最近、職場やレストランで食事しながらスマートフォンをいじる人をよく目にします。このようにスマートフォンを見ながら食事をすることが一般的になった今、食事への影響は果たしてどうなのでしょうか。味の素が行った「一人で食事する際の“味覚”に関する調査」を基に、スマホを見ながら食事をする状況とその影響について探ります。
約8割の若者が“スマホ見ながら飯”をしている理由「時間の有効活用」「暇つぶし」
このアンケートは2024年10月8日から11日にかけて、15歳から59歳の一人暮らしの男女500人を対象に実施されました。一人で食事しながらスマートフォンを使用する人は、10代から20代では77.5%に達し、30代から50代では48.6%でした。10代から20代の間でこの割合が約8割にも上るのは、若いころからスマートフォンに慣れ親しんでいる影響かもしれません。
次に、スマートフォンを見ながら食事する経験がある10代から20代の理由を調査しました。もっとも多い回答は「食事時間を有効に使いたい」というもので、34.1%の人が挙げました。これは限られた時間で最大限に成果を出したいと考えるタイプ思考の表れかもしれません。
一方で、スマートフォンを効率的な時間の使い方として見る声がある一方で、「食事が退屈だから」と答えた人は27.7%、「一人での食事が寂しいから」との回答が26.4%ありました。これはスマートフォンを暇つぶしや孤独感の緩和の手段として利用していることを示しています。さらに「特に理由はないが」と答えたのが27.0%、「スマホを触るのが習慣になっている」という人も21.9%おり、多くの若者が食事中でもスマートフォンを手放せなくなっていることが明らかになりました。
このような状況が、食事をする際の人々の体験にどのような影響を与えているのでしょうか。
「スマホ見ながら飯」のデメリット 10代~20代の約半数が「食事を味わっていない」
10代から20代の「スマホを見ながら食べる」人々に、その行為が食事にどのような影響を与えているかを尋ねたところ、46.4%の人が「食事を十分に味わうことができていない」と答えました。
さらに、「食事中にスマートフォンの操作や視聴に夢中になってしまう」と感じると答えた人は、「10代」が82.5%、「20代」が78.7%に上り、約8割の若者がスマホに気を取られて食事に集中できないことが明らかになりました。
また、「スマホを見ながら食べる」ことのデメリットとして、70%が「無意識に長時間食べ続けてしまう」、半数が「満腹を感じにくく、食べ過ぎてしまう」と報告しています。
調査によると、スマートフォンを操作・視聴せずに食事をする場合、10代は平均18.3分、20代は15.5分で食事が終わることが多いです。しかし、「スマホ見ながら飯」をする場合、10代の食事時間は20.3分、20代では20.6分と明らかに長くなっています。この「だらだら食べ」が過食に繋がる可能性があるため、注意が必要です。
多くの若者が「スマホ見ながら飯」を実践していますが、この調査からスマホに気を取られて食事の満足度が低下していることが確認されました。また、食事が単なる作業になってしまうことや、食べ過ぎのリスクもあり、精神的、健康的にも良くない影響があるとされています。時にはスマホの電源を切って、食事をしっかりと味わうことを試してみることをお勧めします。
専門家の反応は?
新聞を読みながら食事、テレビを見ながら食事、がスマホを見ながらに変化しただけとも言えます。 スマホを見てしまう理由として「時間の有効活用」や「退屈しないため」が回答として多いことを考えると、デメリットとして挙げられている「食事への満足度が低いからやめよう」では解決策にはならないと思われます。 例えばこれが幼児であれば「顎の成長バランスが崩れる」、高齢者であれば「誤嚥するリスクが高くなる」といった理由から本人(保護者)も積極的に回避しようとするメリットがあるのですが……。
個人的には「孤食」に問題があるのではないかと思います。 友達や家族など複数人で一緒に食べて適度に会話が生まれているなら、スマホを見る時間はあまりありませんので。
国立青少年教育振興機構の青少年の体験活動等に関する意識調査(2022年調査)でも食事などの最中にスマホが気になる人の割合は高い結果が出ています(スマホ利用者限定、よくある+時々あるの合計)。
小学4年生…22.4%
小学5年生…21.9%
小学6年生…24.9%
中学2年生…30.8%
高校2年生…41.7%
年上ほど高い値ですが、これはスマホの熱中度やリアタイのチェック必要性が高いSNSの利用度が影響しているものと思われます。
また特にすることがない時、とりあえずスマホを操作している人は
小学4年生…62.1%
小学5年生…68.3%
小学6年生…77.9%
中学2年生…88.9%
高校2年生…93.9% となります。
これらは、親の時代における新聞のながらや、スマホの前にはよく見られたテレビと同じようにも思えます(テレビと比べれば能動的な行動なのが問題ですが)。
ネットの反応は?
うちは旦那がまさにコレ。
家だろうと外食だろうと家族(子ども4歳と0歳)と一緒でもスマホ!スマホ!!スマホ!!!
私の実家では夜ご飯の時しか家族揃わなかったからテレビも消して携帯もさわらずみんなでその日あったことなどを喋りながら楽しく食事していた。旦那の実家は親も注意しなかったみたい。
育った環境が違うのはしょうがないけど、食事の時くらい携帯触らず子どもに今日は保育園でなにしたの?とか子どもの食事の手伝いくらいしてほしい。 携帯ぶん投げてやりたい…
私、若者じゃないですけれど職場はほぼ個室なのでお昼は常に一人、弁当食べながらついついスマホ動画とか見ちゃいますよ。マインドフルネスとか流行ってますから、「ながら」作業は悪いと分かってますけどね。毎日そんな理想的な生活するのは難しいです。一人で食事する時は個人の自由じゃないでしょうか。まあ、でも他人と食事するときはスマホ見るのは礼儀的に無しと思っています。
待ち時間に雑誌を読んだり、スマホを見たりは勝手だと思うけれど、食べながらは良くないと思います。
食事の時は、「暇つぶし」よりも食事に集中すべきです。
とはいえ、忙しい朝食時に、「情報を得るため」にニュース番組や新聞を読むのはありかなと。その点、スマホも同じなのですが、トイレの便座よりも汚いとか言われている細菌だらけの物を、食べながらいじくるのは、衛生的にいかがなものかと思います。
あと、礼儀としてという部分もあると思います。 家の内外問わず、調理してくれた人が目の前にいるのに「ながら食べ」するのは、普通に失礼です。
お弁当を1人で食べるとかなら、自由にしたらいいと思いますが、個人的には、細菌だらけのスマホをいじりたいとは思いませんね。
編集後記
動画見ながらとかだったらTVみながら食事と変わらないから分かるけど、何か操作しながらとかの人は器用だなぁと思っちゃう。
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