---|---|---|
既存製品 | 市場浸透 | 市場開拓 |
新製品 | 製品開発 | 多角化 |
オピニオンリーダ・インフルエンサー
- オピニオンリーダ
→ 特定分野で発言力があり、他者に影響を与える人。 - インフルエンサー
→ SNSなどで多くのフォロワーを持ち、購買行動に影響を与える人。
よくある質問(FAQ)
- Q4Pと4Cはどう違う?
- A
4Pは企業視点、4Cは顧客視点でマーケティングを考えるフレームです。
- Qアンゾフの成長マトリクスで最もリスクが高い戦略は?
- A
「多角化」です。新製品・新市場の両方を開拓するためです。
- Qスキミングプライシングはどんな商品に向いている?
- A
新技術製品など、発売当初に高価格で買う顧客が多い商品。
練習問題(3問)
【Q1. 企業が顧客に直接販促を行う手法は?】
A. プッシュ戦略
B. プル戦略
C. ダイレクトマーケティング
D. クロスメディアマーケティング
正解:
C
【Q2. 既存市場・新製品の組み合わせはアンゾフのどの戦略?
A. 市場浸透
B. 製品開発
C. 多角化
D. 市場開拓
正解:
B
【Q3. 4Pの「Place」は4Cでは何に対応する?】
A. Cost
B. Communication
C. Convenience
D. Customer Value
正解:
C
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