インターネット上で、個人の意見として偽装しながら特定の商品を推進する「ステルスマーケティング(ステマ)」に対して、日本でも10/1から対策が取られています。直接的な規制が存在しない中、消費者庁はこれを景品表示法の下での不当な表示として指摘しています。この動きは、日本における「ステマ」の問題を克服するための一歩となりますが、その効果を確実にするための課題がまだ存在しています。
グレーなケース
客に口コミを依頼し、SNSに投稿してもらうのはステマに当たるのか
パートナー企業の商品を『おすすめ』と投稿した場合はどうか
9月6日、SNSマーケティングの企業「Smart Share」(東京)が主催したオンラインセミナーにおいて、菓子、衣料、電機メーカーなどの約50社の代表者が多くの質問を寄せた。
スマートシェアの取締役、金谷徹氏は、
消費者から見て、企業広告であることが明瞭になっていれば問題ない。迷ったら『広告』『PR』と表示すべきだ
と助言し、セミナー後、
これほど反響があるとは思わなかった。参加した企業は自分たちの解釈が正しいか確かめに来ていた印象だ
と述べた。
この規制の背後には、SNS上での多数のフォロワーを持つインフルエンサーを活用した広告が増加しているという背景がある。多くのインフルエンサーは一般の人々であり、口コミによって商品情報が伝えられるため、広告の効果は高いと言われている。
「サイバー・バズ」(東京)および「デジタルインファクト」(東京)の調査によれば、2023年のインフルエンサー広告の市場は7410億円と予測され、2027年には1兆3020億円に達すると見られている。
新しい規制の下で、広告主が法律違反を確認された場合、消費者庁は再発を防ぐための命令を出し、企業の名前も公にされる。命令に従わない場合、最大2年の懲役や300万円の罰金が科される可能性がある。
多くの企業は対応策を急いでいる。東京の高級ホテルの代表者は、「過去には不明確なケースもあった」と明かし、規制が施行される前の投稿も行政処分の対象となるため、「関与するインフルエンサーに広告の表示を徹底するよう依頼した」と述べた。
数年前、都内の化粧品会社で従業員によるステマの疑いが持ち上がった際、同社は社員の研修を強化しました。「投稿に違反内容がないか確認する仕組みを導入した」と述べている。
判断迷う
現在の規制では、インフルエンサーに対して罰則は課されていない。しかし、過去の投稿を含む広告の表示を徹底的に求める企業からの要求が増え、混乱が生じている。
X(以前のツイッター)では、
ステマ規制がよくわからない。企業から何ももらってなければPR表記は不要?
広告とはっきりしない投稿は削除した
といった投稿が見られる。
ペットの動画で知名度を持つユーチューバー、大賀智章さん(41歳)と文香さん(39歳)の夫婦は、これまでの広告関連の「プロジェクト」すべてで、それが広告であることを明示してきた。
しかしながら、彼らが心から良いと感じた商品を紹介した後、その企業から「感謝の意味で」商品が届いたこともある。このようなケースもステマと見なされるのか、夫婦は疑問を持っている。
消費者庁の基準によれば、インフルエンサーの「自発的な投稿」はステマとは見なされず、大賀さんと文香さんのケースは問題ないとされている。しかし、「自発的な投稿」にはさまざまなシチュエーションが存在し、明確な線を引くのは難しいというのが現状である。
ITジャーナリストの三上洋さんは、
一定の抑止効果はあるが抜け道は多い。ステマとみられるすべての投稿を消費者庁がチェックするのは不可能だ
との見解を示している。
また、消費者庁の専門家会議の委員として活動した立命館大学の菊盛真衣准教授は、実施後の状況に応じて、罰則の適用範囲を拡大する議論が出てくる可能性があると述べている。
専門家の反応は?
これまでもPRを付ける様にとされていましたが、守られていない広告もありました。今後もその状況は続き、消費者自身が自分で目利きや判断をして、商品を選ぶ必要があります。
消費者庁の運用基準では、お金や商品を貰わずに自主的な投稿するのであればステマには当たらない。ただ、これまでの企業との関係性などで(PR案件を継続して貰っていた)などグレーだと判断される場合もあります。
UPする側は迷ったらPRと付けるのが、安心かと思います。消費者もPRかもしれないと思いつつ、気に入った商品を購入すれば良いと思います。
ネットの反応は?
一時期ショート動画で、プラスチック製のすのこみたいになってるご飯の解凍容器をインフルエンサーがこぞってオススメしていて違和感があったんだけど、企業が「よかったら使ってみてください」と送ってそれを動画にしてるみたい。 名前は忘れたけどほにゃららマーケティングというらしい。
あまりにもこぞって紹介されてるから怪しさしか残らなかった笑
この記事に出てくるYouTuberみたいに「案件頂きました」とか、画面上に「プロモーションを含みます」って書いてるほうが私は信用できる。
インフルエンサーへの広告案件はかなりの数がある訳ですが、今のままだと個人インフルエンサーの自発なのか案件なのかの証明が付かない状況ですね
案件とハッキリ表記している場合、良いことしか言わないだろ、強調してくるだろみたいに変なフィルターが視聴者に掛かりやすいと思うのであまり表記はしたくない企業やサービスもあると思います
そんな企業が個人インフルエンサーにさも自発的にお願いしますと案件を出しておいて表記をしなかった場合の摘発は難しいでしょうね かと言え何でも疑うと今度は自発的投稿が出来なくなると言うジレンマも発生します
結局、見る側が過度に信用せず、常にファクトチェックを怠らない事が肝要なのでしょう
編集後記
まだ抜け道はありそうなので、消費者側が情報を鵜呑みにせずに日々流れてくる情報を処理していくことが肝要ですね。
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