ものづくりの現場では、製品を設計・製造するために多くの技術とシステムが使われています。それを支えるのが「エンジニアリングシステム」です。
本記事では、CADから生産方式、資材管理の仕組みまで、エンジニアリングに欠かせないキーワードを一緒に見ていきましょう。
CAD（Computer Aided Design）
CADとは、パソコン上で製品の設計図を作成できるツールです。
かつては紙に手書きしていた設計図を、CADソフトで効率的に正確に作成できるようになりました。
コンカレントエンジニアリング
コンカレントエンジニアリングとは、「設計」や「製造」、「品質管理」などを同時進行で進める方法です。
これにより、全体の開発期間を短縮し、製品の品質向上にもつながります。
生産方式の種類
ライン生産方式
作業を分担し、ベルトコンベアのように流れ作業で進める方式。大量生産に向いています。
セル生産方式
1人または少人数で複数の工程を担当する方式。小ロット生産や多品種に対応しやすいです。
JIT（Just In Time）
「必要なものを、必要なときに、必要な量だけ」つくる方式で、在庫を最小限に抑えます。
かんばん方式
部品の補充をカード（かんばん）で指示する仕組みで、JITの一部として用いられます。
リーン生産方式
ムダを徹底的に省いて、効率的な生産を目指す考え方です。トヨタ生産方式としても有名。
FMS（Flexible Manufacturing System）
柔軟に生産内容を変更できる自動化されたシステム。多品種少量生産に向いています。
MRP（資材所要量計画）
MRPは、製品の製造に必要な材料を、どのタイミングでどれくらい準備すればよいかを計画する仕組みです。
無駄な在庫を減らし、生産に必要なものを適切なタイミングで用意できます。
よくある質問（FAQ）
- QCADとCAMの違いはなんですか？
- A
CADは「設計支援」、CAMは「製造支援」を目的としています。設計図を描くのがCAD、その図を使って機械に指示を出すのがCAMです。
- Qコンカレントエンジニアリングのメリットは？
- A
開発期間の短縮、コミュニケーションの活性化、品質向上が挙げられます。
- Qライン生産方式とセル生産方式はどう使い分けるの？
- A
大量生産ならライン、小ロットや多品種ならセルが向いています。
練習問題
Q1. 製造に必要な材料を計画的に準備する手法はどれ？
A. CAD
B. JIT
C. MRP
D. SCM
正解：
C
→ MRPは資材所要量計画のことで、生産に必要な材料を管理・調整する仕組みです。
Q2. 多品種少量生産に最も適している生産方式は？
A. ライン生産方式
B. FMS
C. JIT
D. セル生産方式
正解：
B
→ FMS（フレキシブル生産システム）は柔軟に生産内容を変えられる自動化システムです。
Q3. コンカレントエンジニアリングとはどんな手法？
A. 後戻りをしない開発手法
B. 設計と製造を分けて行う方法
C. 複数工程を同時並行で進める手法
D. 顧客の意見を反映する手法
正解：
C
→ コンカレントエンジニアリングは、複数の開発工程を並行して進めることで効率を高めます。
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