梅雨明けによる酷暑の中、冷房のきいた建物に入ると体調を崩すことがありますよね。この急激な気温の変化を、気象用語でいう「前線」と例えて、医師や気象専門家からは体調変動に対する警告が発せられている。
心身への負担を懸念 玄関前線とは?
「前線」とは、暖かい空気と冷たい空気の接触点であり、気温が顕著に変わる場所を指す気象用語です。家や店の内外で冷房の影響により気温が大きく異なる現象を、「玄関前線」と称しています。
この現象について語るのは、日本気象協会の気象予報士、小越久美さんです。小越さんによれば、「玄関前線」は心身に重大な負担を与える可能性があるとのことです。例を挙げると、朝、冷房が効いた家を出て炎天下を歩き、その後、冷房が効いた電車に乗る場面がこれに該当します。
「暑い日々が続くと、冷房に長時間さらされることも多いですよね。この『玄関前線』を何度も越えることで、体調を崩す人が増える可能性があります」と小越さんは述べています。
その理由として、内臓機能や血流の調整を担う自律神経(交感神経と副交感神経)が、大きな気温変動に影響を受けやすいためと指摘されています。
切り替えが追いつかず
実際、気温の上昇によって、私たちの自律神経はどのように反応するのでしょうか。
副交感神経は、心拍数を落ち着けて発熱を抑制し、体温の上昇を防ぐ役割を持っています。しかし、気温がさらに上がると、交感神経が優位になり、発汗を促して汗を蒸発させることで体温を冷ます働きをします。
一方で、暑い外から冷房の効いた室内に入ると、交感神経が活発になり血管を収縮させ、体を温めようと心拍数を増加させます。外に出た際には、副交感神経が活動を増し、心拍数を落ち着けるように作用します。
このように、自律神経の2つの要素が互いにバランスを取りながら体調を調整しようとしますが、気温の極端な変動が続くと、この自律神経の切り替えが間に合わず、体調を崩すことがあります。小越さんと共著を持つ順天堂大学医学部の小林弘幸教授は、
小林弘幸教授
急激な変化に対応しようとするうちに自律神経は疲弊する
と述べています。
玄関前線の改善策は?深い呼吸を繰り返すと効果的
また、交感神経が優位になる状態が続くと、体調不良の原因となることを小林さんは指摘しています。
紫外線の影響や暑さによるストレスは交感神経を刺激し、その結果、交感神経が優位な状態になりやすいとされています。さらに、現代人のスマートフォンの使用も、交感神経を優位に保つ要因となっています。
交感神経が優位な状態が続くと、エネルギー消費が増え、疲労感やだるさが生じやすくなります。また、頭痛、めまい、食欲不振、便秘や下痢などの症状が現れることもあります。
これらの症状に対処するためには、副交感神経の活動を促す習慣を取り入れることが効果的です。例えば、「呼吸」を整えることが挙げられます。副交感神経はリラックスしている時に優位となり、深い呼吸は副交感神経を刺激してリラックス状態をもたらします。息を長く吐くことで副交感神経が促され、緊張が和らぐ効果も期待できます。
体をひねるようなストレッチで腸を刺激することも自律神経のバランスを整えるのに役立ちます。小林さんによれば、
小林弘幸教授
腸の蠕動(ぜんどう)運動は副交感神経が優位なときに活発になりますが、逆に腸に刺激を加えることで副交感神経の働きに作用することが期待できます
とのことです。
ネットの反応は?
6月の暑くなりだした頃に、家から駅まで自転車に乗って汗だく→電車の冷房で一気に冷やされる→駅から会社まで徒歩で汗だく→オフィスの冷房で一気に冷やされるを繰り返したら、ものすごい体の重怠さと頭痛に襲われて、数日、市販の栄養剤を飲んでも頭痛薬を飲んでも良くならないかったので病院に行きました。
熱中症に気を付けるのは勿論の事、寒暖差にも十分注意した方が良いですね。
室内でもクーラーのない場所と行き来すると体感がおかしくなるから自律神経乱れまくってる。ヒートショックどころではない。 シャワーすると同じ室温でも寒く感じたり。更年期だから火照りやのぼせもあって。去年同様、体調不良で使いものにならない。どんどん地熱が蓄積されて外は灼熱地獄。気力も奪われてただボーッとしてるだけで夏は善しとしている。
結局、急激な気温の変化がダメなのよね・・・。 冬に多い、風呂場でのヒートショックの逆バージョンというか。特にお年寄りの身体には負担だと思います。
なるべく昼間は外出せず、朝夕で済ませるしかないと思います。もし昼間に移動する場合は、お金はかかりますがタクシーや車で移動する事をおすすめします。
いわゆる「寒暖差疲労」は、季節の変わり目などによく起きる症状ですが、エアコンを多用する真夏でも、注意を要します。
「クーラー病(冷房病)」という症状がありますが、自律神経失調症の一つであり、室内外の温度差に体が対応できず、疲労感や倦怠感を引き起こします。
クーラーの風に長時間あたり続けたり、屋内外を頻繁に行き来する事が原因で、起きる症状です。冷え症の方や低体温の方は、かかるリスクが高く、注意を要します。
予防策としては、十分な水分補給、バランスのよい食事、質の良い睡眠等の生活習慣を整える事や、クーラーの効いた室内では、なるべく体を冷やさないように、ストレッチや衣服で調節するなどが効果的だとされています。
編集後記
クーラーあたりすぎると具合悪くなりますもんね。でもつけっぱなしにしないと暑いし、かえって電気代が、、夏は色々考えることが多いですね。
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