簿記3級の決算整理にはさまざまな仕訳が登場します。
中でも見落としがちなのが、「訂正仕訳」や「決算整理の全体像」。
この記事では、ミスを正しく処理するための訂正仕訳の方法と、これまで学んだ決算整理仕訳のまとめを解説します。
1. 訂正仕訳とは?
仕訳の記入ミスを見つけたら、ただ消すのではなく「訂正仕訳」で処理します。
訂正仕訳の基本は3ステップ!
訂正仕訳の3ステップ
① 間違った仕訳を取り消す
② 正しい仕訳を書く
③ ①+②を「訂正仕訳」として帳簿に記入
例)通信費を支払ったのに「水道光熱費」で記入してしまった場合
間違った仕訳 | 水道光熱費 1,000 / 現金 1,000 |
---|---|
取り消し仕訳 | 現金 1,000 / 水道光熱費 1,000 |
正しい仕訳 | 通信費 1,000 / 現金 1,000 |
訂正仕訳(合算) | 現金 1,000 / 水道光熱費 1,000 通信費 1,000 / 現金 1,000 |
2. 決算整理のまとめ
決算整理で登場する主な仕訳を、ジャンルごとに振り返りましょう。
ジャンル | 内容 |
---|---|
固定資産 | 減価償却費の計上(定額法など) |
有価証券 | 評価替えや収益計上(受取配当金など) |
現金 | 期末実査で過不足が出たら「現金過不足」 |
引出金 | 家計の引き出しは資本金に振替 |
貸倒引当金 | 貸倒損失に備える引当金、繰入れ仕訳あり |
経過勘定 | 未払費用・未収収益・前払費用・前受収益 |
売上原価 | 仕入・繰越商品で「しーくりくりしー」 |
消耗品 | 2通りの処理方法あり(消耗品→消耗品費 or 逆) |

よくある質問(FAQ)
- Q訂正仕訳は消しゴムで消して書き直してはいけないの?
- A
簿記では原則として「記録の訂正」は仕訳で対応します。訂正仕訳が必要です。
- Q決算整理で全部の仕訳を覚えきれるか不安です。
- A
分類して覚えると整理しやすくなります。たとえば「経過勘定だけをまとめて練習」などが有効です。
- Q決算整理仕訳はいつ行いますか?
- A
決算日の処理です。通常、年度末(期末)に正しい財務諸表を作成するために行われます。
- Q「しーくりくりしー」ってどういう意味ですか?
- A
売上原価の算定で出てくる仕訳の語呂です。
「仕入/繰越商品」「繰越商品/仕入」の2つの仕訳を組み合わせて覚えやすくしたものです。
練習問題
Q1. 間違った勘定科目で仕訳したときに使う方法は?
A. 訂正仕訳
B. 二重仕訳
C. 期首仕訳
D. 補助仕訳
正解:
A
→ 訂正仕訳は「間違った仕訳を取り消して、正しい仕訳を書き直す」方法です。
Q2. 決算整理仕訳に該当するものはどれ?
A. 銀行への借入金返済
B. 消耗品を消耗品費に振り替え
C. 商品を仕入れた
D. 売上の入金処理
正解:
B
→ 決算整理で「消耗品を消耗品費へ振り替える」のは、費用の適正な期間計上のために行います。
Q3. 次のうち、訂正仕訳の手順に含まれないものはどれ?
A. 間違った仕訳を取り消す
B. 正しい仕訳を書く
C. 勘定科目を新たに作る
D. 訂正仕訳として帳簿に記入する
正解:
C
→ 勘定科目は通常、既存のものを使います。訂正のために新しく作ることは基本的にありません。
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