イタリア北部のベネチアは、「水の都」とも呼ばれています。この都市では、観光公害(オーバーツーリズム)対策の一環として、25日から日帰り旅行者に対して一人あたり5ユーロ(約830円)の費用を徴収する入場料制度が導入されます。
この新しい制度は7月までの週末に限り試験的に実施され、人出の抑制がどれほど効果的かが注目されています。
ベネチア オーバーツーリズム対策で入場料5ユーロ(830円)徴収
1987年にユネスコの世界遺産に認定されたベネチアでは、市議会が昨年9月に日帰り観光客に入場料を課すことを決定しました。この措置は、新型コロナウイルスの影響で減少した観光客の流れに影響を及ぼす可能性がありますが、地球温暖化による水害や観光による公害を抑え、「危機遺産」としての指定を避けるための緊急策とされています。
ルイージ・ブルニャーロ市長はこの月、「私たちの行動が将来の世代にとってベネチアを守ることにつながる。これは世界に先駆けた実験的な試みだ」と述べました。
入場料はベネチア本島の旧市街地域を訪れる日帰り客が対象で、午前8時半から午後4時までの時間帯に適用されます。この制度は今月25日から5月5日まで、そして7月14日までの週末に実施される予定です。
訪問者は事前にインターネットで入場券を購入する必要があり、抜き打ち検査時にこのチケットを提示することが求められます。チケットを持たない場合、最大300ユーロ(約5万円)の罰金が課されることもあります。ただし、地元住民や14歳未満の子供、宿泊施設で観光税を支払っている宿泊客はこの料金から免除されます。
危機遺産とは何かチャットGPTさんに聞いてみた
危機遺産とは何ですか?危機遺産に指定されるとどうなるんですか?
「危機遺産」とは、ユネスコの世界遺産リストに登録されているが、戦争、自然災害、急激な開発、環境汚染などによりその保存が著しく脅かされている遺産のことを指します。このリストは正式には「危機に瀕する世界遺産リスト」と呼ばれます。
遺産がこのリストに登録されると、国際社会から特別な注意と支援を集めることができます。これにより、遺産を守るための追加資金や技術支援が提供されることがあり、保存活動が強化されることが期待されます。ただし、危機遺産リストに名を連ねることは、その地域のイメージや観光に悪影響を及ぼす可能性もあります。そのため、多くの場合、関連国や地域は危機状態の解消に向けて積極的な対策を講じることになります。
危機遺産に指定されているものはありますか?
はい、世界遺産リストには危機に瀕するとされるいくつかの遺産があります。これらは主に自然災害、武力衝突、違法な建設活動、観光の過度な影響など様々な要因によってその状態が脅かされています。例として、以下のような遺産が危機遺産リストに登録されています:
- シリアの古代都市アレッポ – 内戦による損害が甚大で、多くの歴史的建築が破壊されました。
- コンゴ民主共和国のビルンガ国立公園 – 環境破壊や密猟、武装紛争が進行中で、希少な野生動物が絶滅の危機に瀕しています。
- パレスチナの古都ヘブロン – 政治的な緊張と衝突が続いており、遺産保護が困難な状態です。
これらの遺産は、その文化的または自然的価値が非常に高く、国際社会がこれらの保存に特に注意を払う必要があると認識されています。危機に瀕する世界遺産リストに登録されることで、関連する国や地域は国際的な支援を受けやすくなることが期待されますが、同時にその遺産を守るための迅速な行動が求められます。
専門家の反応は?
国内外でインバウンドを含む観光客に対する徴収金や入域制限に関する議論が活発となっているが、実施にはさまざまなハードルが存在する。ベネチアのように、ある程度外部を隔離されており対象となるエリアもせまい場合、相対的に実施しやすい。フィリピンのボラカイ島(2018年以降島への上陸人数の上限を設定)のように、アクセスが船のみに限定されているようなところでは、さらに導入がスムーズに行える。一方、地続きで隣接地と隣り合っている地域の場合、導入は難しい。24日には、大阪府が、府内に宿泊するインバウンドに一定額の負担を求める徴収金制度の導入を検討する有識者会議を開いたが、現実的には宿泊費に上乗せする以外の選択肢をとるのが難しいだろう。こうした制限は万能ではないが、ベネチアのように、週末のみに設定することで、旅行者のピークを抑える効果も期待できる。一部のエリアに限られるとはいえ、今後も導入事例が続くだろう。
ネットの反応は?
830円なら、「払ってもいいか」と思える金額ですね。ただ守らなかったときの罰金がすごそうですよね。知らなかったでは済まなそう……。
10年前、イタリアを旅行した先、ツアーで参加したのですが、日本人の添乗員さんは現地のガイドをすることを禁止されていて、スポットガイドと呼ばれる現地のガイドさんが、それぞれの名所を案内していたのが印象的でした。 日本人添乗員が勝手に案内したら、すぐに捕まるそうです。罰金が高額で50万いくこともあるとか!
日本人添乗員がトイレを指差したら、それが問題視されて訴訟まで発展したという話を聞いて、恐ろしかったです。
日本もやることはいっぱいありますよね。
なるべく高額な観光税をとることと同時に、少しでも違反があった時にはどんどん捕まえて罰金を科すことをしないと、すでになめられているので。
日用品や食料品の免税制度やジャパンレールパスなんてもってのほか。
先日テレビでスーツケースいっぱい肉や果物などを持ち込む検疫の様子をやっていたが、20回違反しないと警察は動かないらしい。
1回目は警告でいいとしても、2回目は罰金、3回目はその場で帰国、永遠に入国できないようにするなど毅然とした態度をとることは、観光立国としてやっていきたいとしたら必要なこと。日本は外国人に甘すぎる。
編集後記
20年以上前にベネチア行ったなぁって、楽しかったなぁ。
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