東京都内でビジネスホテルの宿泊料が急上昇しています。訪日外国人の需要の増加や物価の高騰により、平均的な客室の価格はコロナ前の2019年と比較して1.5倍になっています。そのため、規定の宿泊費内で泊まれるホテルを見つけられず、多くの出張者が都心から離れたホテルを選ぶしかなくなっています。この状況を受け、多くの企業や自治体が宿泊費の支給基準の見直しを進めています。
あふれる訪日客
東京都新宿区に位置する「ホテルグレイスリー新宿」は、日々外国人観光客で賑わっています。ロビーでは、英語や中国語でのチェックアウトや荷物預かりなど、スタッフが多言語で対応しています。
通常、都内の宿泊施設の客室稼働率は50%から60%程度ですが、このホテルでは80%を超える高稼働率を記録しています。その理由の一つとして、新宿駅から近く、世界的に有名な繁華街「歌舞伎町」を楽しめることがSNSで話題になっているため、ほとんどの宿泊客が外国人であることが挙げられます。このため、フロントスタッフも多言語に対応できる人材が揃っています。
また、インバウンド需要の増加により、コロナ前と比較して宿泊料は約60%上昇しています。ホテルの企画課は
価格に見合ったサービスを提供し、お客さまに質の高さを感じてもらえるようにしたい
と述べています。
都内ホテル宿泊費は5年で1・5倍
ビジネスホテルの宿泊料は国内市場において割高に感じられるが、円安の効果で海外からの観光客の予約は途切れることがない。また、人手不足に伴う人件費の上昇や物価の高騰も影響して、ビジネスホテルの宿泊料は全体的に上昇している。東京や横浜のビジネスホテルを中心に組織される「東京ホテル会」によると、加盟している約260のホテルの平均客室単価は先月で16,556円であり、2019年8月の10,804円から約1.5倍に上昇している。
このような都心のビジネスホテルの高い宿泊料の影響を受けているのは、特に地方から東京に出張に来るビジネスマンたちだ。民間の「産労総合研究所」が2023年7月から8月にかけて実施した調査(171社が回答)によれば、出張時の宿泊費の平均は一泊あたり8,606円で、これは都内のビジネスホテルの平均宿泊料を下回る金額である。
ホテル高騰に自治体も対応
出張時の高い宿泊費に対応するため、多くの企業が宿泊費の規定を見直しています。例えば、IT企業のリブセンスは、2024年1月から出張費の規定を改定し、宿泊費の上限を1万円から1万3000円に引き上げました。この企業に勤める29歳の男性は、宮崎県のオフィスから年に数回、東京の本社に出張することがありますが、これまでは本社近くで1万円以下のホテルを見つけるのが難しく、1時間程度の距離にあるホテルに宿泊していました。彼は「3000円の増額により、早期予約割引などを活用すれば、都心でも宿泊可能なホテルが見つかるようになった」と話しています。
自治体でも宿泊費の見直しが進んでいます。佐賀県では、職員が東京や大阪などの都市部に出張する際の宿泊費を1万900円、地方を9800円と定めています。超過した場合は、規定の宿泊費以下の施設が見つからなかったことを証明する書類を提出し、人事課との協議が必要ですが、業務負担の増加に対応するため、県は昨年6月から1泊最大3100円の超過までなら、協議なしで実費支給を認める方針に変更しています。岩手県や沖縄県も同様の措置を採っています。
ニッセイ基礎研究所の研究員、安田拓斗氏は
都心のビジネスホテルの客室単価は当面、下がることはない。東京に出張した地方のビジネスマンのなかには、安価なカプセルホテルを利用したり、都心から離れたホテルに宿泊したりせざるを得ない人が増えている。企業や自治体には宿泊費の規定見直しや出張内容の再検討が求められる
「都心のビジネスホテルの客室単価が当面下がる見込みはなく、地方からのビジネスマンはカプセルホテルを利用するか、都心から離れたホテルに宿泊するなどの対策を取らざるを得なくなっている。企業や自治体は宿泊費の規定の見直しや出張の内容再検討が求められている」と指摘しています。
専門家の反応は?
円安基調は一段落しつつあるが、インバウンドの需要は強く、東京をはじめとした都市部のホテル相場は高止まりの傾向となりそうだ。にもかかわらず、柔軟に対応せずに出張時の宿泊費の上限を依然として変えない会社や役所が少なくないために、出張者が割りを食う状況が続いている。記事内では限度額の枠内で泊まれない証明を提出する事例が出ているが、ホテルの価格を検索するサイトで最安値から表示した場合、最安値には、ゲストハウスや、簡易旅館をインバウンド対応用に改装した施設も混じっており、ビジネスユースに適していないところも多い。これを逐一チェックするのも煩雑といえるだろう。ホテル代の急騰にきちんと対応することが望まれる。一方、旅行者については、ホテルの立地を変えたり、早期割引を利用したりするなどして、ホテル代を少しでも安く済ます工夫が必須となるだろう。
ネットの反応は?
円安基調は一段落しつつあるが、インバウンドの需要は強く、東京をはじめとした都市部のホテル相場は高止まりの傾向となりそうだ。にもかかわらず、柔軟に対応せずに出張時の宿泊費の上限を依然として変えない会社や役所が少なくないために、出張者が割りを食う状況が続いている。記事内では限度額の枠内で泊まれない証明を提出する事例が出ているが、ホテルの価格を検索するサイトで最安値から表示した場合、最安値には、ゲストハウスや、簡易旅館をインバウンド対応用に改装した施設も混じっており、ビジネスユースに適していないところも多い。これを逐一チェックするのも煩雑といえるだろう。ホテル代の急騰にきちんと対応することが望まれる。一方、旅行者については、ホテルの立地を変えたり、早期割引を利用したりするなどして、ホテル代を少しでも安く済ます工夫が必須となるだろう。
秋に旅行しようと思って見ていたら、高山あたりは平日でも2人で5万円ぐらいなのが普通になっていてびっくりしました。
昔は国民宿舎とか公共の宿が各地にあって安く泊まれたのに、郵政民営化や行きすぎた公務員叩きで公共の宿を廃止してしまったのは失敗だったと思います。 もう一度市町村が経営する日本人優先の公共の宿を作ってもいいと思います。外国人は宿泊日の3日前に空室があれば予約できるようにして、日本人が安く泊まれる宿を作ってほしいです。
私も年に4〜5回は出張しますが、地方都市も軒並み上がってますよ。ローシーズン平日でもビジネスで7から8000円はかかりますね。土日だとAPAで平気で1万5000円とかするんでびっくりしました。出張手当てより宿泊費補助を上げて欲しいです。
編集後記
コロナ渦の時のホテルの安さと取りやすさに慣れてしまっていると今の状況は理解が追い付かないですね。
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