日本プロ野球選手会は9日、NPBが2月1日より導入した「写真・動画等の撮影及び配信・送信規程」について見解を示した。「ファントモ会員をはじめとする多くの野球ファンの皆様の声を受け止め、改めてNPBに対し、本規程の緩和・見直しを求める立場を表明いたします」と発表している。
選手会は同日、自身のホームページ上で「写真・動画等の撮影および配信・送信規程についての当会の見解」という記事を公開。インプレー中のプレーシーンを撮影した写真や動画のSNSへの投稿を禁じたNPBの新ルールに対し、規程の緩和や見直しを求める姿勢を明らかにした。
声明では「当会は、プロ野球がファンの皆様の熱意によって支えられ、発展してきたと信じています。SNSなどを通じて感動の瞬間が共有されることは、ファンの皆様にとっての楽しみであると同時に、プロ野球の魅力を広く伝える力となっています。実際に、そこから新たなファンが生まれていることを、選手も日々感じ、感謝しています」と、SNS投稿に対する考えを示している。

「こうした背景のもと、当会はすでに2024年9月および2025年3月に、NPBに対して本規程が他競技と比較しても過剰な制限ではないかという意見を繰り返し伝え、見直しを要望してきました。今後も本規程の緩和・見直しを目指し、NPBとの協議を継続していく所存です」としている。
さらに、「北海道日本ハムファイターズが、ファンの声を受けて『主催者が承認した場合』という本規程の文言に則り、従来通りの運用を継続していた判断は、法的にも自然な解釈であり、ファン視点に立った柔軟な対応だったと考えています」と述べ、日本ハムがNPBから改善勧告を受けた件に言及。
「それにもかかわらず、同球団が方針の変更を強いられたことは非常に残念です。本規程の曖昧な表現が原因で球団が混乱し、このような事態を招いた責任は、NPB側のガバナンスに問題があるのではないでしょうか」と指摘している。
続けて、「本規程では、『ボールインプレイ』中に撮影された選手の写真や動画を、試合中だけでなく試合後も投稿できないなど、極めて厳格な制限が課されています。このことにより、ファンの楽しみが損なわれ、プロ野球の魅力発信や新たなファン獲得にマイナスの影響を与えるのではないかと懸念しています。実際、SNS上では署名活動などを通じて多くのファンが声を上げており、当会はその思いに深く共感しています」と述べた。
また、放映権など主催者が持つ権利を守る意義については理解を示したうえで、「厳格な規制によってファンの皆様の楽しみを制限するのではなく、むしろファンの皆様の発信力を活かせるような、より柔軟なルールのあり方を検討すべきではないでしょうか」と提言。
最後に、「当会は、ファンの皆様が球場で感じた感動を表現し、共有できることで、プロ野球がさらに盛り上がることを心から願っています。改めまして、NPBにはファンと選手の双方の声に真摯に耳を傾けていただき、本規程の緩和・見直しに向けた前向きな議論を強く求めます。プロ野球は、球団関係者だけでなく、ファンと選手がともに築いていくものです」と主張し、結びとしている。
専門家の反応は?

プロ野球のSNS投稿禁止規定は、元々は悪質な投稿を取り締まることが主目的なので、杓子定規に適応するつもりはないと聞いていましたが、残念ながらルールを作ったからには全員文言通り守るのが当然という、典型的な日本的な運用になってしまっているようです。
特に、日本ハムのように善意のファンの投稿は許容しようとしていたところにわざわざ改善勧告を出した経緯を見る限り、悪質な投稿の取り締まりは建前で、この機会に全ての投稿を厳しく禁止する方向にしたかったというNPB側の本音が見え隠れします。
大谷選手の来日試合で大勢のファンが感動の瞬間をSNSでシェアしていたことを考えると、違和感を感じる人は少なくないと思いますし。 こうやって選手会が問題提起をするぐらい、ある意味NPB側の独断で強引に進められているのをみると、このまま放置するとプロ野球のファン離れにつながってしまいそうです。
ネットの反応は?

推しチームの本拠地から遠く離れた地域に住んでいるので、試合を球場で見る機会も少ない。
そんな自分にとっては、他のファンの方の写真や動画はありがたい。 虎テレ見てても、なかなか阪神ベンチの様子なんか映らないし。 選手を不快にする投稿は見たくないけど、選手自身が許してくれる範囲で見られるなら嬉しいなと思う。

プロ競技においてSNSを利用した露出を阻害するのは今の時代のファン層の拡大においては悪手 一方でプロ野球の映像を使ってSNSで利益を上げるようなフリーライドを取り締まるというのは納得できるところ
今の時代はスポーツに限らず多くの分野で権利と普及の間でバランスを考えて規約を作っているもので、例えばJリーグはガイドラインを作ってそれを守っている限りは動画の共有をOKとしている
プロ野球の今回の対応は権利の方に傾き過ぎて普及は二の次にするもので、最近の世の中の流れから取り残されている印象はある
IT企業がオーナー会社に複数名前を並べているのになんでこうなったのかなというのは疑問が残る
編集後記

野球開幕したのにXに写真付きの野球の投稿がおすすめに出てこないのってこういう事なのね。
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