小田急電鉄が新宿駅の改札付近に新設した「動く案内板」が、その未来的なデザインでSNS上で注目を集めています。
『日本のもじ鉄』の著者であり、「東京妄想地図」のプロデューサーでもある石川祐基さん(@denshageek)が3月の終わりにその動画を撮影し、「新宿駅中央西改札の動くサイン、すごい! まるで未来!」とX(旧Twitter)で投稿したことが話題となっています。
動く案内板の動画を見てみると
この動画では、左に京王線、右にJR線へと導く矢印が動的に表示されるほか、地上に上がる階段やバス乗り場を示すピクトグラムも活動的に動いています。
未来的な映画やアニメに見られるような標識のようですね。2011年放送のTVアニメ『輪るピングドラム』にも似たようなピクトグラムで表現されたモブキャラが登場していました。
この動画には1万3000件以上の「いいね」が付くなど、多くの反響がありました。
ワア!『輪るピングドラム』だーー!カワイイ!!
近未来感がある感じ僕は好き
といった肯定的なコメントが多数寄せられた一方で、動く表示が読み取りにくいとの意見もありました。
これ一見かっこいいけどえーと〇〇線は…?と見ているうちに画面が変わってしまってイラつく
アニメーション好きとしてかっこいいとは思うけど、駅の案内は固定で表示されてて欲しい
といった感じで、意見が分かれています。
動く案内板を設置した小田急電鉄のコメントは?
賛否両論がある中で、この「動く案内板」が設置された背景について小田急電鉄・広報部に問い合わせたところ、限られたスペース内で多くの情報を提供する目的で導入されたことが明らかになりました。4月下旬の回答では、以下のように説明されています。
新宿駅西口の再開発に伴い、構内を工事しています。一部でエレベーターがなくなるなど歩行者の動線が変わったため、限られたスペースで分かりやすく表示するためデジタルサイネージの動くサインを2月から導入しました。計3台を設置しています
デジタルサイネージを用いることで情報量を大幅に増やすことが可能となりましたが、通行人にとっての情報の伝わりやすさにはまだ改善の余地があるようです。
ネットの反応は?
駅改良工事中で通路が切り替わる度に今までのような看板だと変更する手間があったけど、この方式ならデータを入れ替えるだけで済みますからね。
ただ、途中で表示が切り替わるのは止めて欲しい。
限られたスペースに色々な情報を表示しなければならないので一定の理解はできるが、他の方も書いてる通り、駅みたいに立ち止まって見てる余裕がない場所では、切り替わりを待ってられないことがある。列車の行先案内なども、最近は英語・中国語・ハングルなどを順番に表示していることがあって、日本語に代わるのを待たないといけなかったりするのは困る。ローマ字表記も、知らない駅名だと読み取るのに苦労するんだよね。
看板や標識を主に扱う広告代理店に勤めています。
看板や案内板の一番の主旨は「一目で見て分かる」ということです。
よって、その設置場所が例えば車道に面していて、主に40km/hで走るドライバーに見せたいのであれば文字の大きさは少なくても20cm以上で文字数は10文字以内でなければ人は視認できません。
また、これが駅構内のようなパブリックな場所での案内板だと、歩行者に対してのアナウンスになるのですが、歩く速度の人だからといって文字の大きさを小さくして文字数を多くしても、結局は「立ち止まって読まないといけない」となり、駅なんかの「急いでいる人ばかり」の場所だと意味がありません。 ましてや見るタイミングによって、書いている内容が変わるような今回のデジタルサイネージは「案内しているようで実際はしていない」ということになります。 動くので目新しいかもしれませんが、実用的な案内板ではなさそうですね。
編集後記
工事中の案内板で通路の情報が切り替わったりする時にデジタルでしたら切り替えが容易にできるのが良いですね。
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