タイ観光地で当たり前? 二重価格制度に見る“価格の境界線”

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タイで一般的な「二重価格」制度

JNNバンコク支局の村橋佑一郎記者
「サワディーカップ!タイの首都バンコク、観光名所『ワットポー』や『王宮』が並ぶエリアに来ています。」

現在タイは暑季の真っ只中で、日中の気温は40℃近くに達することも。それでも多くの観光客が訪れ、活気にあふれています。

2024年のゴールデンウイーク、日本発の航空便の中でも特に人気だったのが、タイやシンガポールなどの東南アジア方面。ここバンコクにも日本人旅行者の姿が多く見られます。

そんな観光客が訪れる名所で、いま「当たり前」となっているのが「二重価格」制度です。外国人観光客たちは、この制度をどのように感じているのでしょうか。

タイ人と外国人で入場料に大きな差?

JNNバンコク支局の村橋佑一郎記者
「タイを代表する観光スポット『王宮』には、今日も多くの観光客が集まっています。」

近代化の象徴ともいえる壮麗な宮殿と、金箔に彩られた美しい仏教寺院。王宮はタイ屈指の人気スポットです。ところが入場料を見てみると…

JNNバンコク支局の村橋佑一郎記者
「こちらの看板には『タイ人無料』とタイ語で書かれていて、隣には『外国人価格 500バーツ』と表示されています。日本円でおよそ2000円になります。」

タイ人と外国人の間で、2000円近い差額が発生しているのです。この「二重価格」に対して、外国人たちは不満を持っているのでしょうか?

外国人観光客の受け止め方は?

インド人観光客
「観光業にとっては収益の一部ですし、今ではこういった仕組みが一般的です。もちろん、もっと安ければ嬉しいですが、許容できる範囲です。」

ドイツ人観光客
「事前に外国人価格が提示されていれば、自分で判断できます。納得したうえで支払うなら問題ありません。」

オランダ人観光客
「私たちがヨーロッパで教会に無料で入れるように、タイの人たちにもその権利はあると思います。」
「二重価格が気に入らないなら海外に行かない方がいい。家にいなさい。」

このように、さまざまな国からの旅行者は、ある程度の理解を示しているようです。タイ国内でも、国立公園や観光地の多くでこの制度が採用されていますが、運用方法は地域や施設によって異なります。

在住外国人には例外も?

たとえば「サファリワールド」という動物園では、タイ人は入園料が800バーツ(約3200円)、外国人は1500バーツ(約6000円)ですが、タイに居住し、労働許可証を持つ外国人であれば、タイ人と同じ価格で入場できます。

見た目や言語で判断されることも

タイの名物三輪タクシー「トゥクトゥク」でも二重価格が見られます。

タイ人スタッフ
「チャイナタウンまでいくらですか?」

運転手
「150バーツだよ」

しかし、日本人記者が同じように尋ねると…

運転手
「300バーツだ」

つまり、タイ人かどうかを容姿や言葉で判断し、料金を変えているケースもあるようです。

日本人観光客の見解は?

日本人観光客
「日本に来て“特別な体験をしたい”という思いで来る人たちは、お金を払うことをいとわないと思います。そのお金が施設の充実や税収につながるのであれば、むしろ良いことだと感じます。何でも平等である必要はなく、払いたい人が払う。それが本質ではないでしょうか。」

現地でも議論は分かれる

JNNバンコク支局の村橋佑一郎記者
「取材した限りでは、多くの観光客は比較的前向きに捉えている印象でした。」

ただし、タイ国内でも反対意見は存在します。ある現地メディアは、「経済成長により中間所得層が増えている今、タイ人からも適正に料金を徴収すべきではないか」といった指摘をしています。

観光税「入国料」導入の動きも

さらにタイ政府は、年内にも外国人観光客に対して1人300バーツ(約1200円)の「観光税(入国料)」を課す方針を発表しました。

これは、人気観光地で深刻化している“オーバーツーリズム”への対策の一環とされていますが、外国人旅行者の反応が注目されます。

記者が語る「二重価格」への実感

Q. タイで生活していて二重価格についてどう感じますか?
「最初は正直“高いな”と思いましたが、今では慣れました。タイ語で“タイ人価格”と記されている場合もあり、読めない外国人は気づかないことも。あえて分かりにくくしているように感じることもあります。」

Q. 集められた料金の使い道は?
「報道によると、施設の維持費やスタッフの人件費、また一部は税収としても納められているようです。ただ、その内訳はあまり公開されておらず、二重価格制度を採用するなら運用の透明性も求められると感じます。」

日本での導入は? 専門家の見解

立教大学観光学部・西川亮 准教授は、日本で同様の制度を導入することには慎重な姿勢を見せています。

「率直に言って、日本が二重価格を採用するのは慎重になるべきです。こうした制度は主に新興国で広く見られるもので、日本のような先進国が導入すると、国際的なイメージに影響を与える可能性もあります。」

また、日本で行われている「県民割」や「市民割」と異なり、国籍を基準とした価格差は「差別」と捉えられかねないと警鐘を鳴らしています。

「日本国憲法では平等が保障されており、公共サービスや宿泊料金を不当な理由で差別することは、法律上問題視される可能性があります。導入にあたっては、慎重な議論が必要でしょう。」

専門家の反応は?

住民と観光客の間で公的インフラや公共施設の利用料に差をつけることは、必ずしも発展途上国や後進国だけとは断言できません。日本国内でも住宅と別荘とで上下水道の利用料金に差をつけている自治体もあります。また、自国民と他国民とで利用料金に差があるのは、欧米の先進諸国でも見られることです。  

住民たちが税金を負担しているため、公的機関の利用料金は、安く抑えられています。しかし、外国人観光客の急増によって、日本でも住民たちの負担割合に不満が高まってきていることは事実です。  

タイでは、二重価格は長年、定着している一方、制度的に不備があるのは、この記事の通りです。しかし、それをもってして、日本での二重価格の導入を否定する理由にはならないと思います。  

公的機関と民間企業とでは異なりますが、受益者負担の考えから、どういった二重価格導入が可能なのか、日本でも検討するべき時期に来ていると思います。

タイでの観光地の二重格差は、観光地のオーバーツーリズム対策ではない。この二重価格制度は、長年にわたり定着しており、タイ社会に根づいた「市民優遇」の一形態である。これは、低所得層を含む国民の文化財・観光資源へのアクセスを保障する政策的配慮として理解できる面がある。背景には、「所得の高い者」は「低い者」に施しを行うという仏教的な考えもあり、所得の高い外国人観光客により多く支払いを求めているのである。しかし近年では、タイで富裕層も増えてきており、外国人=富裕層と厳密に区別は出来なくなっている。  

これらの制度は観光分野だけの話ではない。例えばコロナ時の観光促進策の一環として行った政府による旅行支援についても、対象はあくまでタイ人で、外国人は対象外。  

先進国である日本での導入にあたっては、観光税のような明示的かつ公平な制度設計が望ましく、「国籍差」による価格差別と誤解されない配慮が必要である。

ネットの反応は?

オランダ人観光客

「ヨーロッパで私たちが無料で教会に行けるように、タイの人たちにもその権利はあると思います」 「二重価格に不満があるなら海外に行かない方がいい。家にいなさい」 日本人の専門家 

慎重になったほうがいい

観光客のほうがまともなこと言ってる

コメンテーターや専門家いらね

早急に二重価格導入してもらいたい

私自身外国人ですが、日本の観光地で2重価格を導入するのは賛成です。正直値上がりしない方が私にとっては良いのですが、日本に限らずそれではその国の方々にフェアではないように思います。日本の観光地及び設備は各行政からの支援金そして税金で補助を受けていることが多いと思います。つまり日本人もしくは日本で在住している方は税金を払ってその税金が各観光設備の維持・保守にも使われています。しかし外国からの観光客はそれらの税金を納めていないのでその分を2重価格で徴収しても良いと思います。できれば日本在住と日本人は一つの価格で海外からの観光客はもう一つの価格にしても良いと思います。実際外国人観光客が増えてから、その設備の保守・係員・警備等の負担が増しています。さらに恥ずかしいですがマナーの悪い外国人に対しての対応もしなくてはならないのも事実です。

既にオーバーツーリズムで日本人が多大な迷惑を被っているのだから何かしらの抑止と整備に使うお金も必要。それを差別とか何を言っているんだか。それに発展途上国ならまだしもとか言っていますがその発展途上国からもたくさん観光客は来ています。最早そんなに差は無いということです。差別と言って全て相手が悪いと決めつけ何でもかんでも差別で片付ける人達って何とかならないのでしょうか。

編集後記

おき編集長
おき編集長

二重価格を当たり前にしておけば、インバウン丼なんて生まれないんでしょうから、いいと思いますけどね。

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