外出中に急なトイレの必要性や体調不良に見舞われることは、多くの人にとって共通の経験です。気温が上がり、外出する機会が増えるこの時期には、「どこかでトイレを借りることができるか」と思うこともしばしばです。外出時に利用する便利なトイレとして、多くの人が思い浮かべるのはコンビニエンスストアです。ただ、トイレのみを利用してそのまま立ち去ることに気が引けるため、ガムやドリンクなど小さな買い物をする人も少なくありません。SNSでは、コンビニのトイレ利用に関して「ただ借りて出て行っても良いのか」という意見の交わりが見られます。では、コンビニのトイレを公衆トイレとして扱っても問題ないのでしょうか。この問題について、大手コンビニチェーンのローソンに意見を求めました。
ローソンは1997年に業界で先駆けて“トイレ開放”を宣言
コンビニに設置されたトイレは、一体誰のために、どのような目的で存在するのでしょうか。ローソンは1997年に業界に先駆けてトイレの開放策を始めたことで知られています。
ローソンでは、お店でお買い物をされた方だけではなく、どなたでもご利用いただけるトイレとして、1997年にコンビニエンスストアとして初めてトイレを開放しました。現在では、いつでも誰でも使えるトイレとして、多くの方にご認識いただいています。ご病気などで外出時にトイレの不安を抱えている方もいらっしゃることから、重要な役割を担っています。また、災害時にはセーフティーステーションとして開放されるなど、インフラとしての役割も果たしています
とローソンの担当者は述べています。この担当者は、トイレが「誰でも利用可能」という点を強調し、社会インフラとしての重要性を訴えています。
SNSでは、コンビニトイレの利用マナーについて活発な議論が展開されています。一部の声では
必ず従業員の方への声掛けをしてからと、買い物は必須と思っている。サービスはタダでは無いからね
必ず何かを買うようにしてます。必要無くても。それが礼儀っす
コンビニトイレ借りたら絶対何か買うんだけど買わない人いるの? なんかタダトイレみたいで嫌だよ良心が痛む
便利に甘えて都合よく恩恵を受けるだけでは世の中成り立たなくなるゾ
という声もあります。
また、他の声では
レストランのトイレとかレストラン利用するから使いますもんね。レストランのトイレだけ使うとか無い。コンビニも同じかも
その時によるかな 買う時もあればトイレ貸してと声掛けするだけの時もあるわ
というリアルな意見も交わされています。さらに、
コンビニのトイレ有料でも良いと思ってる
という提案もあるようです。
では、トイレ利用に対する何らかの対価を店側が期待しているかというと、担当者は
トイレを使用した方に対して、商品の購入をお願いするオペレーションはありません
と明言しています。
全国店舗で1日平均約100万人が利用 維持管理は「各お店が負担しています」
ローソンの全国の店舗では、1日に平均約100万人がトイレを利用しています。この数は、ローソンがトイレのアクセス性をどれほど重視しているかを示しています。また、トイレ利用をきっかけにコンビニの価値を再認識してもらうために、トイレをアート作品で装飾する「アートトイレ」プロジェクトを2022年11月から続けています。
『いつでも誰でも使えるトイレ』の維持を目的に、2022年11月からアートトイレを展開しています。アートトイレの取り組みを通じて、普段からトイレをきれいに使用いただいているお客さまと、日々トイレ清掃に従事してくださっているお店の方々への感謝の気持ちをお伝えしています
とローソンは説明しています。
コンビニのトイレの維持は、店舗側の物理的および経済的な負担のもとで行われており、従業員は日々の清掃を通じてその清潔さを維持しています。これは決して「タダで提供されているわけではない」ということです。トイレを利用する際は、常識を守り節度ある行動が求められます。
ローソンは適切なトイレ利用について
誰でもいつでも使えるトイレを維持するための清掃や水道費、トイレットペーパーなどの備品代は、各お店が負担しています。皆さんが気持ちよくご利用いただけるよう、きれいな使用を心がけていただくとともに、時にはお買い物もしていただけるとうれしいです
とコメントしています。
専門家の反応は?
公共トイレを新規に建設すれば運営費を含めてかなりのコストがかかる。コンビニのトイレを社会インフラとして活用すれば、自治体にとってはかなりの負担軽減となるだろう。
ただ、その分、コンビニ側には、トイレの清掃、トイレットペーパー、水道代など、本来自治体が負担すべき公共トイレの運用費用がかかってくるわけで、こうした運用費用は自治体がコンビニに補償すべきではないか。
補償したとしても新規に公共トイレを設置する場合に比べればコスト削減効果ははるかに大きい。
外出時にトイレを我慢できなくなった時、コンビニのトイレには「後光」が差して見えます。特に小さい子供が唐突にトイレを言い出す時には本当にありがたいものです。コンビニトイレを深掘りし1回利用するとどれくらいの経費が発生するのか計算してみるとトイレには水道代、電気代、トイレットペーパー、トイレ洗剤、清掃の人件費などが掛かります。1店舗で1日40人が利用し、時給1000円の前提で概算してみると6回清掃の場合は約30円/回、1回も清掃しない場合は約6円/回との概算となります。フランチャイズオーナーの利益が100円の商品につき10〜15円とするとトイレ清掃回数にもよりますがトイレを使用した際に100円ぐらいの商品を最低買ってもらえれば、今後の利用の宣伝とも考え併せて店舗側にとっても許容範囲となります。コンビニでトイレを使う時は、「当たり前」ではなく、「感謝の気持ち」を忘れないで欲しいと痛切に思います。
ネットの反応は?
公衆トイレのわけがない。
公衆トイレは税金で管理されてるけどコンビニのトイレはお店の管理で清掃し、ペーパー補充、水道の使用料もお店が払う。いわばよそのお宅のトイレを貸してもらうようなもの。手土産がわりに商品を購入するのが礼儀だと思う。幸いコンビニにはいくつあっても困らないものやすぐに消費出来るものが大量にあるのだし。
ローソンの取り組みは立派だと思うけどそこに全力で乗っかるのはいささか厚かましい。やはり何か買ってくれるほうが店にしたらありがたいと思うよ。
外で働いているのでコンビニでトイレを借りることは多いです。大変助かっています。トイレだけ借りて店を出るのは申し訳ないので必ず何か買うようにしてますが、知り合いのオーナーや勤務経験のある人に尋ねると「何も買わなくても全然気にしない」と言われました。まぁそれでも気持ち的に買い物をすると思いますが、それよりもトイレを綺麗に使っていくことを気をつけていきたいと思います。
長距離移動の際はコンビニのトイレは本当に助かります。飲み物など何か買う前提でお借りします。
光熱費も管理も店側の負担になるのだから公衆トイレとは違いますね。本来なら『お借りします』と声を掛けるのがベストですね。 近くに店員さんがいたら一言言うかもしれませんが、カウンターに言いに行く事はないかな。使った後はきれいな状態でトイレを出るようにしています。後ろに並んでいる方が男性だったらちょっと焦ります。まあ無料で借りるんだから商品購入して売り上げに貢献するのがいいよね。今後料金取るようになる可能性もある︎
編集後記
感謝の気持ちは忘れずに使う前よりきれいな状態にするくらいの気持ちで利用するのが良いですね。
コメント