簿記3級では、「記帳」の実務的な感覚を学ぶことも大切です。今回は、「小口現金出納帳」と「仕入帳」という2つの補助簿に注目します。どちらもよく試験に出題されるテーマですので、基本的なルールと書き方をしっかり押さえておきましょう。
1. 小口現金出納帳とは?
- 小口現金とは:少額の支払いに使う現金(例:切手代、備品代など)
- 特徴:まとめて記帳するのではなく、日々の出入りを1件ずつ記録
- 記帳方法:
- 出金:小口現金で支払った費用(通信費、雑費など)
- 入金:小口現金を補充したとき
2. 仕入帳とは?
- 仕入帳とは:仕入取引の詳細を記録する帳簿
- 記録内容:
- 日付
- 仕入れ先
- 品名
- 数量・金額
- ポイント:
- 返品や値引きなどで仕入れがマイナスになる場合は、赤字で記載(試験では赤文字や▲マークで示される)
- 買掛金の管理にも活用される
よくある質問(FAQ)
- Q小口現金はいつ補充するの?
- A
一定期間ごと(例:月末)や残額が少なくなったときに、決められた金額に戻すよう補充します。
- Q仕入帳は何のためにあるの?
- A
商品の仕入れの記録を明確にし、買掛金の管理や在庫管理にも役立てるためです。
- Q小口現金出納帳と現金出納帳の違いは?
- A
小口現金出納帳は「少額の経費支出」に特化し、現金出納帳は「全体の現金の動き」を記録します。
小口現金出納帳(例)
日付 | 摘要 | 支払金額 | 残高 |
---|---|---|---|
4/1 | 切手代 | 500円 | 4,500 |
4/3 | コピー代 | 800円 | 3,700 |
4/5 | 補充 | 6,300円 | 10,000 |
仕入帳(例)
日付 | 仕入先 | 品名 | 数量 | 単価 | 金額 |
---|---|---|---|---|---|
4/1 | A商店 | 商品X | 10 | 500 | 5,000 |
4/4 | A商店 | 返品 | 2 | 500 | ▲1,000(赤字記載) |

練習問題
Q1. 小口現金でコピー代を支払った場合、使う勘定科目は?
A. 通信費
B. 雑費
C. 現金
D. 小口現金
正解:
B
→ コピー代は「雑費」で処理することが多いです。小口現金から出金されます。
Q2. 返品により仕入れが減った場合、仕入帳ではどう記録される?
A. 黒字で記載
B. 金額は書かない
C. 赤字または▲をつけて記録
D. 別ページに記録する
正解:
C
→ 仕入帳では、返品や値引きによるマイナスは赤字や▲で記録します。
Q3. 小口現金の補充はどの勘定科目を使う?
A. 現金
B. 小口現金
C. 雑費
D. 預金
正解:
B
→ 補充時の仕訳は「小口現金/現金」です。小口現金が増える処理になります。
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