「高校の授業料無償化」は実現する?

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「年収103万円の壁」引き上げに関して国民民主党と調整を進める一方で、「高校の授業料無償化」をめぐり、自民党と公明党は日本維新の会との協議を連日重ねている。維新の共同代表である前原誠司氏にとっては、実現を目指す絶好の機会とも言える状況であり、自民党に対して容易に譲歩する姿勢は見せていない。

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国会は「三角関係」

現在の国会は、まさに「三角関係」の様相を呈している。

新年度予算を3月2日までに衆議院で審議・成立させたい少数与党の自民・公明は、国民民主党や日本維新の会と協議を重ね、「予算に賛成を得られる落としどころ」を模索している。

これは両者を天秤にかけているというよりも、「二兎を追っている」状況に近い。

そうした中、国会の議論の中心となっている「高校の授業料無償化」について、強い思いを持って実現を目指す政治家がいる。それが、日本維新の会の共同代表を務める前原誠司氏だ。前原氏は、「教育無償化こそが日本社会の再生の鍵になる」との考えを一貫して主張し、2023年には「教育無償化を実現する会」を立ち上げるなど、実現に向けた取り組みを続けている。

維新の主張高校の授業料無料化を「今年4月から」「私立も」

現在の国の就学支援金制度では、

  • 公立高校の授業料については、年収910万円未満の世帯に約11万円を支援
  • 私立高校の授業料については、年収590万円未満の世帯に約39万円を支援

と、一定の助成が行われている。

これに対し、前原氏をはじめとする維新が求めているのは、今年4月からの「所得制限の撤廃」と「私立高校の助成額の拡充」だ。

自民・公明・維新の3党は、それぞれの実務者が連日協議を重ねているが、この場で維新側の交渉を担っているのが、前原氏の“懐刀”とも称される斎藤アレックス議員である。

一方、自民党側の実務者として協議に臨んでいるのは、柴山昌彦元文科大臣という歴戦の強者だ。しかし、「教育無償化を実現する会」の立ち上げ時から前原氏とともに政治の世界を歩んできた斎藤議員も、簡単には譲歩する姿勢を見せていない。

1月31日に行われた、教育現場の関係者や知事会の会長らを招いたヒアリングの場で、象徴的な場面があった。

自民・公明は、教育現場からの反対意見が出ることを見越し、交渉を有利に進める狙いもあってこのヒアリングを設定。しかし、実際には「今年4月からの無償化は現場に混乱を招く」との意見が相次いだ。

終了後の報道陣への質疑で、自民の柴山氏は「残念ながら」と前置きした上で、「(出席者からの)実現に向けた対案は示されなかった」と発言。

すると、その後ろに並んでいた維新の斎藤氏が即座に反応し、「4月からの無償化を実施するのであれば、国がしっかりサポートしてほしいという声がありましたよ」と割って入った。

通常、各党の実務者が並んで報道陣の質問に応じる際には、一定の発言のすり合わせが行われるものだが、この場面からも双方の緊迫した駆け引きがうかがえる。

自民関係者「決裂はしないけれども…」交渉の行方は

2月5日、メディア非公開の形で、与党と日本維新の会による初の実務者協議が行われた。その場で、自民・公明側から維新に対し、次のような提案が示された。

<自民・公明から維新への提案>

  • 今年4月から所得制限を撤廃し、公立・私立ともに約11万円を支援
    → 公立高校は実質無償化
    ※ 私立高校の無償化については2026年度からの実施を検討

所得制限の撤廃を明記し、直ちにではないものの私立高校の無償化についても言及した内容だった。しかし、協議後の自民党関係者からは「維新の反応はいまひとつだった」という声が聞かれた。

こうした実務者協議でも議論が平行線をたどる中、自民党の政策責任者である小野寺政調会長と維新の前原氏が水面下で会談を行った。

予算成立に向けた期限が迫る中、「実務者レベルの協議では間に合わないのではないか」という懸念があったのだろう。松下政経塾の先輩・後輩という関係にある小野寺氏と前原氏だが、どこまで譲歩すれば維新が予算に賛成できるのか、小野寺氏は探ろうとした可能性が高い。

しかし、自民党関係者によると、2人の会談は「決裂には至らなかったものの、依然として隔たりがあるという印象だった」とのことだ。

「与党寄り」玉木氏への批判がブーメランに

前原氏が容易に妥協しない背景には、夏の参議院選挙を見据えた戦略があるのだろう。教育無償化の実現という成果を掲げた上で選挙戦に臨めるのであれば、「本予算に賛成する」という選択肢も視野に入れている可能性がある。

前原氏は、かつて国民民主党に所属していたが、2022年に本予算への賛成を表明した玉木氏に対し、「与党寄りだ」と異を唱え、決別した過去がある。しかし、今の前原氏の立場は、「自分たちの主張が反映されれば本予算への賛成もあり得る」というものであり、かつての批判が自身に跳ね返る形となっている。

衆議院選挙で議席を減らした日本維新の会は、現在、一枚岩とは言えない状況にある。共同代表となってまだ日が浅い前原氏にとっては、党内の動向を見極めながらの立ち回りが求められる。

教育無償化については、代表の吉村氏も実現を望んでおり、日本維新の会としての方向性は一致しているようだ。しかし、前原氏は、自民・公明との協議を進めながら、同時に党内の状況を踏まえた慎重な舵取りを迫られている。

専門家の反応は?

いま東京・大阪以外の子育て世帯や若者たちからも、高校無償化の拡充は期待を集めています。私が昨年度公表した調査では、子どもを生む可能性がある年代である20-30代の女性の半数が、所得制限のない高校無償化を支持していました。

党利党略ではなく、若い世代が子どもを産み育てることに安心できる日本を作るという気概を持って、自公維だけでなく、全ての国会議員に取り組んでいただきたいものです。

完全に保護者負担がゼロにならない政策を「無償化」と言い募ることで、国民の感覚が麻痺する一方で、アテンションを惹きたい政治とメディアだけが得をする。この構図自体が極めて不誠実だ。完全ゼロにならない政策を「無償化」と呼ぶべきではない。

また「無償化」の議論は、質改善の議論に蓋をしてしまう。例えば、公立学校、教員の人件費含めたいっそうの投資の必要性に関して、などである。「無償化」で、私立人気高騰に拍車をかけるようなら、本末転倒だ。

文部科学省の子供の学習費調査(令和5年度)をみると、高校の学習費総額は、公立高等学校では約59万8000円、私立高等学校では約103万円です。学校教育費に絞ると、私立高等学校では「授業料」の支出が最も多く、年23万3102円です(公立は年4万5194円)。東京都と大阪府では所得制限なしに大きな助成が受けられるようになりましたが、国でも行えるのか注目されます。

ネットの反応は?

このところ、少子化の影響で出願倍率が定員割れしている高等学校が、公立校を中心に増加している様ですね。

それらを前提に、今後少子化は加速し、高等学校も生徒数が減ることでしょう。 その時、公立校なら自治体の一存での合併、廃校は比較的容易だと思いますが、私学だと法人の経営という足枷によって、経営難に陥るまで運営が続けられると思いますが、そういう学校法人の延命にならないか、私学までの無償化には慎重になるべきだと思います。

個人的にいうと、公立なら住民や納税者の意思が、教育環境にある程度反映できる公立校には無償化の価値はあると思ってますが、私学全般無条件までというのは、如何なものかとも思ってしまいますね。

高校への進学率が九割以上の状況で所得制限なしの授業料無償化は国として教育に対する投資と考えれば頷けるものがある。ただ私立に対して公立以上の授業料を補助するのには疑問がある。

私立は保護者の寄付金などで充実した教育施設、教育環境が既に整えられている。それに比べ公立は十分な教育環境が整っていない場合がまだまだある。

私立に対して公立以上の授業料を補助するのであれば、その補助を公立への教育環境の充実に充てるべきではないか。

編集後記

おき編集長
おき編集長

なんで私立も無料化するのか?って思われがちだけど地域によっては高校入学者数が公立高校の定員数を上回っているところもあるので一概に公立だけ無償化していれば良いとはならないなぁと。

コメント

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