国土交通省が2023年度に行った調査結果によると、最近1年間で自宅でテレワークを経験した会社員や公務員の割合は16.1%と、前年度比で2.7ポイントの減少を見せた。テレワークは新型コロナウイルスの感染拡大防止策として一時期広まったが、現在はその傾向が後退していることが指摘されている。しかし、週に1~2日だけテレワークを行う人々の比率は増加しており、テレワークと出社を組み合わせた労働スタイルが広がりを見せている。
この調査は2023年の10月から11月にかけてインターネットを通じて実施され、約36,000人の会社員、公務員、パートタイム労働者の中から、テレワークをした経験がある5832人が確認された。地域別に見ると、首都圏でのテレワーク実施率が28.0%と最も高く、その後に近畿圏の15.0%、中京圏の13.3%が続き、その他の地方都市圏では8.8%となっている。
テレワーク時のマナーと言えば「チャットに反応する」「マイクをオフにする」より重要なものは?
コロナウイルスの流行によって一般化したテレワーク。この新たな労働形態が普及するにつれ、ビジネスマナーにも変化が見られるようになった。テレワーク特有のマナーがどのように定着しているのかについて、システム開発のLASSIC(鳥取市)が運営する「テレワーク・リモートワーク総合研究所」が調査を行いました。
テレワークで気を付けているマナーTOP3は?
テレワークにおいて守られているマナーに関する調査で、最も多くの回答者が「時間の厳守」(52.9%)を挙げている。また、「チャットを確認した際はリアクションを示す」が37.3%で続き、「話していない時はマイクをオフにする」が34.4%、「通信環境を良好に保つ」が26.5%、「会議資料を事前に共有する」が20.6%という結果が得られた。これらのマナーは、テレワークの効率とスムーズなコミュニケーションを支えていることがうかがえる。
テレワークのマナー意識に世代間ギャップも
世代間の違いがテレワークのマナーにも現れていることが分かった。特に「チャットを見たらリアクションする」については、20代では40%以上がこれを意識しているのに対し、60代では約24%にとどまる。
最も多くの回答を集めた「時間を厳守する」というマナーに関しては、20代が約40%と最も低く、逆に60代では68.3%と非常に高い割合でこの点を重視していることが明らかになった。これは、長年のビジネス経験を持つ年配の層が時間管理を重んじる傾向があることを示している。
オンラインでのコミュニケーションマナー、例えば「チャットへの即時反応や肯定的な表情を使う」などは、20代の間で特に強く意識されている。
さらに、男女別の結果を見ると、「時間を厳守する」は男女問わずに重要視されているが、「チャットを見たらリアクションをする」については女性の方が男性よりも10ポイント高いことが分かった。
専門家の反応は?
リモートワークが良いのか、悪いのかは職種や職場環境によって変化するのは当然のことだと思います。1つのやり方を押し付けないということが重要になるでしょう。一方で、企業関係者の方に話を聞くと、リモートワークと出社を組み合わせるハイブリットが一番生産性が高いと言う意見を聞きます。育児や介護で会社に長時間居ることが難しい従業員も増えており、会社に滞在する時間は柔軟にすべきでしょう。また満員電車は従業員を疲弊させるので、それを避けるべきでしょう。ワークライフバランスか取れるような勤務態勢を構築する必要があります。
世界のトレンドに反して日本ではオフィス空室率は右肩下がりで低下中です。こうしたトレンドも後押ししているのでしょう。ただ、別の調査ではリモートを容認してくれるならば給与が2割下がってもいいとする従業員アンケートや、労働経済学の研究ではリモートのような環境はクリエイティブ職種だと生産性が上がりやすいこと、マクロ経済学の研究では日米でリモートワーク効果でオフィスワーカーだろう女性の出生率改善も確認されています。
ネットの反応は?
リモートで完結できる仕事なら完全リモートでよいかと。
これなら出勤時間がなくなるし、極端な例では地方に移住することもできてメリットがある。
ただ1人で仕事を進めることができない若手は出社のほうがケアしやすいと思うので、職務内容やスキルなどに応じて柔軟な働き方ができるとよいかなと思う。
いやほんと通勤時間って無駄だし、少しでもテレワークの人が増えれば電車も空いてよいのでは。
病院に勤めているのでテレワークには縁がありません。
出入りの業者に連絡すると「担当者が在宅勤務をしております」と言われることがあり、要件を伝えると結果的に担当者じゃないとわからないと言われて、折り返しの電話を待ち、結局、自宅から担当者がくるようなことが何回かあった。
自宅から取引先に直接行くなんて嫌なんじゃないかなと思いながらも、急ぐ時はそうでもしてもらわないといけないので、その業務はテレワークに向いてるんだろうかと思うことがあります。
私の会社はフルリモート、フルフレックスで年4回程度の出社。幼児子育て中ですが保育園の送迎、隙間時間で家事もできるので妻もフルタイムで働き世帯収入を落とさず生活できとても助かってます。今のところ会社業績も安定しておりリモートによる弊害は見受けられないので今後も続く見込み。会社のカルチャーや人材レベルに依存するので一概に全企業でそうすべきとは思いませんが、もう少しハイブリットな働き方があっても良いのかなと思います。
東京の会社で働いてます(月ー金のオフィスワークです)。
社内の色々な人と仕事で接したりテレワークについて話したりしますが、これはもうはっきりした傾向が出ています。
東京23区やその近くに住んでいる人は、比較的出社したがります。高い住居費を払ってせっかく職場の近くに住んでいるのに勿体無いから。埼玉千葉、神奈川の横浜より先の人は割とテレワークしたがります。
あと、育児中の女性はテレワークを比較的好みます。うちの会社が出社回帰に踏み切らないのは、ここが大きいと聞いています。仕事の生産性が下がったかどうかも必ずしも証明できないそうです。
編集後記
なんでも100%にしなければお互いストレスなくいけるんじゃないって思うんですが、ハイブリッドワークってなかなか浸透しないんですかね。
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