Wi-Fiルーターの買い換え時とセキュリティ対策をTP-Linkの中の人に聞いてみた

自宅のWi-Fiルーターが犯罪に利用されるリスクを防ぐために、INTERNET Watchは「Wi-Fiルーター見直しの日」を設けて啓発活動を行っています。多くの人が自宅のWi-Fiルーターを安全に使い続けられるかどうかについて疑問を持っていることでしょう。

現在市販されているWi-Fiルーターは、技術基準適合認定という基準に基づいてセキュリティ対策が施されています。これにより、表面上はどのメーカーの製品も似たようなセキュリティレベルを持っているように見えます。しかし、実際には各メーカーによって提供されるサポートやセキュリティ対策の取り組みには差があり、これが製品の特徴として現れています。

この記事では、ティーピーリンクジャパン株式会社 技術部マネージャー Hugh Hu（ヒュー・フウ）氏に、ユーザーに推奨する買い替え年数などを聞いています。

日本での存在感も大きくなりつつある

TP-Linkは、価格だけでなく技術的な面でも注目されているメーカーです。特に、脆弱性への対策とサポート体制に力を入れています。

TP-Linkの特徴の一つは、ハードウェアの設計からソフトウェアの開発に至るまで、ほとんどを自社で行っていることです。このアプローチにより、セキュリティ上の脆弱性が見つかった際に迅速にファームウェアを更新することが可能になります。また、新旧問わず幅広い製品に対してサポートを提供することができるのも、TP-Linkの強みです。

ソフトもハードも自社開発が、サポート体制でも強みに

TP-Linkは、ファームウェアのアップデートやその他のサポートに関して、固定の期限を設けていないとのことです。同社の製品ラインアップは非常に広範にわたるため、全ての製品がアップデートの対象となるわけではありませんが、脆弱性が発見された際には迅速にファームウェアのリリースを行う体制を整えています。また、セキュリティ上の問題が広範囲に影響を及ぼす場合には、製品の生産終了後であってもアップデートを提供することが可能です。

このようなサポート体制は、単に製品の長期使用を促進するだけではなく、TP-Linkがハードウェアの設計からソフトウェアの開発までを自社で行っていることに起因しています。これにより、外部の協力会社に依存せず、自社でサポート期限を柔軟に管理することができます。

具体的な例として、TP-Linkは日本市場に参入した初年度である2016年に発売したモデルのファームウェアアップデートを2023年にも提供しているという実績があります。

ファームウェアの更新はアプリにも通知

TP-Linkでは、ファームウェアの更新に定期的なスケジュール、例えば月一回の更新などは設定していません。脆弱性が発見された場合は、予定された時期を待たずに迅速にアップデートを実施します。特に、セキュリティ上のリスクが広範囲に及ぶ場合には、製品が生産終了していてもファームウェアの更新を行う方針です。

多くの既存モデルには自動ファームウェア更新機能が搭載されていますが、製品ラインアップが多岐にわたるため、順次対応を進めている状況です。Wi-Fi 6を搭載した最新世代のモデルでは、ほとんどがこの機能に対応しています。

さらに、自動更新機能がオフになっている場合でも、TetherアプリやDecoアプリを通じてファームウェアの更新通知が表示され、ユーザーは簡単な操作でアップデートを行うことができるようになっています。

パスワードは自分で設定、でも脆弱な文字列には警告

TP-LinkのWi-Fi接続や管理画面のパスワード設定は、ユーザーが初期設定時に自分で行う方式です。安全性が低いパスワードを設定しようとすると、警告メッセージが表示されるようになっています。

また、2023年12月現在、Wi-Fi 6以降の技術を採用している製品については、全て最新のセキュリティプロトコルであるWPA3に対応しています。

過去に発売された製品の中には、管理画面のアクセスに「admin」「admin」というデフォルトのパスワードを使用しているものもありますが、TP-Linkではこれらの機種に対してもファームウェアの更新を行い、ユーザーが次に接続する際にパスワードの変更を促すなどの対策を講じています。

セキュリティ機能はIPoE IPv6環境にも順次対応

TP-Linkのミドルレンジ以上のモデルでは、「Home Shield」というセキュリティ機能が提供されています。この機能は無料プランでも利用可能で、Wi-Fiルーターのセキュリティ状態をチェックすることができるため、基本的なセキュリティ対策に有効です。

一部のメーカーではIPoE IPv6環境下で機能が使えなくなることがありますが、TP-Linkでは既にArcher AX3000などの一部モデルでIPoE IPv6環境でもHome Shieldが利用可能になっています。今後も対応する機種を増やしていく予定です。

最新のサポート情報については、TP-Linkの公式ウェブサイトで確認することができます。また、主要なWi-Fiルーターメーカーのサポートページへのリンク集も用意されているので、詳細を知りたい場合はそちらを訪れることを推奨します。

おすすめの買い替え時はいつ？

TP-Linkは、自社での生産を通じて長期的で充実したセキュリティ対策を提供することが特長です。このアプローチにより、製品の長期使用に対しても積極的な姿勢を持つメーカーと言えます。例えば、Wi-Fi 5世代の製品においても、新しいファームウェアを通じてWPA3のサポートを提供するなど、古いモデルの機能向上にも力を入れています。

そのため、TP-Linkではセキュリティ上の理由での買い替えよりも、Wi-Fiの規格変更や性能、機能の向上を重視した買い替えを推奨しています。つまり、性能や機能に不満を感じた時が新しい製品への買い替えのタイミングとなるでしょう。

チャットGPTさんに聞いてみた

編集後記