米経済界、「トランプ関税」に失望表明
ドナルド・トランプ米大統領が2日、「相互関税導入」を発表したことに対し、米国の経済界を代表するロビー団体は強く反発し、ビジネスへの深刻な影響を懸念する声を上げた。
トランプ氏は、4月5日から全ての国からの輸入品に対し一律で10%の関税を課す方針を表明。さらに、最大の競争相手である中国からの輸入品には34%、欧州連合(EU)には20%、日本には24%の追加関税を適用するとし、これらの措置は9日に実施される見通しだ。
貿易関係の団体からは、今回の措置に対し落胆の声が相次いでいる。
全米レストラン協会は声明で、「こうした規模での追加関税適用は変化と混乱を招き、レストラン経営者は自身の店舗営業を維持するために対処を迫られることになる」と述べ、影響の大きさを強調した。
全米製造業者協会のジェイ・ティモンズ会長は、「製造業者にとってこれ以上のリスクはない」とした上で、「追加関税の高コストで、投資や雇用、サプライチェーンのみならず、他国と競争し、製造業の超大国として世界をリードしてきた米国の立場も脅かされることになる」と懸念を示した。
米商工会議所の政策責任者であるニール・ブラッドリー氏も、関税措置の発表前に「広範な追加関税という増税により、米国民は物価高に直面し、米国経済は打撃を受ける」と警鐘を鳴らした。
全米民生技術協会のゲイリー・シャピロCEOは、「トランプ大統領による各国への相互関税は、米国民に対する大型増税を意味し、インフレを招き、一般的な国民の雇用が奪われ、米国経済に不況をもたらす可能性がある」と語り、さらに「こうした関税は物価上昇を招き、貿易相手国に報復措置を強いることになる」と指摘している。
このほか、全米住宅建設業者協会のバディ・ヒューズ会長は、一部の建築資材コストが「間違いなく」上昇すると述べた。米国ワイン貿易同盟は、ワインの輸入に対する関税が、他国の関連事業者よりも、米国内の事業者に「はるかに」深刻な打撃を与えると訴えている。

「トランプ関税」 各国の反応は?
■中国
中国政府は、米国による追加関税について「断固反対」との立場を示し、「自国の権利と利益を守るための対抗措置」を取る方針を明らかにした。
また、商務省は今回の関税措置に対し、「国際貿易ルールに逸脱し、関係当事国の正当な権利と利益を著しく損なう」と強く批判している。
■ドイツ
ドイツ自動車工業会(VDA)は、関税政策に対して「敗者しか生まない」と非難した。
さらに、「EUは、必要な力を持って団結し、交渉の意志を示し続けることが求められている」との見解を表明している。
■日本
武藤容治経済産業相は、米国による一方的な関税発動に対して「極めて遺憾であり、(日本の)措置からの除外を引き続き強く求めていく」と述べた。
また、林芳正官房長官は記者会見で、「WTO(世界貿易機関)協定や、日米貿易協定との整合性に深刻な懸念を有している」と指摘した。
■英国
ジョナサン・レイノルズ・ビジネス貿易相は、米国との経済協定の締結を目指し、英国への10%の追加関税について「緩和」を求めていく考えを示した。
同時に、「あらゆる可能性を排除しない」として、「わが国には自由に使えるさまざまな手段がある。ためらわずに行動に出る」とも述べた。
■イタリア
イタリアのジョルジャ・メローニ首相は、EU産品への追加関税を決定した米国を非難し、貿易戦争は西側諸国にとってマイナスになると警告した。
その上で、「貿易戦争を回避するため、米国との合意に向けて全力を尽くす」と表明した。
■カナダ
マーク・カーニー首相は、米国の関税政策が「世界の貿易システムが根本的に変わる」引き金になると警告した。
さらに、「こうした関税にわが国は対抗措置を取る。われわれは自国の労働者を守る」と明言している。
■ブラジル
ブラジル議会は、米国からの輸入品への10%関税に対応するため、「経済相互利益法」を可決。上院での承認を経て、下院でも全会一致で承認された。
なお、2024年におけるブラジルの鉄鋼輸出量はカナダに次ぐ世界第2位で、米国には400万トンを輸出している。
■オーストラリア
アンソニー・アルバニージー首相は、今回の追加関税について「友好国による行為ではない」と述べ、緊密な同盟関係に悪影響を及ぼすとした。
さらに「関税の導入は想定外ではないが、はっきり言って、極めて不当だ」と批判している。
専門家の反応は?

これはあくまでも一方的な関税であり、この記事が「相互関税」というトランプ政権の用語を使っていないのは適切だ。当初、相手国がかけている関税率と同じ税率をかけるという説明があり、それは確かに「相互的」に見えたが、結局でてきたものは、貿易量に占める米国の赤字の比率に基づくものにすぎなかった。モノの貿易は均衡しているべきという発想が根底にあるのだろう。しかし、現代ではサービス貿易の比率も高まっている。
今後メディアは、「トランプ政権が相互関税と主張するもの」のような言い方をする必要があるかもしれない。「相互(的)」という言葉が、この関税を正当化する響きを有することに意識的になる必要があろう。

トランプ大統領は日本はアメリカ製品に実質46%の関税をかけているとして、24%の関税の対象としたが、これらの数字は貿易赤字額等をもとに非常に単純な計算で算出されたとみられ、「完全に狂っている」(ポール・クルーグマン)との強い異論が経済学者から続出している。しかしトランプ政権は、相互関税の数字には「大統領の慈悲と優しさ」が反映されているとして、批判を受け付けていない。
もっとも関税が生活にもたらす影響への懸念は、米国民の間で確実に高まっており、既に関税政策への不支持は過半数だ。上院では、4名の共和党議員が民主党議員と歩調をあわせ、対カナダ関税について、トランプが高関税政策の根拠とする「緊急事態」は存在しないと決議する動きもあった。トランプ政権は庶民の生活苦への関心を見せていないが、中間選挙が近づくにつれそうも言ってもいられない。結局のところ政治を動かすのは民意になりそうだ。
ネットの反応は?

以前アパレル業界で働いていた知り合いに聞いたのですが、国内の加工業者に発注すると海外(東南アジアや中国)で加工した同程度の品質の服の数倍の値段になるそうです。
国内と海外ではそれくらい人件費に差があるということでした。 トランプさんは産業を国内に回帰させようとしているみたいですが、日本よりも人件費の高いアメリカでそれをやると失業率は改善するけど様々なものの値段が上がり、特に中〜低所得層の人達はかなり生活が苦しくなっていくのではと思います。 (そもそもアメリカの失業率は4%前後で推移していて歴史的に低い水準なんですが) トランプ支持者達はアメリカの産業保護を謳う彼の言葉をそのまんま受け入れているみたいですが、その先に何が起こるか自分の頭で考えないんでしょうかね。

アメリカ国内で生産される車以外の輸入車にかかる関税を引き上げても新車購入時にお金を払うのは消費者。国産車ではなく他国の車を買うのは機能性と燃費などが自国の自動車よりも優れているから。
たとえ日本やドイツなどの自動車メーカーが米国内に自動車工場を作り国内生産をしても人件費が高過ぎて車の販売価格は高くなる。 どちらにしても関税による不利をえるのは米国民。
編集後記

選挙の時に熱狂していた人たちって自分達の生活が危なくなるって認識あるのかな?
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