経営とITをつなぐ「戦略」がある
デジタル化が進むなかで、企業の経営戦略とITシステムは切っても切れない関係にあります。
その橋渡し役となるのが「システム戦略」です。この記事では、ITパスポート試験に出る代表的なキーワードをやさしく紹介します。
エンタープライズサーチとは?
社内にある「膨大な情報(ファイル、メール、データベースなど)」を横断的に検索できる仕組みです。
▶ 社員が必要な情報をすばやく見つけられるようになります。
IT版「社内用Google」ともいえる機能です。
EA(エンタープライズ・アーキテクチャ)
企業のビジネスとITを全体的に整理して可視化する考え方です。
現状と理想を比べて、どこを改善すればよいかを明確にします。
EAの構成要素
アーキテクチャの種類 | 内容 |
---|---|
ビジネス・アーキテクチャ | 業務の流れや組織構造など |
データ・アーキテクチャ | 使っているデータやその構造 |
アプリケーション・アーキテクチャ | 利用しているアプリの構成 |
テクノロジー・アーキテクチャ | インフラ・ハードウェアなど |
ギャップ分析 | 「現状」と「あるべき姿」の差を分析する手法 |

SoR(Systems of Record)
記録を残すためのシステムです。
▶ 例:会計システム、勤怠管理システム、顧客台帳など
信頼性や正確性が大切です。
SoE(Systems of Engagement)
ユーザーとつながるためのシステムです。
▶ 例:SNSアプリ、ECサイト、スマホアプリなど
UX(ユーザエクスペリエンス)=使いやすさや満足度が重視されます。
まとめ:キーワードの「役割」をつかもう!
用語 | ポイント |
---|---|
EA | 経営とITの全体像を可視化 |
SoR | 正確に記録するシステム |
SoE | ユーザーとつながるシステム |
UX | 利用者にとっての使いやすさ・心地よさ |
FAQ(よくある質問)
- QEAってどんなときに使うの?
- A
システムを大きく作り変えるときや、全体の最適化を考えるときに使います。
- QSoRとSoEはどう使い分けるの?
- A
SoRは「社内向けの管理」、SoEは「ユーザーとの接点を重視」するときに使います。
✅ 練習問題①
エンタープライズ・アーキテクチャ(EA)に関する説明として最も適切なものはどれか?
A. 業務システムのマニュアルを統一して管理するための仕組み
B. 社内ネットワーク上のウイルス感染を防ぐための仕組み
C. 経営とITを連携させるために、業務・データ・アプリ・技術を体系的に整理したもの
D. 顧客と企業のやりとりを自動化するためのチャットボット設計手法
正解:
C
EAは、ビジネスとITの整合性を保ちながら、全体最適化を図るための設計手法です。
✅ 練習問題②
SoR(Systems of Record)に該当するものはどれか?
A. SNSで顧客とコミュニケーションをとるシステム
B. オンラインショッピングで使われるレコメンド機能
C. 社員の出退勤情報を記録する勤怠管理システム
D. 商品の購入レビューを表示する仕組み
正解:
C
SoRは「記録・管理」が目的。勤怠・会計・在庫など、正確性が求められる基幹系システムが該当します。
✅ 練習問題③
UX(ユーザエクスペリエンス)を考慮する必要が高いのはどれか?
A. 売上データの分析を行う業務システム
B. 顧客が操作するスマートフォンアプリ
C. 社内サーバーのバックアップ管理ツール
D. 財務会計処理を行うソフトウェア
正解:
B
UX(ユーザエクスペリエンス)は「ユーザーが使って心地よいかどうか」がポイント。顧客が操作するアプリやWebサービスで特に重視されます。
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