オープンAIの「混乱の5日間」何があったのか!?

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11月21日(米国時間)、OpenAIはサム・アルトマンCEOの復帰を発表しました。この発表は、同社の取締役会が彼を突然解任した直後に行われました。この事件は、特異なガバナンスの機能不全を明らかにし、営利部門に49%出資する米マイクロソフトが実質的に大きな影響力を持つ状況を浮き彫りにしました。

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サム・アルトマン氏の解任から復帰までの経緯は

11月21日の深夜、サンフランシスコのミッション地区に位置する三階建ての年代を感じさせる木造ビルからは、まだ明かりが見えていた。このビルは、最近トップの解任劇に巻き込まれたオープンAIの本社である。

この日、待ちに待ったニュースが飛び込んできた。それは、アルトマン氏がCEOとして戻ってくるというものだった。

サムが戻ってくる、オープンAIは続くぞ

従業員たちはこの知らせに歓喜の声を上げた。

問題の発端は、11月17日に突然発表されたアルトマン氏のCEO解任と、共に解任されたグレッグ・ブロックマン社長の退社発表だった。

この予期せぬニュースに周囲は驚き、関係者は取締役会に対して決定の見直しを求めたが、話し合いは困難を極めた。11月19日の夜には、オープンAIのビジネスパートナーである米マイクロソフトが、アルトマン氏と彼に追随する社員を雇う意向を示した。

その後、オープンAIは崩壊の危機に瀕した。11月20日、従業員770人の大多数が一致団結し、現在の取締役陣が辞任しなければ自らも辞職すると宣言したのだ。

解決への進展が見えたのは11月21日だった。一日中続いた協議の末、夜10時過ぎにアルトマン氏のCEO復帰と取締役会の再編成が発表された。質問サイト「クオラ」のCEOアダム・ディアンジェロは留任し、米セールスフォースの元共同CEOブレット・テイラー氏と、元米財務長官ローレンス・サマーズ氏が新たな取締役に迎えられた。

米国の感謝祭休暇前にこの混乱が収束へと向かう道筋がつけられたことで、従業員からメディアに至るまで一安心のムードが漂った。復帰を決めた直後、アルトマン氏はX(旧ツイッター)に投稿し、

私はオープンAIを愛しており、チームと使命を守り続けるためにこの数日を過ごしてきた

と述べた。

「北欧流」ガバナンスが機能不全だった理由

この5日間の動きは、2つの重要な事実を明らかにしました。

まず、オープンAIが掲げる独自の企業統治(ガバナンス)の問題が露呈しました。オープンAIは2015年に非営利の研究機関として設立され、取締役会の主な役割は「人類のための有益で安全な汎用人工知能(AGI)の研究」の監督です。しかし、外部資金の必要性から、2019年には営利子会社を立ち上げ、マイクロソフトなどの企業が出資しています。

非営利と営利のハイブリッド構造は、北欧の企業によく見られるもので、デンマークのノボノルディスクやスイスのロレックスがその例です。米国のパタゴニアも2022年にこのモデルを採用しました。

ティマ・バンサル教授
ティマ・バンサル教授

オーナーや創業者が自分たちのレガシーを存続させると同時に、社会貢献をする方法として浸透している

とカナダのウェスタン大学アイビービジネススクールのティマ・バンサル教授は説明しています。

しかし、このモデルは非営利組織の意思決定機関が現実的かつ理念に基づいて機能する場合にのみ成立します。

久保田雅也氏
久保田雅也氏

株主や従業員に何の説明もなく、CEOにビデオ会議で突然の解任を言い渡すのは常軌を逸している。取締役の経歴や資質、評判をチェックできていたのか

とWiLの創業メンバーであるベンチャーキャピタリストの久保田雅也氏は指摘します。バンサル教授も

ティマ・バンサル教授
ティマ・バンサル教授

社外役員の数が奇妙に少なく、組織の目的と強い結び付きがある人選に見えなかった

と述べています。

もう一つの重要な点は、マイクロソフトが実質的にオープンAIの命運を握っていることが明らかになったことです。

マイクロソフトのサティア・ナデラCEOは、迅速にアルトマン氏らとオープンAIの従業員を支持する方針を打ち出しました。これは、営利子会社に対して49%の出資を行っている最大の業務提携先として、オープンAIのガバナンス問題を公然と批判する姿勢を示しています。

スティーン・トムセン教授
スティーン・トムセン教授

反乱を起こした取締役たちはマイクロソフトのような利害関係者の圧力に直面し、屈服せざるを得なかった

とコペンハーゲン・ビジネススクールのスティーン・トムセン教授は語っています。ブロックマン氏も、22日未明にマイクロソフトとナデラ氏に感謝の意をXに投稿しました。

今回の一連の騒動を受けて、オープンAIはガバナンス体制の強化を図る方針を示しています。3人の取締役のみで構成されていた取締役会を、9人程度に増やす計画のようです。

具体的な解任理由がまだ明らかにされていない中、多くはナデラCEOの迅速な対応を称賛しています。しかし、オープンAIの重要な局面で、結局はマイクロソフトが大きな影響力を持つことが明らかになりました。

人工知能は人類にとって大きな利益をもたらす一方で、潜在的な危険も内包しています。今回の騒動の背景には、取締役会とアルトマン氏間での安全確保と商用利用に関する考え方の対立があったとの報道もあります。今後、オープンAIとマイクロソフトの意見が相違する場合、それが大きなリスクとなる可能性があります。

チャットGPTさんに聞いてみた

おき編集長
おき編集長

今回のオープンAIの混乱の一つの原因である「非営利組織の傘下に営利企業を置く構造」。北欧企業に多いと記事では言っていますが、このような構造の企業が長く成功するためのポイントはどういった点だと思いますか?

ChatGPTさん
ChatGPTさん

「非営利組織の傘下に営利企業を置く」という構造が北欧企業などで見られる場合、その成功の鍵はいくつかの重要な要素に依存しています。このモデルが長期にわたり成功するためには、以下のようなポイントが特に重要です。

  1. 明確なビジョンとミッションの共有:非営利組織と営利企業が共有する明確で一貫したビジョンとミッションが必要です。これにより、両方の組織が相互に補完し合いながら、共通の目標に向かって努力できます。
  2. ガバナンスの透明性と効果性:組織の意思決定プロセスは透明でなければなりません。これには、両方の組織のガバナンス構造における明確な役割分担と責任の所在が含まれます。効果的なガバナンスは、組織の健全な運営と、利害関係者の信頼を維持する上で不可欠です。
  3. 利害関係者とのコミュニケーション:従業員、顧客、投資家、および広く社会に対して、組織の目的、活動、および成果に関する明確かつ定期的なコミュニケーションが重要です。これにより、透明性が高まり、信頼が築かれます。
  4. 倫理的かつ持続可能なビジネス慣行:営利企業は、短期的な利益追求だけでなく、長期的な持続可能性と社会的責任を考慮したビジネスモデルを採用する必要があります。これは非営利の親組織の価値観と整合性を持つべきです。
  5. 相互依存のバランス:営利部門と非営利部門の間には、健全な相互依存関係が必要です。営利部門が非営利部門の目的と価値観を支持し、その成果を強化する一方で、非営利部門も営利部門の成長と繁栄を支援する必要があります。
  6. 柔軟性と適応性:市場の変化、技術の進歩、社会的な要求に応じて、組織が適応し、進化する能力も重要です。この柔軟性が、持続可能な成功を保証する要因の一つとなります。

このような構造を採用する企業は、これらの要素を効果的に統合し、バランスをとることで、長期的な成功を実現することができます。

ネットの反応は?

出資まで受ける企業の意思決定が、非営利団体による意思決定組織に委ねられている状態の方がガバナンス不在だと思うのだけど・・・ そういう北欧の会社もあり、成立してるからなくはないのだろうけど、資本主義という社会で考えると異様な組織形態だよね。

マイクロソフトの圧力だと理解するのは強引さや飛躍が必要だと思うが。従業員が反発しなかったら解任された2人がMSに行ってお終いじゃないの。

編集後記

おき編集長
おき編集長

こんな出来事がわずか5日間で起こる事じたいが日本では絶対にありえなそう。

そこにアメリカとの差を感じてしまう。

コメント

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