システムを導入するとき、性能や信頼性だけでなく「お金の面」も重要です。
いくら高性能なシステムでも、費用が高すぎて運用できなければ意味がありません。
そこで使われるのが経済性の評価指標です。今回は「初期コスト」「運用コスト」「TCO(総保有コスト)」について、分かりやすく説明します。
初期コスト(イニシャルコスト)
- 定義:システム導入時にかかる一時的な費用
- 例:サーバやPCの購入費用、ソフトウェアライセンス料、設置工事費など
- ポイント:初期コストは一度支払えば終わりますが、高額になりやすく、予算計画に大きく影響します。
運用コスト(ランニングコスト)
- 定義:システムを継続的に使うために発生する費用
- 例:電気代、保守費用、サポート契約費、通信費、ソフトの更新費用、人件費
- ポイント:長期運用になると、初期コストよりも運用コストのほうが総額で大きくなるケースもあります。
TCO(Total Cost of Ownership:総保有コスト)
- 定義:システムの導入から廃棄までにかかる総費用
- 式:
TCO = 初期コスト + 運用コスト(全期間分) - 目的:目先の導入費用だけでなく、長期的なコストを把握することで、真の経済性を評価できる。
- 例:
- A社:初期コスト200万円、運用コスト年間50万円(5年)→ TCO = 200 + (50×5) = 450万円
- B社:初期コスト300万円、運用コスト年間20万円(5年)→ TCO = 300 + (20×5) = 400万円
⇒ 初期コストは高くても、長期的にはB社のほうが安い場合もある。

よくある質問(FAQ)
- Q初期コストが安いシステムを選べばお得ですか?
- A
必ずしもそうではありません。運用コストが高いと長期的に割高になる可能性があります。
- Q運用コストはどこまで含めればいいですか?
- A
保守・人件費・消耗品・電気代など、システムを使い続けるために必要なすべての費用を含めます。
- QTCOを下げるための方法は?
- A
長期的に運用コストを抑えられるシステム選びや、自動化・省エネ化による経費削減が効果的です。
練習問題
Q1. 初期コストに含まれるものはどれですか?
A. サーバの購入費
B. 電気代
C. 毎月の保守費
D. 通信費
正解:
A
→ 初期コストは導入時の一度きりの費用です。B・C・Dは運用コストに分類されます。
Q2. TCOとは何を意味しますか?
A. 初期コストのこと
B. 運用コストのこと
C. 初期コストと運用コストの合計
D. システムの性能指標
正解:
C
→ TCOは「Total Cost of Ownership」の略で、総保有コストのことです。
Q3. 運用コストの例として正しいものは?
A. ソフトウェアライセンスの初回購入費
B. システム設置費
C. 月額保守契約料
D. 機器購入費
正解:
C
→ 月額保守契約料は継続的な費用なので運用コストです。
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