企業が成長するうえで欠かせないのが「人」の力。
この“人材”を育て、活かし、長く働いてもらうための取り組みをまとめたのが「ヒューマンリソースマネジメント(HRM)」です。
この記事では、ITパスポート試験にもよく出るHRMの基本や関連用語について、図解とともにゆるっと解説します!
1. ヒューマンリソースマネジメント(HRM)とは?
人材(Human Resource)を企業の資源としてとらえ、計画的に採用・育成・評価・配置・定着(リテンション)・活用する一連のマネジメント活動を指します。
最近では、IT技術を活用した**HRテック(HR × Technology)**も注目されています。たとえば、社員のスキルや評価データを分析して最適な育成プランを作るシステムなどが例です。
2. 人材育成・管理の方法
■ OJT(On the Job Training)
職場での実務を通じて教育する方法。現場で直接スキルを学べるのが特徴。
■ OFF-JT(Off the Job Training)
職場を離れて受ける研修。e-ラーニングや集合研修など。
■ e-ラーニング・アダプティブラーニング
オンラインで自分のペースで学ぶe-ラーニングに加え、
AIなどで個人の習熟度に応じた教材を提示するアダプティブラーニングも登場しています。
■ コーチング・メンタリング
- コーチング:目標達成のために気づきを引き出すサポート
- メンタリング:経験豊富な人がキャリアや悩みの相談に乗る支援
■ CDP(Career Development Program)
個々のキャリア形成を支援する企業の取り組み。将来を見据えた研修計画などを含みます。
■ MBO(目標による管理)
個人・チームで目標を設定し、その達成度で評価する仕組み。
3. リテンション(人材の定着)
採用した人材が早期に辞めてしまうのを防ぐには、働きやすい環境づくりがカギになります。
その中でも注目されるキーワードは次のとおり:
- メンタルヘルス:心の健康を守る職場づくり
- ワークエンゲージメント:仕事にやりがい・活力を感じながら働いている状態
4. 多様な働き方への取り組み
■ 働き方改革
生産性を上げながら、働き手の満足度も高める国をあげた改革。
■ テレワーク
場所にとらわれずに働くスタイル。ICTの活用がカギ。
■ ダイバーシティ
性別・年齢・国籍・障がいの有無など多様な人材を受け入れること。
■ ワークライフバランス
仕事と生活のバランスを保ちながら、無理なく働ける環境を目指す。

よくある質問(FAQ)
- QHRMと人事管理はどう違うの?
- A
人事管理は主に給与や勤怠などの“管理”中心ですが、HRMは“育成・活用”まで含めた戦略的な考え方です。
- QMBOとOKRはどう違うの?
- A
MBOは成果に対する目標設定、OKRは「挑戦的な目標+測定可能な成果指標」がセットです。最近はIT系でOKRが人気です。
- Qワークエンゲージメントってどう測るの?
- A
アンケートやストレスチェックを用いて、活力・熱意・没頭の3要素をスコア化するのが一般的です。
練習問題
【Q1. 次のうち、職場の実務を通じてスキルを身につける研修はどれ?】
A. OFF-JT
B. OJT
C. CDP
D. HRM
正解:
B
→ OJTはOn the Job Training。現場で教わりながら仕事を覚える方法です。
【Q2. 次のうち、AIで学習内容を最適化するe-ラーニングの進化系は?】
A. メンタリング
B. タレントマネジメント
C. アダプティブラーニング
D. MBO
正解:
C
→ アダプティブラーニングは、個人に合わせて最適な教材を提供する学習法です。
【Q3. 社員の離職を防ぎ、長く働いてもらう取り組みのことを何という?】
A. ワークライフバランス
B. リテンション
C. ダイバーシティ
D. オフJT
正解:
B
→ リテンションは“人材の定着”を意味します。
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