簿記の世界では、「仕訳」をするだけで終わりではありません。仕訳を帳簿に記録する「記帳」という作業が必要です。この記帳作業を通じて、会社のお金の動きが整理されていきます。今回は、記帳に使う2つの帳簿「仕訳帳」と「総勘定元帳」について、基本をわかりやすく学びましょう。
1. 仕訳帳とは?
仕訳帳は、日付順にすべての取引を記録する帳簿です。
会社で起こるすべての取引は、まず仕訳帳に記録されます。
例:
202X年4月1日 備品を現金で10,000円購入した場合
日付 | 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 摘要 |
---|---|---|---|---|---|
4/1 | 備品 | 10,000 | 現金 | 10,000 | 備品購入 |
※ この仕訳帳の記録が、次に「総勘定元帳」へ転記されます。
2. 総勘定元帳とは?
総勘定元帳は、仕訳帳で記録された取引を勘定科目ごとに整理した帳簿です。
各勘定科目ごとの増減や残高が確認でき、決算の際にも重要な資料となります。
例:上の仕訳を転記した場合(勘定口座の一部)
- 備品勘定
日付 | 摘要 | 借方 | 貸方 | 残高 |
---|---|---|---|---|
4/1 | 現金 | 10,000 | 10,000 |
- 現金勘定
日付 | 摘要 | 借方 | 貸方 | 残高 |
---|---|---|---|---|
4/1 | 備品 | 10,000 | △10,000 |

❓よくある質問(FAQ)
- Q仕訳帳と総勘定元帳、どちらを先に書くの?
- A
必ず仕訳帳を先に記入します。その後、仕訳帳の内容をもとに総勘定元帳へ転記します。
- Q総勘定元帳はどうして必要なの?
- A
勘定科目ごとの残高を確認したり、決算に必要なデータを整理するために必要です。
- Q記帳を間違えた場合はどうすればいいの?
- A
仕訳帳に訂正仕訳を行い、総勘定元帳にも訂正した内容を転記します。二重線で消して訂正印、という処理は会計帳簿では基本的にNGです。
練習問題
【Q1】現金で備品を5,000円購入しました。このとき記帳すべき帳簿は?
A. 総勘定元帳
B. 仕訳帳
C. 貸借対照表
D. 試算表
正解:
B
→ 取引はまず仕訳帳に記入されます。そのあとに総勘定元帳へ転記する流れです。
【Q2】以下の取引「売掛金を10,000円回収して現金を受け取った」は、現金勘定にはどう記帳されますか?
A. 借方に10,000円
B. 貸方に10,000円
C. 借方に5,000円
D. 記帳しない
正解:
A
→ 現金が増えたので、現金勘定の借方に10,000円を記入します。
【Q3】仕訳帳の記録を勘定科目ごとに整理して記帳する帳簿はどれ?
A. 仕訳帳
B. 総勘定元帳
C. 小口現金出納帳
D. 売掛帳
正解:
B
→ 総勘定元帳は、仕訳帳の記録をもとに科目ごとの取引をまとめる帳簿です。
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