お金のやり取りと、費用や収益のタイミングがズレること、ありませんか?
そんなときに使うのが「経過勘定(けいかかんじょう)」です。
簿記3級では、「未払費用(まだ払っていないけど、使った費用)」と「未収収益(まだもらってないけど、受け取る収益)」が代表的。
この記事では、これらの勘定科目を使うタイミングや、期末・期首の仕訳を整理してわかりやすく解説します!
経過勘定の基本と仕訳
未払費用とは?
決算時点で「費用は発生しているけど、まだお金を払っていない」状態。
▶ 仕訳のタイミングと流れ(例:利息)
① お金を借りた時(元本の処理)
(借方)現金 / (貸方)借入金
② 期末に未払利息を計上(たとえば利息2,000円)
(借方)支払利息 2,000 / 未払費用 2,000
📓帳簿記入例(仕訳帳)
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
支払利息 | 2,000 | 未払費用 | 2,000 |
③ 期首になったら開始仕訳で取り消す
(借方)未払費用 2,000 / 支払利息 2,000
④ 実際に支払ったとき
(借方)借入金 100,000 / 現金 102,000
支払利息 2,000
未収収益とは?
決算時点で「収益は発生しているけど、まだお金を受け取っていない」状態。
▶ 仕訳のタイミングと流れ(例:受取家賃)
① 期末に未収家賃を計上(たとえば5,000円)
(借方)未収収益 5,000 / 受取家賃 5,000
📓帳簿記入例(仕訳帳)
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
未収収益 | 5,000 | 受取家賃 | 5,000 |
② 期首になったら開始仕訳で取り消す
(借方)受取家賃 5,000 / 未収収益 5,000
③ 実際にお金を受け取ったとき
(借方)現金 5,000 / 受取家賃 5,000

FAQ(よくある質問)
- Q経過勘定っていつ使うの?
- A
決算のときに、「お金はまだ動いてないけど、費用や収益はもう発生している」場合に使います。
- Q経過勘定は毎月使うの?
- A
基本的には期末(決算)で使うことが多いです。月次処理ではあまり使いません。
- Q期首仕訳ってなに?
- A
期末に調整した経過勘定を、新しい期の最初で元に戻す処理のことです。決算整理仕訳を帳簿に反映させるために行います。
練習問題(4択形式)
Q1. 利息2,000円が発生しているが未払いで決算を迎えた。正しい仕訳は?
A. 現金/支払利息
B. 支払利息/未払費用
C. 借入金/支払利息
D. 支払利息/現金
正解:
B
→ 利息はすでに発生しているので費用計上し、「未払費用」で処理します。
Q2. 決算で未収の家賃5,000円がある場合の仕訳は?
A. 未収収益/受取家賃
B. 受取家賃/未収収益
C. 現金/受取家賃
D. 売掛金/受取家賃
正解:
A
→ 未収収益(資産)を計上し、受取家賃(収益)を先に認識します。
Q3. 翌期首に、期末に計上した未払利息を取り消す仕訳は?
A. 支払利息/未払費用
B. 借入金/支払利息
C. 未払費用/支払利息
D. 現金/支払利息
正解:
C
→ 期末仕訳の逆仕訳を行うことで、帳簿を元の状態に戻します。
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