ブータン王国の王立政府投資部門「Druk Holding and Investments(DHI)」は、2019年からビットコイン(BTC)のマイニング事業を行っていることが、現地メディア「The Bhutanese」の報道によって4月29日に明らかになりました。
ブータン王国は、ビットコインの価格が1枚当たり約5000ドルの頃からマイニング事業を開始しているとのことです。
DHIは、ブータン国内で電力や鉄道、金融などのさまざまな分野で事業を展開していますが、ビットコインのマイニング事業は、DHIが仮想通貨分野に進出した初めての試みとなっています。
マイニングとは?
「マイニング」とは、ブロックチェーン技術を用いた暗号通貨(仮想通貨)を生成するプロセスのことです。具体的には、暗号通貨の送金記録をブロックと呼ばれるデータの塊にまとめ、それを検証する作業を行い、検証が完了したブロックに対して新しい暗号通貨を報酬として得ることができます。
この作業は、膨大な計算処理能力が必要であり、専用のマイニングマシンを用いて行われます。マイニングの報酬は、暗号通貨の価格や取引量などに影響されるため、投資家や企業からの注目を集めています。
ただし、マイニングには大量の電力が必要であるため、エネルギー消費や環境問題が指摘されることがあります。
2022年10月にEUの行政執行機関ECが発表したエネルギーの効率化に向けた行動計画によるとマイニングによる電力消費が世界の電力消費量の0.4%に達していると発表されました。発電には一般には炭素系燃料が使用されており、ブロックチェーンが炭素系燃料の使用量を増やし環境に悪い影響を与えるという意見もあります。
ブータン王国のマイニングによる電力使用は?
報道によれば、ブータン王国がビットコインのマイニングに適した環境を有していると言われています。
というのもブータン王国は、ほとんどの電力を水力発電によってまかなっており、グリーンエネルギーが豊富に存在し、また、国土がヒマラヤ山脈に位置しているため、涼しい気候を利用したマイニング機器の冷却に必要な電力も少なくて済むという。これらの理由から、ブータンは暗号資産のマイニングに適した国であると言われています。
ブータン王国は今後、暗号資産への投資で知られる国となる
ブータンはマイニングによって得たビットコインを売却しているものの、2024年の半減期後に予想されている価格上昇を見込んで一部を保管しているとのことです。
また、レンディングを提供するブロックファイ(BlockFi)と、セルシウスの破産申請書類によれば、同国は暗号資産にも積極的に投資しており、数十億円規模の投資を行っていたことが明らかになっています。
ニュース用語説明
ブロックチェーンとは
ブロックチェーンは、情報を安全に管理するための技術の一種で、データをブロックと呼ばれる単位で分割し、それらを連鎖的に繋いでいくことで、改ざんが困難な分散型の台帳を構築する仕組みです。
つまり、複数のノード(端末)によって共有された台帳に情報が書き込まれ、その情報は暗号化されてブロックとして追加されていきます。そのため、一度書き込まれた情報を後から改ざんすることは非常に困難であり、信頼性の高い情報管理が可能になります。
例えば、ビットコインの場合、取引情報がブロックチェーンに記録され、改ざんや不正取引を防止することができます。また、医療や金融、投票などの分野でも、改ざんのない信頼性の高い情報管理が必要とされる場面で、ブロックチェーン技術が注目されています。
レンディングとは
レンディング(lending)は、貸し付けという意味です。一般的には、銀行や金融機関がお金を貸し付けることを指します。
暗号資産の世界でもレンディングが行われており、暗号資産を持つ人が、暗号資産を貸し出し、その対価として利息を受け取ることができます。一方、暗号資産を借りる人は、その代わりに担保を提供します。レンディングは、暗号資産の保有者にとっては、暗号資産を保有したまま利益を上げることができるというメリットがあります。
また、暗号資産を借りる人にとっても、急な資金調達が必要な場合にはレンディングが有効な手段となる場合があります。
ネットの反応は?
なんか、のほほんと昔ながらの生活をしてる国と言うイメージがあったけど、こんなITでハイテクな事をしてるとは驚いた。
編集後記
勝手なイメージですが、「ビットコイン」と「ブータン王国」って最もかけ離れているような気がしてるんですが、2019年からマイニングしているなんて先見の明があるんですかね~
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