突然の自然災害や事故、サイバー攻撃…。
こうしたリスクに備えて「どう事業を続けるか」「どうすばやく判断・行動するか」は企業にとって重要な課題です。
今回はITパスポートでも出題される「経営管理」分野から、
BCP(事業継続計画)・BCM(事業継続管理)・OODAループについて、ゆるっと解説していきます!
1. BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)
災害や事故が起こっても、企業の中核事業を継続できるようにしておくための計画。
たとえば「サーバーがダウンしたら、どこにバックアップがあるか?」「代替オフィスはあるか?」といった備えをあらかじめ文書化しておくものです。
2. BCM(Business Continuity Management:事業継続管理)
BCPを作って終わりではなく、定期的に見直したり、訓練したり、組織全体で“運用”していく取り組みです。
BCMの中では、まず「リスクアセスメント(リスクの特定と影響の分析)」を行い、どんな事態に備えるべきかを判断します。
BCMの例:
- リスクの洗い出し(地震、火災、サイバー攻撃など)
- 優先事業の特定(たとえば「注文受付」だけは止めない など)
- 復旧時間目標(RTO)の設定
- 年に1回のBCP訓練
3. OODAループ(ウーダ・ループ)
変化の激しい状況下で素早く意思決定・行動するためのフレームワーク。
アメリカ空軍のジョン・ボイド氏が提唱した理論で、次の4つのプロセスをぐるぐる回していくのが特徴です。
ステップ | 内容 |
---|---|
Observe(観察) | 周囲の状況を把握する |
Orient(状況判断) | 自分の立場や状況を理解する |
Decide(意思決定) | どう行動するか決める |
Act(実行) | 実際に行動する |
企業の意思決定にも使われ、PDCAよりもスピーディーに判断・行動するスタイルとして注目されています。

よくある質問(FAQ)
- QBCPとBCMの違いは?
- A
BCPは「計画書」、BCMは「その運用・管理全体」のこと。作って終わりじゃなく、継続的に活かすのがBCMです。
- QPDCAとOODAの違いは?
- A
PDCAは計画重視でじっくり改善、OODAはスピード重視で状況に応じて柔軟に判断・行動します。
- QBCPは中小企業にも必要?
- A
はい、災害・サイバー攻撃・システム障害などは中小企業でも起こりうるため、備えが重要です。
練習問題(3問)
【Q1. 災害時に業務を継続・早期復旧するための事前計画はどれ?】
A. OODA
B. PDCA
C. BCP
D. MBO
正解:
C
→ BCP(事業継続計画)は、緊急時に業務を継続するための計画です。
【Q2. BCPを組織的に運用・改善するための活動を何という?】
A. BCP
B. BCM
C. CRM
D. CDP
正解:
B
→ BCMはBCPを含む運用全体のマネジメント活動です。
【Q3. OODAループに含まれないものはどれ?】
A. 観察
B. 計画
C. 意思決定
D. 実行
正解:
B
→ OODAは観察・状況判断・意思決定・実行の4ステップで、PDCAのような「計画」は含みません。
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