国内AI開発の競争が加熱しており、特に日本語処理に優れたAIに注目が集まっている。NECが7月に商用サービスを立ち上げたことをきっかけに、NTTとソフトバンクも2024年に稼働開始を目指している。さらに、アメリカの大手IT企業も日本市場でのプレゼンスを強化しており、迅速に成長している市場でのシェア争いが今後一層激化する見込みだ。
NECの新LLMサービス開始、NTT「tsuzumi」発表、ソフトバンクは巨大AI開発へ
NECは、日本語に特化した大規模言語モデル(LLM)を商業ベースで先駆けて導入し、7月から特定のサービスを展開し始めました。このLLMは、ChatGPT(GPT-3)の1750億パラメーターに比べて130億パラメーターで運用されており、今後3年で約500億円の収益を目指しています。
一方、NTTは今月の初めに独自のLLM「tsuzumi」を公開しました。消費電力と運用コストを低減するために、6億パラメーターの超軽量版と70億パラメーターの軽量版が提供されます。これらは来年の3月から企業向けに提供される予定で、テキストだけでなく画像や音声を含むマルチモーダルな生成に対応するための準備も進行中です。NTTは2027年には年間売上げとして1000億円を目標としています。
NECとNTTがコストを抑えた軽量版LLMを開発している一方で、ソフトバンクは国内で最大級のLLM開発を目指しています。ChatGPTの2倍のパラメーター数、すなわち3500億パラメーターを持つ国産の生成AIを開発するための計算基盤の稼働を開始し、2024年までに大学や研究機関、企業向けに提供する計画です。
米IT大手の動きに対抗、日本企業が生成AI開発に注力
日本の企業が大規模言語モデル(LLM)の開発に力を入れているのは、アメリカのIT大手の動向に影響されています。アメリカのマイクロソフトは、この月の初めに対話型AI「365Copilot」の正式なサービス提供を開始し、同時に日本のパートナー企業が生成AIを商業利用するための支援プログラムを発表しました。
また、アマゾンの子会社であるAWSジャパンは、4月に開始した生成AIサービス「Bedrock」を10月3日から広く一般に向けて提供開始します。これにより、企業が自社のサービスに特化した生成AIを構築できるよう支援し、市場シェアの拡大を狙っています。
編集後記
AI分野に関して国産ものを期待したいですね。
日本語の微妙なニュアンスをくみ取ってくれるようなものになれば更に使いやすいものになるはずなので。
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