わたしたちの情報が“ビジネスの資源”に?
スマートフォンやSNSを使っていると、知らないうちに自分の「行動」や「好み」の情報が記録されています。これらの情報は、企業にとってとても価値のある資源となり、「データビジネス」として注目されています。
この記事では、データビジネスの動向や、その中で出てくるキーワードについて、ゆるっと解説します。
パーソナルデータの利活用って?
パーソナルデータとは、「個人に関する情報」のこと。たとえば、名前や住所だけでなく、次のような情報も含まれます。
◆ライフログ
日々の行動記録(例:スマホの歩数記録、位置情報、睡眠データなど)
◆匿名化と仮名化
- 匿名化:誰の情報か分からないように加工すること
- 仮名化:個人を特定できる情報を他の記号などに置き換えること(必要に応じて元に戻せる)
◆PDS(パーソナルデータストア)
個人が自分のデータを管理し、必要に応じて企業などに提供できる仕組み。
◆情報銀行
「信用できる第三者」が、本人の同意のもとでデータを企業などに仲介する仕組み。
データ活用には課題もある(ELSI)
データの利活用が進む一方で、論理的・法的・社会的な課題(ELSI)もあります。
◆ELSIとは?
- Ethical(倫理的)
- Legal(法的)
- Social(社会的)
- Issues(課題)
たとえば…
◆GDPR(EU一般データ保護規則)
EUで定められた「個人データの保護」に関する厳しいルール。企業が勝手に個人情報を使うことを防ぎます。
便利さとリスクのバランスが大事
データビジネスはこれからますます重要になりますが、個人のプライバシーを守る仕組みも欠かせません。ITパスポートでは、このような「現代のデータ社会で知っておくべき常識」も出題されることがあります。
よくある質問(FAQ)
- Q情報銀行とPDSってどう違うの?
- A
PDSは「自分でデータを管理」するのに対し、情報銀行は「代理人が管理・提供」してくれます。
- QELSIって何の略?
- A
倫理・法律・社会的な課題の頭文字をとったもので、データ活用に伴う注意点をまとめた考え方です。
練習問題①
情報銀行に関する説明として、最も適切なものはどれか?
A. 利用者が自分でデータを保存・管理するサービスのことで、他者は一切関与しない
B. 個人のデータを企業が自由に収集・利用できるようにするための制度
C. 信頼できる第三者が、本人の同意のもとでデータを仲介・提供する仕組み
D. パソコン内のファイルを自動的に銀行のサーバーに保存するサービス
正解:C
情報銀行は、個人のパーソナルデータを「信用ある第三者」が管理・提供するしくみです。本人の同意が前提となっている点が特徴です。
練習問題②
次のうち、GDPRの目的にもっとも近いものはどれか?
A. 個人のデータを企業により多く渡すことで、サービスの質を高めるための仕組み
B. EU加盟国間での商品の輸出入をスムーズにするための法律
C. インターネット上での著作権を強化するための国際ルール
D. 個人データの取り扱いを厳格に管理し、プライバシーを守るための規制
正解:D
GDPR(一般データ保護規則)は、EU域内における個人データの保護とプライバシーの尊重を目的とした法律です。
教えて!情報銀行ってなぁに?

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