音楽や動画を楽しむ際に欠かせない「イヤホン」。1月8日は、一般社団法人・日本記念日協会により制定された「イヤホンの日」とされています。ところで、普段お使いのイヤホンが、使い方次第では法に抵触する可能性があることをご存知でしょうか?
こちらの画像にあるマーク、見覚えはありませんか?
名古屋の街で様々な年代の人に聞いてみると
郵便局かな?
見たことない
認知度はかなり低い様子。
「技適マーク」とは
このマークは「技適マーク」と呼ばれるもので、このマークが付いていないワイヤレスイヤホンを使用すると、法律違反に問われる可能性があります。
「技適マーク」は、スマートフォンやワイヤレスイヤホン、Wi-Fiルーター、Bluetoothスピーカーなど、無線を利用するさまざまな機器に表示されるものです。
日本の「電波法」で定められた技術基準を満たしている無線機であることを証明するためのマークであり、対象となる機器の製造者は、総務大臣が指定する団体による審査を受けて「技適マーク」と「技適番号」を取得する必要があります。これらは機器本体やパッケージに印刷されるか、画面に表示される形で提供されます。
「技適マーク」のない無線機を使用すると電波法違反となる可能性があり、違反した場合には1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されることがあります。さらに、公共性の高い無線局に妨害を与えた場合には、5年以下の懲役または250万円以下の罰金に処される可能性もあります。
重要なのは、この違反が「使った人」に適用される点です。機器を製造した人や販売した人ではなく、実際に使用した人が責任を問われるため、十分な注意が必要です。
「技適マーク」なしの製品を使用した場合の影響は
なぜ「技適マーク」のない無線機を使用すると、電波法違反になる可能性があるのでしょうか。
総務省の東海総合通信局によると、技適マークが付いていない無線機の多くは、使用するチャンネルや送信出力などが無線機の技術基準を満たしていない場合が多いそうです。そのため、周囲の人々の生活に支障をきたすような影響を及ぼす可能性もあると指摘されています。
想定される影響
- 技適マークが無いワイヤレスイヤホンを使っていて、周囲の人のワイヤレスイヤホンが使えなくなる。
- 技適マークが無く出力制限を逸脱したWi-Fiルーターを使い、周囲のWi-Fiルーターが使えなくなったり不具合を起こしたりする。
- 医療機関で技適マークが無い無線機を使うことで、心電図や呼吸のデータを遠隔で監視するシステムなどが不具合を起こす。
総務省によると、実際に技適マークのないワイヤレスヘッドホンが近隣の携帯電話基地局に干渉を引き起こした事例があるそうです。
しかし、「技適マーク」の認知度は決して高いとは言えません。そのため、知らず知らずのうちに技適マークのない製品を使用してしまう可能性がある現状に、多くの人が直面していると言えるでしょう。
正直、買う人はマークがあるかをいちいち見ない。販売する時点でマークがあるのか確認してほしい。マークの認知度が高くないことも課題ではないか
悪質な業者との「いたちごっこ」に
東海総合通信局では、店舗で販売されている無線機を試しに購入し、それが基準を満たしているかを確認する「試買テスト」を約10年前から実施しています。東海4県(愛知・岐阜・三重・静岡)を管轄する同局は、毎年約10件の店舗に対し、使用者が法律違反を犯してしまう可能性があることを伝え、販売を中止するよう呼び掛けているそうです。
さらに、インターネット上でも基準を満たしていない機器が多く販売されており、その状況について「いたちごっこ」のようだと指摘しています。
「技適マーク」を取得するにはコストがかかるため、メーカーが技適マークを取得せず、安価に販売するケースが後を絶たないといいます。中には、偽の技適マークや全く別の商品に対応する技適番号を販売サイトに表示して販売する悪質な事例もあるとのことです。
このように、さまざまな方法で技適マークのない製品が販売され、消費者の手に渡っているのが現状です。
大手通販サイト「楽天市場」の担当者は
『楽天市場』では、関係省庁や各行政機関等と連携しながら、出店店舗が法令遵守のうえ店舗運営を行っていただけるよう出店店舗向けのガイドラインを定めています。無線機器の取り扱いに関しても、電波法に則り対応を行っており、電波法で定められている技術基準に適合していることを証明する技適マークが貼付されていない無線機器を取り扱う際には、該当商品に技適マークが貼付されていないことと、日本国内で使用すると国内の電波法違反になるおそれがあることを、必須掲載事項として商品ページ上に記載することをガイドラインにて義務付けています。出店店舗において規約・ガイドライン違反があった際はその内容に応じて、厳正な措置を講じています
とコメントしております。
専門家の反応は?
大手家電量販店や大手メーカーから購入した商品には基本的に技適マークは入っています。
そうしたところからイヤホンを購入している人は気にする必要はありません。
問題となるのはAmazonのマーケットプレイスや中国(海外)の通販サイトから購入している人です。
この場合、商品写真に技適マークがあったとしてもマークだけの記載で、証明を取得していない可能性があります。
気になる方は総務省の「技術基準適合証明等を受けた機器の検索」から、番号を検索して証明を取得しているか調べることをおすすめします。
記事内には、技適マークがプリントされたワイヤレスイヤホンの充電器の写真が掲載されていますが、「普段、そんなところを見ないよね?」という場所に技適マークがあるんですよね。しかも目立たない色でプリントされている。
パッケージ(化粧箱)も同様です。よくよく見ないと技適マークがあるかどうかが確認しづらい製品が多くあります。
想像するに、こういったマークは極力見せたくないというイヤホンメーカー側の感情があるのでしょう。
こういった状況の中、消費者側に「技適マークを確認してから購入しよう。技適マークがないイヤホンを使うと法律違反だ」といった啓蒙活動をするのは無理がある気がしてなりません。
ネットの反応は?
これは、購入者や利用者に責任があるのではなく、むしろ製造者や販売者に問題があるのではないでしょうか。実際、購入前に技適マークの有無を確認することは難しいと思います。だからこそ、技適マークを管理している会社には、その商品の型番をサイトなどで明確に示し、技適マークに適合していることを分かりやすく周知してほしいです。
昔、パーソナル無線を違法改造して大出力にしていたトラックドライバーが捕まる話はよくあったけど、Wi-FiやBluetooth製品の技適マークが無い製品を使って検挙された話は聞いたことがない。
そもそも、街中で無作為に職質かけない限りわからないよね。だからいいという訳じゃ無いけど、本気で取り締まるなら製造・販売側に罰則を設けて、実際に摘発しないと。
編集後記
自分のイヤホンにマークあるか確認しちゃったよね。てか何で利用者に罰則?製造元が責任持つべきでしょ?
コメント